第1スキル
「この世で一番,言いにくいコトバ」のつづき


それは・・・

「ごめんなさい」

である。




「ほ〜…なるほど…」
とお感じになった方は
先をお読みになっていただきたい。


「え?」
と思った方は
どうやらココまでが限界のようである。
無駄な時間を取らせてしまったのだ。

「ごめんなさい」



では,お話を続けよう。

「なぜに,ごめんなさいは言いにくいのか?」
である。

実際に「ごめんなさい」を言う立場に立たされた中学生なら
充分にオワカリのことと思う。



例えば…

仲の良い友達と
些細(ささい)なことでケンカになった。

「アンタが悪い」
「オマエが悪い」


ケンカは
泥沼化してしまった…。

しかし

家に帰り,風呂に入って
よくよく考えてみると
どうやら「私」の方が
悪かったような,そうでないような。


気になって真剣に考えてみると

やっぱり私の方が悪かった…
というような状況が浮き彫りになってきた。
実にマズイ状況である。

さぁ〜,どうする!!

想像してみるのだ。

昼間,あれだけひどくやり合い
罵詈雑言
(ばりぞうごん)を撒(ま)き散らした後である。

今さら自分の方から
「ごめんなさい」を言うには
かなりの勇気が必要だろう。

「言うべきだ」というのは
充分にわかっていても

「言おう」と決心するのは
コリャ大変なコトなのである。

その上で
実際に相手の前で
「ごめんなさい」と言ってみる…
すると…あるコトに気付く。

「ごめんなさい」と口に出している間
頭がクラクラする感じがする。

まるで
膨大な精神エネルギーが消耗されているようだ。



それを私たちは
「心を込める」
とか
「心から謝る」
と言ったりする。

心を込めた「ごめんなさい」という
アナタの口から
なんとか飛び出して
相手の耳にたどり着く。

そして
相手の耳から入り込み
相手の
心を大きく揺さぶるのだ。

その時
「許し」が発生する。

相手が自分を許してくれる瞬間である。
正に感動的な瞬間なのである。

「許し」を乞(こ)うための
「ごめんなさい」

これは,確かに
「この世で一番,言いにくいコトバ」
なのかもしれないのである。

早口言葉なら
練習のしようもあるが
「ごめんなさい」は
練習さえもできないのである。






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