第18話  「雨ニモマケズ」に学ぶ勉強スピリット
〜 ソウイウモノニ アナタハナレルカ・・ 〜


この期に及んで,再び考えるのである。

「勉強っていったい何だろう」

「勉強っていったいどうすることだろう」



誰でも一度は考えてほしい問題なのであるが,
多分,ほとんどの中学生はそんなコトなんか考えているヒマはないのだ。

中学生は忙しいのである・・・

もしも,一度でもあったら,アナタはかなりのハイレベル中学生である。
そして答を見つけ出しているなら
スーパーハイレベル中学生であるに違いない。

もう教えるコトは何もない。自分の信じた道を自分の
力で歩んでほしいものである。

(以前に何度も使ったボケである。これにも少しアキてきた・・・)




【それでも,考えたことのない人のために】

大多数の考えたコトのないであろう・・・中学生のために
今回は一編の
を紹介するのである。

あまりにも有名すぎる
宮沢賢治先生「雨ニモマケズ」である。
原文は難しい漢字やカタカナで書かれているため,
現代風の文体で紹介するのである。
声に出して読むのである。


【雨にも負けず】

雨にも負けず 風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ
丈夫な身体をもち

欲はなく 決して怒らず
いつも静かに笑っている

一日に玄米四合と
ミソと少しの野菜を食べ

あらゆることを
自分を勘定に入れずに

良く見聞きしわかり
そして忘れず

野原の松の林の陰の
小さな萱(かや)ぶきの小屋にいて

東に病気の子供あれば
行って看病をしてやり

西に疲れた母あれば
行ってその稲束を負い

南に死にそうな人あれば
行って怖がらなくてもいいと言い

北にケンカや訴訟があれば
つまらないからやめろと言い

日照りの時は涙を流し
寒さの夏はオロオロ歩き

みんなにデクノボウと呼ばれ
ほめられもせず苦にもされず

そういうものに
私はなりたい

                                    

何度読んでも素晴らしい詩である。

宮沢賢治という人が生きた時代や環境の中で
人として,どう生きたいかという
人生の目標を表現していると「まくべん」は勝手に感動している。

 もう少しこの詩の意味について考えていきたいが
それは「まくべん」の役割ではないので
国語や道徳の先生に席をゆずることにするのである。

(電車の中では,ちゃんとお年寄りに席をゆずるべきである)



【勉強ってどうすること?】

 さて,話題をもどすのである。

宮沢先生の「雨ニモマケズ」の詩の中に,
「勉強とはどんなことか」という質問に対する答えが書かれている文章がある。

まずは自分の力で探し出してほしい。

スグに答を知りたいだろうが,
ちょっとガマンして「雨ニモマケズ」の詩を読み返してほしい。

これもひとつのトレーニングである。











【ちゃんと自分で考えたか?】

くどいようだが,もう一度確認する。

ちゃんと「雨ニモマケズ」を読んだか?
自分の力で,答を見つけ出したか?

である。


自分のアタマで考えず,答だけ知ろうとするのは
「しかたな勉強」のマインドコントロールを受けている証拠だ。
それもかなりの重傷である。


 自分の答を見つけ出していない人は今一度きちんとチャレンジするのだ。

そうした努力が本物の知識を身に付ける第一歩なのだ。







では答え合わせなのである。


【雨ニモマケズの勉強スピリット】



「勉強とはどうすることか・・・」答は

















「よく見聞きしわかり そして忘れず」

である。


とても短く簡単な文章であるが
ここに「勉強」の全ての要素が含まれているのだ。



【@よく見聞きし】

授業中の先生説明や教科書,黒板や資料,友達の様子をよく見なさい。
人の話をよく聞きなさいと言っている。
それだけではない。
書くときは書き
考えるときは考え
身体を動かすべきところではきちんと活動しなさいという意味である。

(「ちょとマクベンはん・・・ちゃいまんねん・・」という賢治先生の声が聞こえるような気がする)
(しかし,一切ムシである・・・)
(ちなみに賢治先生の生まれは岩手県の稗貫郡花巻町である。)




【Aわかり】

わかるまで努力しなさい。
わからなければ質問しなさい。
わからないままにしてはいけませんという意味である。




【Bそして忘れず】

わかったら覚えなさい。
覚える努力をしなさい。
復習しなさいという意味である。





つまり
勉強するというのは,
「よく見聞きしわかり,そして忘れず」ということなのだ。

そして,それが前向き勉強の極意である。
当たり前のことなのだが
勉強を始める前に「わかっていなければならないこと」なのである。
わかっていましたぁかぁ〜?
である。

(あれぇ・・前話と結論がちゃうんやないけぇ〜・・・)