第6話 意味を見いだせない勉強はあまりにも寂しすぎる!



第3話の「勉強なんかイヤだぁ」の最後の「問」を覚えているだろうか。
「あなたはなぜ勉強するのだ」である。
(覚えている人は5%程度だろう。覚えていたアナタはかなり優秀である。)

 答は見つけ出せただろうか。
自分なりの答を見つけ出せた人は2%くらいだろう。
その人は,これから先の文章を読む必要はない。
アナタの人生の貴重な時間の無駄づかいである。
 さっさとこのHPのアドレスを「勉強が心配な親友」に紹介するとよい。
そして,自分の勉強を頑張ってほしい。
サラバである。



 答を見つけ出せない人は,先に進もう。

 ただ…考えるための「知識」「経験」「方法」を十分に持っていないアナタに
この質問はとても難しいだろうと予想する。

 そこで,寛大なる「まくべん」から,
考えるためのヒントを二つ紹介しよう。

 これらは決して「答」や「結論」ではない。
ヒントを参考に,
「答」はあなた自信が自分の力で見い出してもらいたい。
 それが,
勉強の達人が考え続ける,永遠のテーマなのだ。

 
最初に紹介するのは日本映画の超大物キャラ「車寅次郎」である。
 知らない人は家の人に尋ねるべきある。
「トラさん」と聞けばわかるハズである。
知っておいて損はない人物である。

 

【考えるヒントその@】
山田洋次郎
監督映画
「男はつらいよ(寅次郎サラダ記念日)」から,
主人公「フーテンの寅さん」と甥(おい)の「満男」君の会話である。
満男君は大学受験の勉強に疲れ,寅さんに相談する。
寅さんは周囲の人から,いつも「バカ」と呼ばれてる変な人だが,
愛すべきオジサンである。

満男▼おじさん,質問してもいいか。
寅 ▼あんまり難しいことは聞くなよ。
満男▼大学へ行くのは何のためかな。
寅 ▼決まっているでしょう。それは,勉強するためです。
満男▼じゃあ,何のために勉強するのかなあ。
寅 ▼そういう難しいことは聞くなっていったろう。
つまり,あれだよ,
ほら,人間長い間生きてりゃあいろんなことにぶつかるだろう。
   な,そんな時に,俺みたいに勉強していない奴は,
この振ったサイコロで出た目で決めるとか,
その時の気分で決めるよりしょうがない。
ところが,勉強した奴は自分の頭できちんと筋道を立てて
『はて,こういう時はどうしたらいいかな』と考えることができるんだ。」

  
 というわけである。



こんなのもある。
ノーベル文学賞を受賞した
大江健三郎という人の著書
「自分の木の下で」から紹介しよう。

 こちらの文章はさすがに手強いので,
いい加減な気持ちで読んでも理解できないだろう。
 読書百遍,意自ずから通ずというではないか。

えっ!知らない??そんな人は辞書を引いてみるべきである。

 ちなみに文中に出てくる「光」とは
大江先生の子どもさんの名前である。

そして,この文章は,
「どうして私たちは学校へ行かなければならいのですか」
という若者の疑問に大江先生が答えたものであるのだ。



【考えるヒントそのA】

 いま,光にとって,音楽が,
自分の心のなかにある深く豊かなものを確かめ,
他の人につたえ,
そして,自分が社会につながっていくための,
いちばん役に立つ言葉です。

 それは家庭の生活で芽生えたものでしたが,
学校に行って確実なものとなりました。

 国語だけじゃなく,理科も算数も,体育も音楽も,
自分をしっかり理解し,他の人たちとつながってゆくための言葉です。
外国語も同じです。
 
そういうことを習うために,
いつの世の中でも,子どもは学校へ行くのだ,と私は思います。




ふむふむ・・・なかなか深みのある文章である。
 しかし,「まくべん」自身も,
この文章の意味を理解しているかどうかと不安になる。
(多分していない・・・か?)

 さて,どうだろうか?
「あなたはなぜ勉強するのだ」
つまり「勉強する理由」が見つけられそうか。

すぐには無理だろう。
どれだけ時間がかかってもイイ。
じっくり考え続けることが大切なのだ。

 「まくべん」を読まない者は,多分,こう答える。
「受験があるから」
 それも一つの正解だろう。
 しかし,それだけでは,あまりにも
寂しいではないか。

「まくべん」はそう考える。