第4スキル「現代中学基礎日常会話講座 2時間目」
〜 頷きと相づちで傾聴を確保せよ 〜



「会話」
と聞くと

「何をしゃべってイイのかわからない」
とか
「適当な話題が見つからない」
とか
「緊張して声が出てこない」
とか
「私,人見知りする方なので…」
とか…
様々な
「会話への不安」を口にする中学生がいる。


しかし,それらをよく観察するならば
「自分がしゃべろうとしている場面」での「不安」である。

だったら
なぁ〜んにも心配はいらないのである。

「中会話(現代中学基礎日常会話講座)」で重要なのは
「自分がしゃべる場面」ではな〜い!

むしろ
「相手の話を聞く場面」なのであ〜る!

相手の話がキチンと聞けたら
「中会話」は7割方,勝ったも同然なのである。

先ずは
「聞く技術」を身に付けてもらいたい。



「傾聴」
という言葉を知っているだろうか?

「けいちょう」と読む。
「話を熱心に聞くこと。耳をかたむけること」
という意味である。

似たような言葉に
静聴(せいちょう)」とか
清聴(せいちょう)」とか
謹聴(きんちょう)」という言葉がある。
(詳しい意味は自分で辞書で調べるのだ。)



もともと
人間は表現したがる動物なのであり
しゃべりたがる動物である。

特に
「誰も知らない話」
「ここだけの話」の話をゲットすると
どうしようもなく
誰かに話したくなってしまう動物である。

話すことができないとなると
のたうち回って苦しむほどである。
「王様の耳はロバの耳」
なのである。

だから
「ここだけの話」
「ここだけの話でなくなる」のに
それほど多くの時間はかからないし
「私たちだけの秘密ね」
「私たちだけの秘密でなくなる」のは
別に友達が悪人であるワケではないのである。
実に自然なことなのだ。



それは,さておき!!

強烈な「話したいエネルギー」を持った人がいたとしよう。
この人は「どんな人」を求めているだろうか?
もちろん
「話を聞いてくれる人」である。

「話を聞いてくれる人」は
「話したい人」にとって
マリア様のような存在である。

「話したい人」は
「話を聞いてくれる人」がいる限り
延々と話を続けるのである。

そして気持ちよくなるのだ。
「聞き手によって癒されている」と考えてもよい。

アナタが相手の話を
「傾聴」している間は
相手は「快楽」の湖に身を浸しているのだ。

だから
「こっちもしゃべらなきゃ」
な〜んて考える必要はないのである。



「でもさぁ〜…」とか
「てゆ〜か…」とかの
「返し技」を繰り出そうモノなら
相手は
「え!??」
話の腰を折られた気分になってしまうのである。

ただひたすら
相手の話に耳をかたむけていれば良いのである。




しかし,いくらなんでも
無表情にボ〜ッとした態度で聞くのはよろしくない。

相手は
『コイツ,人の話ちゃんと聞いてんのかよ?』
と感じてしまうからだ。

聞いていない人間に話をするほど虚しいモノはない。

相手のテンションはシュ〜ンと下がり
「まあ,そういうことだがら…」
アナタの前を離れることになる。
「会話の終了」である。



それを避けるためには
アナタも
少しだけ話をする必要がある。。

具体的なセリフとしては
「へ〜〜」
とか
「なるほど〜」
とか
「うんうん」
とか
「ほうほう」
とか
「それでそれで」
とか
「そ〜なんだぁ〜!」
などである。

一般に
「相づち」と言われる言葉である。

そして…
「頷く」のである。
(ここが一番肝心だよ!)
相手に「ちゃんと聞いてますよ」という
メッセージを送り続けなければならないのだ。


「会話がとぎれてしまう」
「コミュニケーションが苦手」
「人とうまく会話ができない」

そういった問題の発生は
ココがネック(弱点)になっているのだ。



もう一度確認しておこう。

より良い会話を進めるためには
相手の話をきちんと聞きながら
相手に
「ちゃんと聞いてますよ」という
「頷き」「相づち」というメッセージを
送り続けなければならないのである。


会話は順調に進み
相手の話題が尽(つ)きる頃には
「あ〜! 気持ちよかったなあ!」
「コイツと話すと面白いなあ!」
「結構,話せるヤツやんかぁ!」

と感じるモノなのである。



しかし,
難しいぞ!
相手の話を根気よく最後まで聞く
のは!

アナタだって人間なのである。
しゃべりたくてしゃべりたくて仕方がないのである。

そこを,
グッと我慢して
相手の話を聞くことに集中しなければならない。
ある意味
ものすごい根性が必要なのである。

だが…昔から言われているのだ。
「話し上手は,聞き上手」ってね。

現代中学基礎日常会話講座2時間目の終了である。






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