第53小ネタ 紙の大きさの表し方2
〜 「A版」と「B版」の不思議なアスペクト比 〜
前話で「A版」「B版」の
紙の大きさの表し方についてお話した。
賢明なる読者は
既に「A4版」と「B5版」の違いが
わかるようになったことと思う。
そこで今回は
更なる「A版」「B版」の
規格の不思議を探っていくのである。
紙の規格表示で
数字が変わるごとに
その大きさ(面積)が変わることはわかった。
しかし
アルファベットや数字が変化しても
絶対に変わらないモノがあるのだ。
それは
「紙の縦横の比」
である。
カッコ良く言うと
「アスペクト比」
である。
例えば「A4」の用紙がある。
297o×210o
縦横の比を計算すると
297÷210=(約)1.41
となる。
「A4」の用紙を2つに切って
「A5」のサイズにする。
210o×148o
再び縦横の比を計算してみると
210÷148=(約)1.41
「A3」と「A4」の用紙の縦横の比は
ほとんど同じになるのである。
【 ご 注 意 】
日本標準規格による各用紙のアスペクト比は
計算上,必ずしも同じの数値にはならない。
小数や平方根による計算の部分を
整数による近似値で示している。
あくまで
「1.41くらいかなぁ〜」
という程度に理解しておいた方がよい。
…と,思う。
「そんなの当たり前じゃん!!」
そう思う人は
今一度深く考えてもらいたい。
例えばココに
1辺が100oの正方形がある。
これを仮に「M4の規格」としてみよう。
(実際にM4なんて規格はない)
アスペクト比は
100o÷100o=1
となる。
次に,その正方形を半分に折る。
「M4」のサイズを半分に折るので
理論的には「M5」のサイズになったワケだ。
アスペクト比を計算すると
100o÷50o=2
「M4版」のアスペクト比は1
「M5版」のアスペクト比は2
ほらね・・・
正方形の場合
大きさを半分にすることで
アスペクト比は
変わってしまうのである。
ナンなら
他の色々なサイズの紙で試してみるとよい。
2つに分けても
アスペクト比が変化しない
サイズの規格は
そうそう見つけられるモノではないのだ。
「A版」「B版」の紙の規格は
2つに分ける作業を続ける限り
そのアスペクト比は変化せず
面積は半減を続けるのである。
ちょっと数学的に言えば
「相似を保ちながら面積を半減させる」
規格なのである。
いったい
誰が発見したんだ!!
美しい!!
実に美しい!!