第52小ネタ 紙の大きさの表し方
 〜 「A版」と「B版」 〜



今回は「紙の大きさを表す単位(規格)」
お話である。

「まくべん」としては
中学生にとって
「どうしても知っておかなければならない知識」
だと考えるのだが
中学校では,どの教科でも
キチンと教えている様子がないので
あえて掲載するコトにするのである。

○部□学省は
「知っておいた方がイイカモ〜」
くらいに考えているのだろうか?



それは さておき!!

紙の大きさの
規格として
最もポピュラーなものに
「A版」「B版」
がある。


日常会話の中で
「A4」「B4」という言葉を聞くことがある。

これらは現在
「日本標準規格(JIS)」という「お約束」で
その大きさが決められているのである。

例えば
「A4」の紙の縦横の長さは
297o×210oと決められている。



ちょうど教科書を閉じたときの大きさを
イメージしてもらいたい。



「A版」というのは
「A0」(1189o×841o)の大きさを基準にした
紙の大きさを表す「規格」である。

この「規格」
もともと
ドイツの工業規格であったものが
現在は世界的な規格になっている。

「国際規格」という。



ところで
「A4」という規格があるのなら
「A3」という規格もあるのではないか…?

そう思う中学生は
ナカナカ鋭いのである。


「A3」は存在するのである。

「A4」の面積を,ちょうど2倍した大きさである。
縦420o×横297oという規格だ。

下の図を見て欲しい。
ちょうど,こんな具合になる。



そこで,この「A3」の紙を
時計回りに90度回転させると
こんなふうになる。



「A3」は「A4」の縦の長さをそのままに
横の長さを2倍した規格なのである。


逆に考えるならば
「A3」の用紙を長い辺で2つ折りにすれば
ちょうど「A4」の大きさになる
のである。



ここで
さらに鋭い中学生は考える。

「すると,A2も存在するかも」
「それもA3を2枚つなぎ合わせた大きさか?」


そのとおりである。
「A3」を2倍にすると「A2」になり
「A2」を2倍すると「A1」となる。



さらに面白いのは
「A1」を2倍にすると
「A0(ゼロ)」になるのだ。

「A0」は冒頭でも紹介したが
その大きさ
1189o×841oの巨大な紙である。
ポスターなどに使用される規格である。



逆に考えると

「A0(ゼロ)」の用紙を長い辺で2等分すると
「A1」の大きさになる。

「A1」の用紙を長い辺で2等分すると「A2」
「A2」の用紙を長い辺で2等分すると「A3」
「A3」の用紙を長い辺で2等分すると「A4」
「A4」の用紙を長い辺で2等分すると「A5」
「A5」の用紙を長い辺で2等分すると「A6」
「A6」の用紙を長い辺で2等分すると「A7」




という具合である。

ちなみに日本標準規格(JIS)では
「A12」という規格まであり
その大きさは
18o×13o
となっている。
(ずいぶんと小さい紙である)

紙の大きさは
数字が1つ大きくなるごとに
面積は「半分」になり
数字が1つ小さくなるごとに
面積は「倍」になる…

と覚えておくとよい。



一方…
日本オリジナル規格
「B版」
という規格が存在する。



ルーツは江戸時代まで遡(さかのぼ)る。

江戸時代に使用されていた
「美濃紙」
という用紙の大きさを基にして
作られた規格である。

「習字」ときに使う用紙を
想像していただきたい。

歴史や文化の違いにより
その国で使用される用紙の規格は様々である。

私たちのご先祖様が
昔から愛用してきた紙の規格…
それを近代的に整備したモノが
「B規格」なのである。

ちなみに「B0」の大きさが
1456o×1030o

(A0よりもデッカいぞ!)
(我が国オリジナルの勝ちである)




そして
諸君に一番なじみ深い大きさが
「B4」だろう。

よく定期テストの問題用紙に使用される。

こちらは
364o×257o
である。



「B規格」も「A規格」と同様に
「B4」2倍にすると「B3」になり
「B3」2倍すると「B2」となる。

多少乱暴な言い方になるが…
「B4用紙」は「A4用紙」より
ひとまわり(ふたまわりか?)大きい…。

(本当に乱暴である)


「A規格」と「B規格」は
もっと深い数学的な関係があるのだが

まあ
今回はこれくらいにしておくのである。



さあ
これからは…

「先生,大きい(小さい)紙くださいな〜。」
ではなく

「先生,B4(A4)の紙をください。」
と言うのだ。


ホ〜ラ…

少しは「賢く」見えるだろう。


  

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