第4笑 世にも珍妙な物語
もしも優秀な成績が買えるモノなら
「まくべん」の妄想である。
何の脈絡もないが,ふと思いついた。
「成績売ってたら,みんな買うのかな」
である。
ちょっと面白そうだったので,考えてみた。
もしも,購買部で成績売ってたら,中学生の生徒は買うんだろうか。
終業式の帰りに購買部に寄って,
通知表がいろいろそろっていて,
「特上EX」はオール5で3000円
「特上DX」は半分くらい4がミックスされてて2000円,
「上」は3を中心に4がチラホラで1000円,
「並」はほとんど3で500円という具合。
ちょっと成績不振を感じた生徒は,お小遣い貯めて,
通知表を買って家に帰る。
親に見せる。
「まぁ〜〜よく頑張ったじゃないの〜えらいわねぇ〜」
とほめられる。
もちろんそれはインチキなんかじゃなくって,
文○省公認で,売り上げは国に納められる。
生徒は安心,親も喜び,国も潤う。
めでたしめでたし。いいことだらけだなぁ・・・。
定期テストや高校入試なんかはもっとスゴイ。
先生のところへ持って行けば,1点1円でアップしてくれる。
だから,勉強しなくても500円で5教科満点が買える。
これもインチキじゃなくて,ちゃんとした国の法律で認められている。
もちろん売り上げは先生がいただくんじゃなくて,国に納められて国家予算となる。
みんな財布もって購買部や職員室に並ぶのかなぁ・・・。
ますます面白くなってきたので,もっと考えてみる。
すると,みんなイイ成績でイイ点数になる。
でも高等学校は困ってしまう。
有名学校にみんなが集中して教室や机やイスが足りなくなる。
あっ,そうか!
全国の高校を全部超有名高等学校にすればいいんだ。
私立も公立も,全部,超有名××高等学校になる・・・。
そうすれば問題は解決する。
もちろんイイ成績はお金で買えるから,勉強なんかしない。
大学に行きたい人もフリーパス。
勉強する気で大学に行く学生なんていないから,大学教授も勉強なんて教えない。
もちろん,中学校や高校の先生も勉強なんか教えない。
勉強する気がないんだもん,授業なんてやってられない。
毎日毎日それぞれが好きなことして時間をつぶす。
だれも怒らないし,疑問にも思わない。
考える力も必要ないから。
それでも生きていけるから。
就職なんて心配しない。
だってみんなイイ成績だから,希望の仕事に就職できる。
会社は,はじめっから働く人になんの期待もしていない。
だって全然勉強してないんだもの。
仕事なんかできるわけがない。
でも給料はちゃんともらえる。
会社が倒産しそうになると,国が公的資金をどんどん注入してくれる。
会社は決して倒産しない。
あ・・・,
でも国のお金はどうするんだろう。
テストや通知表でもうけるお金なんてすぐに無くなりそうだ。
そうだ,国債を発行しよう。
国民はちゃんと給料をもらっているから,
高い利子で国債をどんどん発行すれば,
どんどんお金が入る。
それをどんどん倒産しそうな会社に注入すれば,
国民はもっと豊かになれる。
あ・・・
お金をいっぱい印刷する方法もある。
大■省の造★局で10000円札をガンガン印刷する。
もともとお金は紙とインクさえあれば作れるから,
印刷すればするほどもうかる。
後々問題もいろいろおこるかもしれないが,
そんなこと心配したらやってられない。
孫やひ孫がなんとかするだろう。
世の中は常に進歩しているのだ。
どこかの国の天才経済学者が,
きっと大発明でもして解決してくれるかもしれないし・・・。
あれぇ・・・
なんか,大きな間違いをしているような気がする。
こんな国の会社は,ほとんど物を生産する力がないから,
生活に必要ないろんな品物はどうしよう。
そっか,輸入すればいいんだ。
お金はいくらでもある。
どんどん外国から買っちゃえばいいんだ。
食料も輸入すればいいよね。
すると,外国の工業や農業もどんどん発展して,世界中が豊かになる。
お金はいくらでもあるから,安心だよね。
あれぇ・・・
ボクはこの国の国民なのに,どうしてこんなことイロイロ孝えられるんだろう。
まったくベンキョーしてないはずなのに,ぜつたい恋だよね。
べんきよーしないで社貝のことわかるはずがないんだ。
金ぶおかねでかいけつできるから,
なんだかいろいろかんがえるのがばかみたいになつてきたぞ。
どうしてぼくはいろいろかんがえるんだろう。
かんがえることなんてむぢかしひたけでめんとくさひはつなのに。
もふかんかえるのわやめにし
ひような
んたかおなかかすいてきたこんひ
ににいつてなんかかつてこよふ
か んかへるのわ いみないしやん
あれえ・・・
ほくわとしてしかかけるんたろう・・・
恐ろしい妄想である。
書きながら,血の気が引くの感じた。
でも,多分,
お金で成績が買えるのは
そんな社会だ。