第31夢 今のアナタは,今のアナタではない…としたら
〜 ちょっと想像していただきたい 〜



中学生諸君!
ちょっと
想像していただきたい!



実は…今のアナタは,今のアナタではない。

は,未来からタイムスリップしてきたアナタだとしたら…。



どれくらい先の未来からか…というと

アナタの
高校受験合格発表である。

20XX年X月X日午前10時頃である。
(だいたい合格発表開始の時間である)



アナタは,ただ
ーッとしながら
受験した
高等学校通り一人で歩いている。

その
10分前に何があったのか…?。

それは,受験した高校の
合格発表であった。

絶対に
あるハズの,自分の受験番号がな・か・っ・た・っ!

ただ,それだけのコトである。



頭の中が,真っ白になる…。

自分の受験番号を見つけてはしゃぐ人々の声が…
聞こえなくなる。

次第に血の気が引いて
身体中が冷たくなっていくのがわかる…。

と気がつくと,親友の○○が肩をたたいてくる。

「ねえねえ,どうだった?番号あった?」
「オレ(わたし)は,バッチリ合格!」
「おまえ(あなた)も,でしょ!」


親友の言葉は聞こえているのに…
何を言っているのかイミがわからない。

アナタは無言のまま掲示板の前を離れて歩き出した。



不合格……不合格……不合格………」
落ちた………落ちた………落ちた………」
頭の中で,不吉な言葉が,乱反射を繰り返している。

徐々に身体から力が抜けていく…。
アナタは道ばたに座り込み…ポツリとつぶやく。

「オ・・・チ・・・タ・・・」

今度は目の前が,ゆっくりと暗くなった…。



どれくらいの時間がたったのだろう…。
気がつくと,目の前に一人の
みすぼらしい老人が立っている。

「かわいそうにのう〜,やはり落ちたか…」
「ま,あんなイイ加減な勉強じゃ…無理もないがのぉ…」


だれだ,このジイさん…

「しかし…あわれじゃのう…」
「おぬし,もう一回,人生をやり直してみる気はないかのぉ〜?」
「ワシの力で,過去に送り返してやろうかのぉ〜?」


ナニ言ってんだ…このジイさん…?

「そうか…やり直して…みるとな!」
「わかった。それじゃぁ,過去に送り返すぞ…」
「おまえさん…どれくらいの過去に帰りたいんじゃ?」
「そうか,それくらい過去からやり直そうと言うんじゃな?」
「まあ,小学校からのやり直しは,膨大な時間がかかるからのぉ…」
「それくらいが…ちょうどヨカロウ…」
「では,いくぞぉ〜〜〜〜」
「まっくまくまくまっくべんべ〜〜〜〜ん!」


タぁ〜イム・わぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜プ!!!!














… … … と,いうわけで…
ココに,アナタがいるワケである。



20XX年X月X日から
20YY年Y月Y日に…

つまり,
今日タイムワープしてきたのである。

さあ,
われた合格発表までの残り時間は
Z年Z月Z日Z時間Z分ZZ秒である。

さあ,未来を変えるために
残り時間を,どのように使うか…である。

なになに…入試問題を思い出して
正解を丸暗記するってか?

だったら,だったで,思い出してみればいいのである。

ホラ…何も覚えていないであろう。
アナタの未来の記憶は,謎のジイサンによって
完全に消されてしまっているのだ。

さあ,
2度目人生…,やり直しのスタートである。

それでもアナタは…

スマホをツッツキ続けるのか…である。



ちょっと,想像していただきたい。

Z年Z月Z日Z時間Z分ZZ秒未来アナタ姿を!



このお話は過日,スッコプ団の団長さん平了(たいら・りょう)さんのお話を基に
「まくべん」が再構成・脚色したものです。