第49中ネタの4 「三者面談の心得 その4」
〜 三者面談前に「覚悟」すること 〜


いよいよの三者面談に備え
もう少し念入りに準備を進めるのである。

学校の面談室に入るまでには
以下の事柄をキチンとおさえておきたい。



【1 志望校】

当たり前である。
これがなくては三者面談には臨めない。

ただし
「第一志望1校」だけでは話にならない。

自分の実力を充分に考えた上で
1ランク上の学校を1〜2校
1ランク下の学校を1〜2校

くらいは用意しておきたい。

また,事前の調査用紙が配られている場合は
迷わず「1ランク上」の学校を書いて提出すると
面談本番がスムースに流れることになる。

「あ・・・もう,書いて出しちゃった」
という人は,それほど心配しなくても良い。

1ランク上の志望校には
面談の中でふれればよいのである。



【2 志望動機】

志望校はハッキリしていても
「志望動機」があいまいな中学生と親御さんが多い。

「なぜ,この学校でなければならないのか。」

アナタも親御さんも
キチンと口に出して説明できなければならない。

できれば
要点をメモにまとめるくらいの姿勢がほしい。

特にアナタは
入試の面接で必ず聞かれることになる。

この際
自分の気持ちや考えをキチンと整理しておきたい。



【3 最初に出す「カード」を決める】

適切な表現ではないかもしれないが
三者面談は買い物をするときの
「値切り交渉」と似ている。

100円で売られているものを
80円で買いたいとき
いきなり「80円にまけて」と切り出してはイケナイ。

80円が値切りの目標ならば
最初の「希望価格」は50円くらいから
スタートするものである。

「客さん,そりゃあんまりだよ。90円でどう?」
「え・・・じゃあ,60円!」
「だから無理だって! 95円!」
「う〜ん・・・まだ高い! 70円!」
「これが限界だよ。80円」
「しかたないなぁ・・・80円でイイヨ」

という具合である。

そこで,最初の志望校は
「1ランク上の学校」となる。

当然
「キビシイですよ」という声が返ってくる。

しかし
本名の高校を最初に出しても
同じ
「キビシイですよ」という声が返ってくる
ケースも充分に予想されるので
どうせなら,1ランク上から「交渉」を始めたいものである。

交渉における心理戦の常套(じょうとう)手段である。



【4 その後の流れを可能な限り予想しておく】

「1ランク上がダメだったら,次にどうするのか。」
「本名が危険だったら,どうするのか。」
「1ランク下も難しいと言われたらどうするのか。」


何も考えないで三者面談に臨むと
想定外の先生の発言で
親も子も黙り込んでしまうコトがある。

予想外の動き予想をした,あの会社でさえ
ホントに予想外の結果になって慌てているのである。


できるだけ,多くのケースを予想して
「これがダメだったら,こうしようね。」
「これもダメだったら,次はこれで行こうね。」
「これもダメだったら・・・」

という具合に親子で話し合っておきたい。



だが,中には
「そんな判断は先生に任せればよいのでは」
「先生は専門家だから」

と考える中学生もいるだろう。

確かに先生は専門家である。
自分の店の商品に関しては
お客さんより多くの知識を持っている。

しかし,店のオヤジさんは
品物を「できるだけ高く売りたい」のであって
アナタは「できるだけ安く買いたい」のである。

先生とアナタも同じようなモノである。

アナタは
「○○高校に合格したい」という気持ちで面談に臨むが

先生は
「自分のクラスから不合格者を出したくない」
という気持ちで面談に臨んでいる。


一見,同じような気持ちに見えるが
実は「全く違う」のである。

どんな先生でも「不合格の危険性」があれば
迷わず志望校のランクを下げさせようとする。

先生が勧めてくれる高校と
アナタの希望がピッタリと合えば
何の問題もおこらないが
「食い違った場合」が問題である。

不合格の可能性はあっても
親子で話し合った結果が
「それでも受験したい」であれば
そのことを先生にキチン伝える必要がある。



【5 最終兵器を用意する】

最終兵器とは物騒な言葉であるが
三者面談の「最終兵器」とは
「最悪の結果の場合のアナタの身の振り方」
である。

わかりやすく言えば
「受験に失敗したらどうするか」
である。

「そのときは,滑り止めの○○高校へ行きます。」
だったり
「一年間,予備校へ通って勉強します。」
だったり
「就職します。」「家事手伝いをします。」
だったりする。



今のアナタにとって
「絶対に想像したくないコト」だろうと思うが
決して目をそらしてはならないことである。


結果が不確実なコトにチャレンジする場合
「最悪の結果」まで予想して
それに対する「準備」までしておくことが大切なのだ。

それを人は
「覚悟」と呼ぶのである。


ちなみに
「覚悟」を勘違いしている中学生もいるので注意したい。

「不合格」の苦しさに耐える心を「覚悟」と呼ぶのではない。

「不合格の場合にはこうする」という次の行動を決めることを
「覚悟」と呼ぶのである。


さあ,「覚悟」を決めたら
堂々と胸を張って三者面談に臨むのである。

頑張ってもらいたい。

グッドラックである。


  

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