第29笑 「ナイモノハナイ」
〜 超弩級大型量販店突撃インタビュー 〜



ある地方都市に実在する超大型量販店をモデルにした
架空超弩級大型量販店でのお話である。

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その店では,推定10億点以上の商品が扱われているらしい…。

米や味噌から人工衛星まで…という
生半可(なまはんか)なものではない。
バイオリンや仏壇などは,当然のコト!

腹部にポケットを持つ「直立二足歩行猫型ロボット」や
心霊エネルギー体が見える「腕時計型ビジュアルスキャナ」
1本のボンベで200年は使える「ポータブル原子力式カセットコンロ」などなど
見るからに怪しい品物まである。

とにかく,ものすごい品揃えを誇っているのだ。

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我らが
「まくべんテレビ(MTV)」
この
超弩級大型量販店の店長に
果敢(かかん)にも,突撃インタビューを試みるのであった・・・。

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MTV:「いや〜,ものすごい広さですねぇ…!」
「こうして売り場に立ってみると,遠くの方がかすんで,よく見えません!」


店長:
「そうでしょう!当店の売り場面積は,世界一,いや宇宙一ですからねぇ〜!」
「売り場だけでも,東京ドーム100個分が泣いて悔しがるくらいでぇ〜す!」


MTV:
「それはまた,すごいですね…なんとな〜く意味がわかりませんが…」

店長:
「とにかく,とても広いので,買い物をするときには気をつけてくださぁ〜い!」
「時々,お店の中で遭難するお客様もいらっしゃいますからぁ〜はっはっはっは!」

MTV:「そ,それは危険ですね!マズイんじゃないですか?」

店長:
「大丈夫でぇ〜す!」
「お客様が押している買い物カートは,全てGPS制御でぇ〜す!」
「万一遭難したら,自動的に遭難信号が発信されまぁ〜す。」
「すると,当店自慢のお客様レスキュー隊が,お客様のもとへ急行しまぁ〜す。」
「彼らは,リニアジェットバギーに乗ってますのでぇ…」
「遭難したお客様救出までの平均タイムは1分58秒でぇ〜す!」
「日々の過酷な訓練で,先月2分を切ることにみごと成功しましたぁ〜!」

MTV:「それはまた,完璧な備えですね…安心というか,余計に不安というか…」

店長:
「いえいえ,それもこれも,全てはお客様のためでぇ〜す!」

MTV:「そ,それは素晴らしい経営方針ですね…。」
「ところで,品揃えも,
ものすごらしいですね?」

店長:
「そのとぉ〜り!品揃えは完璧ですよぉ〜!」
  「世界一,いや,宇宙一と言ってもいいでぇ〜す!」

MTV:「ちなみに,何万点くらいの商品があるんですか?」

店長:
「何万点?ケタが違いまぁ〜す!」
 「前回の大規模調査では,9億8千万点までは数えまぁ〜したが…」
「数えるのを途中で断念したくらいでぇ〜す!」

MTV:「それもすごいですね。」
「まさに,
『ないものはない』と言っていいんじゃないですか?」

店長:
「そのとぉ〜り!ウチの店に『ないものはない』のでぇ〜す!」

MTV:「それは素晴らしいですね!」
「そこで,ひとつお願いがあるんですが…」
「幕ノ内勉強新聞のサイトのことなんですけど…」
「ど〜も,最近,ネタ切れで困っているようなんですよね…。」
「なんかこう…パパッとネタが出てくるような便利グッズはありませんかね?」


店長:
「そうですかぁ〜…当店には『ないものはない』ですからぁ〜!」

MTV:「え!あるんですか!?」

店長:
「何を言ってるんですかぁ〜?そんなモノはありませぇ〜ん!」

MTV:「だって,この店には『ないものはない』んでしょう?」

店長:
「そうです。いくらウチの店でも『ないものはない』んです。」

MTV:「ないものは…ない?」

店長:
「そぉ〜でぇ〜す!いものは…のでぇ〜す!」

MTV:「で,ですよ…ねぇ………」
「ないものは…ないですよねぇ…。…ん???

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教訓1:アイデアは地道に考え,そして獲得するべきである。(反省!)
教訓2:同じ言葉でも「真逆」に受け取られる場合がある。
(結構,いっぱいあるケドね〜)


(たとえばねぇ〜)
(「ねえねえ,このヌイグルミ,超かわいくねぇ?」)

(「ねえねえ,このヌイグルミ,超かわいくねぇ!」)
な〜んてネ!

特に,メールやSNSなど,「文字だけのやりとり」では
十分に気をつけたいポイントである…。


  

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