第8スキル「現代中学基礎日常会話講座 6時間目」
 〜 自分の「要求」を通す 1 〜



さて・・・ココまで
「いかにして相手からのメッセージを受け取るか」
というテーマで会話術を勉強してきたのである。

今回からはいよいよ
「いかにして自分の意見を相手に伝えるか」
がテーマになる。

自分の意見の主張の仕方
考えや要求の伝え方などなどである。



先ずは
「心得その1」である。

自分の「意見」や「要求」を述べるときには
できるだけ「理由」や「根拠」を添えよ。

である。



お父上やお母上との会話

「ねえ,お小遣い,上げてぇ」
「ダメダメダメ」
「え〜・・・ど〜して??」
「ど〜しても!!」
「チョ〜ムカツクッ!!」

はい,会話終了である。
残念な結果に終わったのである。



「意見」や「要求」をストレートに相手にぶつけると
相手の返事もストレートに返ってくる。

これでは「話し合い」にはならないのである。

そこで,
「理由」「根拠」を添えてみる。



「ねえ,今月ちょっと厳しいんだ。
友達の誕生日のプレゼントも買わなきゃならないし
月末には○○のCDも発売になる予定だし・・・
ノートなんかに文具類も,ちょっとピンチなの・・
ちょっと,お小遣い上げてもらえないかな」


「ダメダメダメ!」

「え〜・・・ど〜して??」

「だって,今月はガス代も電気代もいつもよりオーバーなのよ。
その上,あなたの携帯の料金だって多かったじゃない。」

「え〜・・・それはわかるけどぉ・・・。
 ねえ,なんとかならない?
 せめて,ノート代だけでも・・・」


「仕方ないわね・・・で,いくら必要なの?ノート代」

という次第である。



しかし,間違ってはイケナイ。
「理由」「根拠」を添えれば
必ず自分の要求が通るというワケではない。

だが,「理由」や「根拠」を添えることで
相手も「理由」や「根拠」を説明しなければならなくなるのだ。

相手の意見の「理由」や「根拠」が見えれば
その後の「話し合い」で

なんとかクリアできる可能性

が出てくる。



また
相手の「理由」や「根拠」が
「なるほどな・・・」と納得できるモノであれば
「よし,今回はあきらめるか」と
自分で納得した上で
潔(いさぎよ)く引き下がることができるものである。

それは,相手の対しての
「思いやり」でもある。

アナタの引き下がり方次第では
相手はアナタに感謝することになる。

そんな印象は,次回の別な「話し合い」で
大きなプラスポイントとしてはたらくのである。



「話し合い」に慣れてくると
あまり重要でない小さな「要求」では
相手を尊重し何度でも引き下がり
プラスポイントを貯め
ココ一番の大きな「要求
一気に攻める・・・といった
ハイレベルな「要求」の通し方も
できるようになるのである。

しかし,そこまで行くには
かなりの挫折と敗北感を味合わないとダメである。

多くの失敗を経験して
はじめて身に付く「話し合い術」なのである。

いろいろな人と積極的に「話し合い」をして
是非とも身に付けておきたいテクニックである。






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