酷語(漢字)の即点力情報

006 「点の有る無し判定術(専と博)」


テストや作文,小論文などを書いていて
「あれ〜…どっちだっけ…(悩)」
「点を打つのか…打たないのか…(汗)」
「どっちだったかなあ…」

と悩み苦しむコトがある。

「せんもん」の「せん」
という漢字である。

苦しまぎれに…

などと書いたりする。

すると先生も悩むコトになる
「おや〜…この点のようなモノはナニかな…」

「先生,ちゃんと見て下さい!」
「消しゴムで消してあるでしょ…ちょっと残っちゃった…かな?え?」


しかし,先生のジャッジは
「×」
である。



そして第2問
「はくらんかい」の「はく」
「あ〜…これも,どっちかなあ〜!!」

とりあえずは…


「何だ?この線のようなモノは?」
「うっかり,シャーペンがすべった跡か?」

「いいえ!! 決してそのようなコトはありません。点です!!」

この場合も先生のジャッジは…
「×」
となる。



第3問…
「しゅっせきぼ」の「ぼ」
「あ〜,またまた悩むなあ!!」



「う〜〜ん,なんとも微妙な点だなあ…」
「なにをおっしゃいます! ちゃんとした明確な『点』ではありませんか!」


この場合の判定も…
「×」
となる。



我が国の法律は
「疑わしきは,罰せず」
を理念とするが
テストの採点は
「疑わしきには,×(バツ)をする」
が原則なのである。

血も涙もない…。
嗚呼無情であり,諸行無常である。



そこで姑息(こそく)な手段はキッパリあきらめ
「点の有る無し判定術」
を身に付けたい。

「専」
「博」の右の部分は
一見して同じ形であるが
漢字の歴史をさかのぼると
実は,まったく異なった意味のモノである。

旧字体で表せば
「専」「專」であり
「博」「愽」となる。
(「甫」という字に似ている。)

旧字体を省略して,現在の字体に改めたため
偶然に同じような字体になってしまった歴史があるのだ。

だから,「点の有る無し」は
それぞれの漢字の御先祖様を指し示すという
実に重要な意味をもっているのである。



な〜んて…学校でも教えてくれないような知識を紹介しても
多分,中学生諸君は喜ばないのである。

そこで,ここまでお付き合いしてもらった
興味・関心・意欲満点の中学生諸君のために
「点の有る無し判定術」
を紹介するのである。
(ここからが,いよいよ『うらべん』情報となる。)
(ナガナガと話を引っ張ってゴメンナサイである。)


「専」「恵」「博」「簿」「薄」
そして
「浦」「補」「輔」「甫」「捕」
などは
音読みでハ(バ)行の読みの漢字には
点が付く

と覚えていただきたい。

つまり…

「専」音読みン」
これは,「ハ行(ハヒフヘホ)」ではないので「点はつかない」

「恵」音読みイ・
これも,「ハ行(ハヒフヘホ)」ではないので「点はつかない」

「博」音読みク・ク」
これは,「ハ行」だから「点がつく」

「簿」や「浦」などは音読みで「ホ・ボ」
これらも「ハ(バ)行」なので点有りとなる。

ただし,このルールで判断する場合
ちょっとだけ気をつけて欲しい漢字がある。

「いなほ」の
「穂」である。

読みは
「ほ」なのに「点は付かない」

なぜなら
「穂」「ほ」訓読みであり
音読みは「スイ」なのである。

ホラね!「ハ(バ)行」ではないのである。



さて! いかがだろうか!
「点の有る無し判定術」
これで,今までの悩み苦しみから解放され
テストや作文で,安心して「点」が打てると思う。
ほんのちょっとだけ…だけどね。


あ…まさかいないと思うけど…
「犬は,ケンと読むのに,どうして点が付くんですか?」
な〜んて言わないでね。
「点の有る無し判定術」は,あくまで
「専」「恵」「博」「簿」「薄」…
「浦」「補」「輔」「甫」「捕」…
などの漢字限定である。


だから
「犬」の点の有る無しで悩むような中学生は
漢字を忘れるついでに
「点の有る無し判定術」もキレイサッパリ忘れていただきたい。
あしからず…である。


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