第40話 「うさぎとかめに学ぶ」
〜 なぜウサギはカメに負けたのか 〜


「うさぎとかめ」


もしもし かめよ かめさんよ
せかいのうちに おまえほど
あゆみの のろい ものはない
どうして そんなに のろいのか

なんと おっしゃる うさぎさん
そんなら おまえと かけくらべ
むこうの こやま(小山)の ふもとまで
どちらが さきに かけつくか

どんなに かめが いそいでも
どうせ ばん(晩)まで かかるだろう
ここらで ちょっと ひとねむり
グーグーグーグー グーグーグー

これは ねすぎた しくじった
ピョンピョンピョンピョン
ピョンピョンピョン
あんまり おそい うさぎさん
さっきの じまんは どうしたの




…以上,中学生ならダレでも知ってる
「うさぎとかめ」の歌である。
(しかし…4番まであるとは知らなかったのである)
(童謡もなかなか侮れないのである…)


ちなみに作詞は石原和三郎先生で
作曲は納所弁次郎先生である。



それは,さておき!!

今回,「うさぎとかめ」を紹介したのにはワケがある。

「どうしてウサギはカメに負けてしまったのか」
それを考えていただきたい。
「どうしてカメはウサギに勝ったのか」
でも結構である。



「ウサギは途中で寝ちゃったからだろう!」

…う〜ん,それは確かなのだが…
それでは,「思考」に今ひとつ深まりがない…。



「ウサギは油断したから負けたんだ!!」

…う〜ん,それでも結構なのだが…
それくらい「答」だったら,小学校の低学年でも出せそうである。



「ウサギには慢心があったからだ!!!」
…なるほど!
だんだんと中学生らしい「思考」になってきたのである。

あ…「慢心」の意味がわからずに
答全体の意味がわからない中学生は
ちゃんと辞書を引くのである。
そうでないと,いつまでも小学生レベルから
脱却できないままである。




「ウサギはレース前にカメからもらった
睡眠薬入りニンジンを食べたからだ!!!」


…う〜ん…それはいかがなものか…
想像力が豊かなことは結構だが…
それでは,探偵フナコシの思考である。

他にはないいだろうか…
今一度,
自分の脳ミソで考えていただきたい。
「どうしてウサギはカメに負けてしまったのか」
である。



毎度のことであるが…
自分なりに十分に
「思考」を繰り返して
それで「答」が出てきたら
その「答」を大切にしてもらいたい。
自分の思考から導き出された「答」は
ただそれだけで
十分に尊いのである。

そのことを「分かっている」中学生は
自分の価値を自覚できる中学生であり
他人の考えをも「尊重」できる中学生なのだ。



あ…それはさてさておき!!

「どうしてウサギはカメに負けてしまったのか」

である。


この「問」に対しては様々な「答」が考えられるが
その中でも
これかからのアナタの
勉強の姿勢
とても役立ちそうな「答」を紹介するのである。



「答」

「ウサギは
カメを見ながらレースに臨んだから」
である…。

「え? そんだけ?!」

そう…そんだけである。
しかし
ちょっと付け加えるならば…

「カメは○○○を見ながらレースに臨んだ」



「○○○」には何が入るかな……である。

ここまでくれば
賢明な中学生なら
ピーンとくるだろう。
頭の上に「電球」が点灯した瞬間である。
とっても
気持ちの良い瞬間である。






そう…
「ゴール」である。

ウサギはカメを見ながらレースに臨んだが
カメは
ゴールを見ながらレースに臨んだ。

それがカメがウサギに勝ち,ウサギがカメに負けた要因である。

「え〜…イマイチ意味が…」
そういう中学生は
今しばらく答の意味を考えていただきたい。

きっとアナタの頭上にも
いつか電球が点灯するのである。



「な〜るほどぉ!!!!」
という感じの頭上電球点灯中学生は次に

「じゃあ,そのことを自分の勉強にどう生かすのよ?」
という視点で
自分の
思考の世界再突入してもらいたい。



ちなみに…
よい子の絵本の「うさぎとかめ」を見てみると
時々,「小高い丘」又は「山の頂上」で
旗を持って小躍りしているカメの姿を見ることがある。

おかしい…
確か…ゴールは
「むこうの こやま(小山)の 
ふもとまで」
だったハズである。

カメもウサギも
当初のゴール設定を見失い
とんでもなくオーバーランすることがあるらしい。



また,よくよく考えると
むこうの こやまの ふもと」という
ゴールの設定もスゴイ。

なんともアバウトな位置指定である。

普通,こんなゴール設定でレースを始めると
ゴール付近で大変なコトになる。

ウサギとカメがそれぞれ違う位置に立って
「ココがゴールだもんね!!」
「いや,こっちこそホントのゴールだもんね」

と見にくい争いを展開することになるハズである

いずれにせよ…
キチンとしたゴールを定め
確実にそこを目指す…
ということは
とても大切なコトなのである。

お粗末!!


  

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