第32験 小科学実験「赤外線を見てみよう」
〜 テレビやエアコンのリモコンを使ったお遊 〜



テレビやエアコンのリモコンには
赤外線の点滅を利用して
本体の機器に信号を送るものが多い。

リモコン先っちょを,よく観察してみると…
小さな豆電球のようなものが取り付けてある。

リモコンの先っちょが黒くなっているリモコンは
その中に赤外線を発する豆電球がかくれている…と考えていただきたい。



さて,今回の実験の主役は「赤外線」である。
赤外線は,ヒトの目には見えないである。

wikiペディアによると…
赤外線は,可視光線の赤色より波長が長く,
電波より波長が短い電磁波のことである。
ヒトの目では見ることができない「光」である

…とある。



なるほど…
アナタがテレビをみようとして
リモコンの電源ボタンをポチッと押す。
すると,リモコンの先っちょの豆電球のようなものがチカチカと光り
テレビ本体が,その光を感じてスイッチが入る…という仕掛けらしい。

しかし,本当に光っているのか?
リモコンのボタンを押しながら
よくよく豆電球を観察しても
まったく光っているようには見えない。

赤外線はヒトの目には見えないのだから
見えなくて当たり前なのだが
見えないのに「光っている」と言われても
「あ〜そうですか」と簡単には納得できないのである。

光っているけど見えない…
見えないけど確かに光っている…
信じるか,信じないか…まるで神様や仏様の世界である。

ひょっとして,リモコンの中の妖精さんが
テレパシー(精神感応)を送っているのではないか…?
それとも,リモコンの中のコビトさんは
テレキネシス(念動力)の使い手なのではないか!

といった疑問や疑い,妄想がどんどん広がっていくのである。

そんな気持ちになるのは…私だけだろうか…(汗)
全国の中学生諸君は,この奇っ怪な現象を
何の抵抗もなく受け入れているのだろうか…?
それはそれで,なんとなく恐ろしい気もするが…。



それは,さておき!

「赤外線を見てみよう」という
今回の実験に必要な道具を紹介するのである。

まずは,赤外線を発するリモコンである。
先から書いているように
テレビやエアコンのリモコンでも結構
赤外線ラジコンのコントローラーでも結構である。
とにかく,1台準備していただきたい。

さらに必要な道具として
写真が撮れるスマホ,ガラケー,デジカメを用意していただきたい。
これが赤外線を見るためのツールとなる。



では,さっそく小実験を始めよう。

スマホなどを写真撮影モードにして
リモコンの先っちょ部分を画面に映し出してほしい。

そうしたら,リモコンのどのボタンでもいいので
ポチッと押してみるのだ。

すると…スマホの画面に映ったリモコンの先っちょが
ピカピカっと光るのが観察できるハズである。

ヒトの目には見えない赤外線が
スマホやデジカメのレンズやセンサーを通すと
見えるようになるのである。




実は,この方法…
知り合いの家電販売店の店員さんに教えてもらったのである。

まくべん家のリモコンが壊れて
ボタンを押してもテレビが反応しなくなった。

電池を入れ替えても,ウンともスンとも反応しない。
そこで,リモコンを家電販売店に持って行った。

店員さんは,さっきの方法で検査してくれたのである。

スマホでリモコンの先っちょをのぞいても
ピカリともしていない。

「あ〜,リモコン本体が壊れていますね…。」
そういう店員さんに勧められて
どのテレビにも使える「汎用型リモコン」を購入することになった。

うちに帰ってさっそく試してみると
ちゃんと電源が入るじゃないですか!!
2000円程度の出費で事なきを得たのである。
めでたし,めでたしである。



ちなみに,自動車のリモコンは
赤外線ではなく「電波」が使われているものが多い。
屋外で使われることが多いため
赤外線を使用すると,太陽光の影響を受けやすく
誤作動を起こしたり,反応しなかったりする可能性があるらしい。
そこで,赤外線ではなく,電波を使っているのだ。

一方,室内で使われるテレビやエアコン,ゲーム機器のリモコンは,
太陽光の影響を受けにくいため
赤外線が用いられているらしい。

まさに「適材適所」の通信手段が用いられているのである。



えっ? ナニナニ?
どうして赤外線は,スマホやデジカメで見えるようになるのかって?

イイところに気がついたね?

それはね…
スマホの中には赤外線を可視化できる
妖精さんが住んでいるからだよ〜…(嘘)