第30問 「月は東に日は西に<正解編>」
〜 名句を科学的視点から読み解く 〜



正解は…リ!!



「満月」である。

だから…
B番が正しい。

では,なぜ「満月」なのだろうか…?

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ザックリと説明するならば

太陽が西に沈む頃,東から昇ってくる月は
すべて「満月」なのである。

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もうちょっと
詳しく説明するならば


今,アナタは東を向いて立っている…としよう。

目の前には月が見える。

月の満ち欠けは
太陽,そしてアナタが立っている場所
位置関係によって変化する。

東を向いて立っているアナタ
その正面にある月の右半分が輝いているならば


太陽は,月の右側から,月を照らしている。
つまり南から照らしているコトになる。
実際に太陽が南に沈むことはないが
東から昇ってくる月が「半月(上弦の月)」だとしたら
太陽は南に沈まなければならなくなってしまうのである。

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もしも,月の右側が輝く三日月であれば


太陽は,月の右斜め向こう側
およそ,南東の方向にあることになる。
南東に沈む夕日も,まず…ありえない。

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さらに,もしももしももしも
夕暮れ時に東から昇ってくる月が,真っ黒(新月)だったら
なんと,天才バカボンの主題歌によって暗示された世界は
…実在することになる…!
なんと,シュールなコトだろう!

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だが,安心していただきたい。

句の中では太陽は西にある。
つまり,あなたの真後ろである。

アナタのはるか後方から放たれた太陽の光は
ほぼ月に真正面に当たることになる。

だから・・・「満月」!

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ココまで来ると,もうお分かりであろう。

句の中の
「菜の花」は,「ひっかけ」なのである。

菜の花の季節だろうが,ヒマワリの季節だろうが
木枯らしの季節だろうが,雪だるまの季節だろうが
太陽が沈む時間帯に,東から昇ってくる月は
すべて,満月なのである。

ちなみに,真西に太陽が沈むのは
春分と秋分の日のころなのだが
蕪村の句が詠まれたのが
春分の頃だったかどうかはナゾである。
しかし,「月は東に日は西に」と詠まれている以上
理科的に答を導き出すなら
どうしても「満月」になってしまうのである。

俳句の風情(ふぜい)を無視した
味も素っ気もない説明で申し訳ないが
絶対に絶対に「満月」しかあり得ないのである。

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ついでにもうひとつ,ちなみに…であるが
「菜の花」とは,アブラナ(油菜)のことで
アブラナ科アブラナ属の二年生植物である…らしい
古くから野菜として
また油を採るため栽培されてきた作物で
別名としてナノハナ,ナタネなどがある…らしい
植物油の原料として栽培されているのは
ほとんどが別種のセイヨウアブラナであり
在来種のアブラナは野菜として生産され
開花前に収穫されてしまう事が多い…らしい。
日本では2月〜5月に開花する…らしい。
(参考文献:Wikipediaなど)

なになに〜?
「菜の花」のことについて
みょ〜に詳しいねぇ〜てか?

ふぉっふぉっふぉっふぉ〜…
句のナゾを解くために
「菜の花」がキーワードだと信じて
ネットで調べ回った…な〜んて
口が裂けても言えないのであるぅ…。



  

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