第23話の4 どうして「国語」を学ぶのか 3
〜 意外と伝わっていない アナタのココロ 〜



言葉はアナタを映す鏡である。



アナタが相手に投げかけた「バカ」という言葉は
相手を不快にする。

もちろん
アナタは相手を不快にする目的で言葉を投げたのだから
この攻撃は「成功」である。

ただ
言葉の働きは,これだけでは終わらない。

アナタが相手に「バカ」を投げかけた瞬間に
相手は
「この人は,こんなヒドイ言葉を遣う人なんだ」
というラベルをアナタに貼り付けてしまうのである。


仮に,相手から「反撃」の言葉が返ってこなくても
相手はアナタを
「ヒドイ人間」という目で見るようになる。



また
アナタが
人の話を聞く場合,言葉を研いていないと
相手の言いたいこと,考えていることを正確につかむことができない。



相手がかなりの「言葉の達人」なら
そんなアナタにも分かりやすい言葉で話してくるので
なんとか意味を分かることができる。

アナタが「言葉貧乏」でも
相手は,ブンブンと脳味噌を回転させ
あなたの言いたいことを理解してくれるハズである。


しかし,「言葉の達人」は,なかなかいるものではない。

ほとんどの会話は「誤解」や「解読不能」で終わることになる。

普通の日本語で話しているつもりなのに,考えや気持ちを伝えたり
相手の考えが分からないまま会話をしているのである。



さらに,言葉を研くのは,「会話」のためだけではない。

本を読んで「意味不明」なのは
アナタの言葉研きが足りないからである。

過去の偉人の考えとコミュニケーションする道具・・・それが本である。


試しに,小学校の教科書を読んでみると良い。
面白いほど意味が分かる。

当たり前である。

小学校レベルまでの言葉は,キチンと研かれている証拠なのである。

それは
小学校時代の「国語」の勉強で,アナタが獲得した財産である。



映画やテレビも同じようなことが起こる。

民間放送のバラエティやドラマは面白いのに
○HKのニュース解説はチンプンカンプン・・・。

社会的な知識が不足しているのも原因だが
言葉研きが足りないのが主な原因である。



理科や数学,社会,そして英語等々の文章問題が苦手である・・・

それも
言葉研きの不足が原因である。

授業中の先生の説明が「イミフ」なのも同じである。



言葉研きは,歯みがきと同じで,自分でするしかない。

言葉は
周囲の人や社会とキチンとつながるために
必要不可欠な道具なのである


言葉は「遣う」ものであって,「使う」ものではないのである。
「遣う」と「使う」の意味の違いくらいは辞書で調べて欲しい。

コツコツと国語の勉強を積み重ねる意味がそこにある。



国語を勉強しなければならない理由は他にもあるのだが
あまりたくさん書くと,書かないのと同じ結果になるので
今回は,これくらいで勘弁してほしいのである。