第5スキル「現代中学基礎日常会話講座 3時間目」
〜 会話盛り上げ術「オウム返し」 〜



「頷き」
「相づち」
実行してみただろうか。

実行してみた中学生は
「会話の継続と盛り上がり」を
実感してもらえたと思う。

逆に
「それでもうまくいかないなあ」
という実感もあると思う。

それは多分
「経験の少なさ」から起こっている現象なのである。
ドンドン
「実行」を繰り返して
ガンガン
「経験」を積んでもらいたい。

どんな技術も
最初から簡単に使いこなせるモノではない。
何度も何度も失敗を繰り返すことで
自分のモノになっていくモノなのである。
「方向」は決して間違っていない。
あとは実践を積み上げるだけである。



…というワケで
現代中学基礎日常会話講座は
3時間目を迎えるのである。

今回のテーマは
「上手な話の盛り上げ方」である。

話を盛り上げるためには
「何か面白いコトを言わなければならないのでは…」
ウケるようなコトを言わなければならないのでは…」
珍しいネタを披露しなければならないのでは…」
と,考えている中学生もいるだろう。

お笑いのセンスに長けている中学生なら
それも「あり」かもしれないが
中学生全員が
お笑い芸人であるわけがない。


そこで
「誰にでもできる盛り上げ術」として
「オウム返し」を紹介したい。
(決して「ツバメ返し」ではない)
(「ツバメ返し」は佐々木小次郎の秘剣である。)




「オウム返し」
とは
相手の話したコトを
そっくりそのまま「自分の言葉」として
相手に返す「話術」である。




例えば…

例1

A子:「あ,いけない! 宿題忘れちゃった!」
B子:「え? 
宿題忘れちゃったんだぁ」
という具合である。



例2
C郎:「あ〜! あの先生,ムカつくな〜」
D郎:「へぇ〜,おまえ,
あの先生にムカついてんだぁ」
こんな感じである。



例3
E子:「F子! 今日ね,イイことあったんだ!」
F子:「そうなんだ,
今日,イイことあったんだぁ!」

相手のしゃべった言葉のシッポをつかまえて
それをそのまま相手に返すのである。

G男:「オレさ…○○なんだよな」
H男:「そうなんだ,
○○なんだ



「え〜〜〜,そんなんで盛り上がるのぉ??」

そう,そんなんで盛り上がるのである。


「オウム返し」された相手は
知らず知らずのうちに
「自分の話の続きを話さなければならなくなる」からである。
○○の詳しい説明とか
○○の原因とか
とにかく○○について話したくなってしまうのである。
相手の話をコントロールしてしまう話術である。



これまた
「例」を紹介しよう。

A子:「あ,いけない! 宿題忘れちゃった!」
B子:「え? 
宿題忘れちゃったんだぁ」(オウム返し)
A子:「そうなのよ。夜テレビを見るまでは覚えてたのに」
B子:「
テレビを見るまでは覚えてたんだ」(オウム返し2)
A子:「そうそう,そしたら,そのまま寝ちゃって」
B子:「
そのまま寝ちゃったんだ」(オウム返し3)
A子:「起きたら,朝だったのよ!」
B子:「
朝まで寝ちゃったんだ」(オウム返し4)
A子:「わ〜〜〜どうしよう!!」
B子:「私のノート見せたげようか?」
A子:「わ〜〜助かるなあ。いいの?ホント?」

という案配である。
結構,盛り上がったのである。



「オウム返し」を使用しないとどうなるのか?

A子:「あ,いけない! 宿題忘れちゃった!」
B子:「私のノート見せたげようか?」
(直球!)
A子:「わ〜〜助かるなあ。いいの?ホント?」


ホラね…あまり盛り上がらない…。
その上,昨夜のA子のズッコケぶりもわからないし
会話の中に「楽しみ」や「豊かさ」もない。
なんとなく味気ない感じである。



どうだ!
秘技
「オウム返し」の術!!

是非ともマスターしたい基礎会話術である。

ただし,これも
訓練と実践が必要だよ。

延々と「オウム返し」ばかりで責めていると
「あんた,私のことバカにしてない?」
な〜んて,返されたりするコトもある。
十分に気を付けたい。

自分の技としてマスターできた人は
「中会話2段」を授けたいものである。






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