第21スキル
「『失敗』したとき気をつけるコト」
 〜 「失敗は成功のもと」はホントか? 〜



「失敗は成功のもと」又は
「失敗は成功の母」という言葉がある。



テストで思うような成果が得られなかったとき
通知表でスゴ〜イ評価をもらったとき
体育祭の学級対抗リレーでバトンを落としてしまったとき
部活動の試合で負けてしまったとき
弁当を玄関に忘れたとき
トイレで先生の悪口を言って騒いでいたら
当の先生が「大きい方」から出てきたとき
犬・猫のウンチを踏んでしまったとき

その他諸々の失敗をしてしまったときに
何度も何度の繰り返される言葉である。

まくべん自身も今までに何千回も何万回も
口にしてきた言葉である。

もしも
「私の好きな人生格言ベスト10」なるものを開催すれば
多分,上位にランキングされる言葉ではないか…と思うのである。
「失敗」は,長い人生の中で数多く登場する。
「成功」より,はるかに多く登場するのである。



では,「失敗」すると…次は「成功」するのか…というと
そうは簡単に問屋が卸さないのである。
(問屋さんはかなりの権力を握っているらしい)

現実には
「失敗」に「失敗」を重ねることも多く
その多さは,まるで星の数ほどである。
(まくべんもイヤと言うほど体験し,実感している)

「失敗は成功のもと」はホントのコトなのだろうか…
ひょっとして
嘘八百なのではないだろうか…
国家の陰謀なのではないか…


いやいや,そこまで疑わなくても…
きっと,失敗した可哀想な人への慰めの言葉なのではないか…
とさえ考えてしまうのである。



しかしである。
長い歴史の中で
「格言」として生き残ってきたからには
何らかの「御利益(ごりやく)」があるハズである。
でなければ
「失敗は成功のもと」ではなく
「失敗は失敗である。あきらめなさい」となっているハズなのである。

デハ,ナゼ?「失敗は成功のもと」は
しぶとくも生きながらえているのだろうか?

こんなときは辞書を引いてみるのが一番である。
(最近,無精してネット辞書ばかり引いている)
(これではイカンと思いながら本棚を振り返ると)
(広辞苑様がホコリをかぶって,コチラをにらんでいる)
(ゴメンナサイ…である)


【失敗は成功のもと】
失敗すれば,その原因を反省し,
方法や欠点を改めるので,
かえってその後の成功につながることになる。
失敗は成功の母。


なるほど…
「失敗」はそんな仕組みで「成功」につながっているのである。



ここで,ちょっと注意したい。

「失敗」は「成功」なのではない。
「成功のもと」なのである。
「成功のもと」は,決して「成功」ではなく
ただの
「もと」なのである。

インスタント味噌汁は,お湯を注がなければ
いつまでも「味噌汁のもと」なのであり
決して「味噌汁」ではないのだ。


どうやら
「その要因を反省し」
「方法や欠点を改める」

という2点がミソらしい…。



しかし,なんである…
「その要因を反省し」
「方法や欠点を改める」

と簡単に言うが
「その要因を反省し,方法や欠点を改める」のは
口で言うほど簡単なことではない。


例えば,テストで散々な点数をとったとき
「その要因を反省」をした結果
「勉強が足りなかった…」な〜んて反省では
ど〜しようもないのである。

そして,「方法や欠点を改める」ところでは
「よし,もっと勉強するぞ」程度で終わってしまうと
次回のテストで再び
「散々な点数」をとる運命が決定するのである。

これはアナタが今までに何度も経験しているハズだ。
これでは「失敗は次の失敗の前触れ」である。


そこで,「要因の反省と方法や欠点の改善」は
もう少し
具体的に行いたい。



先ずは,失敗の様子を
「局部的」に見てみる。
「ミクロの視点」というやつだ。

できなかった問題,一題一題を丁寧に見直し
「なぜ解けなかったのか」と原因を追求する。

○ この問題は,授業のどのあたりで習ったコトなのか。
○ この問題は,教科書ではドコに出てくるのか。
○ この問題は,ノートはどんなふうにまとめたのか。
○ この問題は,関係する資料やプリントがあるのか。



次に失敗の
「全体像」を見直してみる。
こちらは「マクロの視点」とも言われている。

教科全体,テスト全体,勉強全体を反省してみる。

○ 試験前の準備に問題はなかったのか。
○ 授業の受け方に問題はなかったのか。
○ 家での普段の勉強に問題はなかったのか。

ここまでできれば「その要因を反省」は,ほぼ完了する。



次は,それまでに出てきた「要因」に対して
「どうしたら解決するのか」を考える。
それが「方法や欠点を改める」ことにつながっていく。

ここで一つ注意したい。

「方法や欠点を改める」ための
方法や計画を
「考える」だけではダメだ。

方法や計画を考えた上で
それを
「実行」しなければ意味がないのである。

だから
実行可能な方法や計画を作る必要がある。

失敗による「悔しさ」と
自分の「目標」や「やる気」,「根性」,「集中力」と
よく相談して計画づくりを進めていただきたい。

そのことにより
アナタにとっての「失敗」は「成功のもと」になり
いつかきっと本物の「成功」を実現するエネルギーとなるのだ。



普通,そこまでやれる中学生はナカナカいない。
いないからこそ,アナタがやるのだ。
そうすることで,勉強に関してアナタは
「ナカナカいない中学生」になることができる。

アナタの学校の現在の成績上位者達は
その「ナカナカいない中学生」達なのである。



今回は分かりやすく話を進めるために
「テストの失敗」を例に挙げたが
勉強だけでなく,学校行事や部活動や
普段の生活での数多くの「失敗」と「成功のもと」は
こんな方法で「成功」に転身させることができる。



ただ…
一度や二度の「失敗」と「反省」で
次は見事に「成功」な〜んて都合良くはいかないモノである。
何度「失敗」しても
何度も「反省」して
何度も「改善」して

チャレンジするネバリが大切である。
それを人々は
「努力」と呼ぶのだ。

しかし,
「その要因を反省し」「方法や欠点を改める」
の2点を無視するならば
「失敗」はいつまでも「成功のもと」のままなのであり
「成功」には変化しないのであり
「成功は失敗ものもと」という言葉は
失敗者への慰めに終わってしまうのである。


「インスタント味噌汁」もお湯がなければ
ご飯にのせて食べるしかないのだ。
結構…辛いぞ……。
ご飯,三杯はイケる…(脂汗)。
(やったのかっ!)
(う・うん…)






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