第23話の10 どうして「理科」を学ぶのか 1
〜 故障かな・・・と思ったら 〜



家で使っている洗濯機が動かなくなったとしたら・・・。

「動かなくなった」と言っても
夜な夜な家中を歩き回っていた洗濯機が
ある朝,応接間で絶命していたわけではないのである。
(日本語は実にムズカシイ)

それは,さておき

電源のスイッチを入れても
ウンともスンとも言わなくなったのである。
本当に「ウン」とか「スン」と洗濯機が喋るわけではない。
(日本語は実実にムズカシイ)

つまり,故障してしまったのである。


そんな時にどうするか・・・である。



電気や機械の知識が少しでもある奥様と

全く知識がない奥様では,その対処が異なってくる。


無い奥様は,電気屋さんに電話をかけ
「洗濯機が動かないので,修理してください」
とお願いするしかない。

少々,電気や機械の知識のある奥様は
なんとか,原因を探ろうとする。



「昨日は動いたんだよね・・・」

「昨日は変な音なんかしなかったよね・・・」

「停電ではないし・・・」

「取扱い説明書を見てみようかしら・・・」

「何々?,故障かなと思ったらですって?」

「コンセントはしっかり差し込まれていますか・・・ですって?」

「コンセントなんかさわってないわよ・・・あれ〜!!」

「コンセントぬけてるっ。だぁ〜れ,洗濯機のコンセント抜いたの!!」

「ごめん,ごめん,わたしわたし・・・」

「どうしてコンセントなんか抜いちゃうのよ!」

「だって,ケータイ充電しなきゃ・・・」

「ケータイの充電なら,茶の間のコンセント使いなさいよ」

「だってぇ,あそこ,お父さんのヒゲ剃リ充電してんだもん!」

「だからって,使ったモノはちゃんと戻しておきなさいよ!!」


一般家庭でよく見かける微笑ましい光景である。
(見かけない,見かけない)



さて・・・
電気や機械の知識の全くない奥様に呼ばれた電気屋さんは
どんな,気分になるだろうか・・・

「奥さん,あのねぇ〜・・」

きっと,そんな言葉から始まりそうである。
(合掌・・・)




そんなこんなの出来事から
「なぜ理科を学ぶのか」を考えてみるのである。



人は,問題にぶつかったとき,
問題に出会ったとき

今までに分かっているこや経験したことを思い出し

そこから

問題の原因や解決の方法を予想し

実験や観察によって

解決していくのである。


これが「理科的な考え方」である。


洗濯機のトラブルを解決した奥様は

「洗濯機が電気で動くこと」を知っていた。(知識・経験)

「今までの様子に,特に異常はなかったこと」を確認した。(観察)

「現在,停電ではないこと」も確認した。(観察)

「取説にトラブル対処法が書かれていること」を知っていて(知識・経験)

「取説に今回の対処法が書かれているのではないか」と予想し(予想)

「取説を読んでみた」のである。(実験または実行)

自分が持っている知識や経験を基に
それに合った観察や実験を行い
問題を解決したのである。

理科の授業では
様々な実験や観察の経験を重ね
知識を整理しながら,結果を予想したり
答を導き出したりする力を育てているのである。


数学で出てきた
「筋道を立てて考える力」と少し似ているが
「実験」や「観察」が伴うところが
違うのである。

まずは,このことから諸君に伝えたいのである。


つづく

かなっ?