第47小ネタの1 「おいしい睡眠の方法」
〜 「眠り」のメカニズムを考える 〜


「中学生に適した睡眠時間は何時間くらいですか」


よくある質問である。

「受験生は何時間くらい睡眠をとったらいいのですか」

これまた
多くの受験生が頭をかかえる問題である。



結果から言えば
「人によって様々」
となる。



「なぁんだ・・・やっぱりそんなところか」

そうなのである。

所詮は,「そんなところ」なのである。



しかし
「睡眠のメカニズム」を知った上で
自分の睡眠について考えてみるもの
悪いことではない。

それでもって「幸運」にも
理想の「眠り」とスッキリとした「目覚め」を
手に入れることができるのなら
この上なく喜ばしいコトである。


今回は
勉強本来から,少々横道にそれて
「睡眠」について考えていくのである。



「ゆうべはバクスイしたなぁ」
という言葉を聞くことがある。

これによると
「眠り」とは
一気に眠りに落ちて数時間後に目覚める・・・
という感じを受ける。


しかし,「眠り」とは
そんな単調なものではいのだ。


また,こんな会話も聞く

「眠っても眠っても,眠った気がしないよ〜」

これは「眠り」が「浅い」場合に起こる症状だ。

そう・・・眠りには
「深さ」があるのだ。

睡眠に入ってからの時間の経過と
眠りの深さをグラフにすると
下の図のようになる。



睡眠開始で,眠りは
一気に深くなる。

そして
しばらくすると
「やや深い眠り」に変化するのだ。

そしてまた
「とても深い眠り」に・・・という具合である。

普通の人で一晩に4〜5回
「とても深い眠り」「やや深い眠り」を繰り返すことになる。

眠りの深さは
周期的に変化しているのだ。




「眠りは深いほどイイんじゃないの?」
「浅い眠りは疲れが取れないのでは・・・」


そう感じるのも無理はない。

深〜く,深〜く眠った方が,なんだかお得な気分がする。

しかし
「やや深い眠り」も,とても重要なのだ。
そのことについては,後で詳しく説明しよう。



次に・・・
「眠り」の状態には
2つの種類があることを知ってもらいたい。

「レム睡眠」「ノンレム睡眠」である。


「レム睡眠」とは
「REM 睡眠」
(Rapid Eye Movement Sleep)
のコトである。

英語の意味から言えば
「目玉がキョロキョロ動く眠り」らしい。

眠っている時に
目玉(眼球)がキョロキョロ動くとは
ちょっと不気味ではあるが
動くモノは動くのであり
これはこれで仕方がないコトなのである。

ちなみに,「まくべん」は
眠っている間に
自分の目玉が動くのを自覚したことはないが
眠っている他人の目玉が
「動いているらしい」とうのは目撃したことがある。

「・・・らしい」というのは
眠っている人が瞼(まぶた)を閉じているから
目玉の動きを確認できなかったからであり
瞼の下で目玉らしいモノが
モコモコ動いて,ちょっとホラーな感じになった。

いっそのこと,瞼をこじ開けて
目玉の動きを確認しておくべきだったかな・・・
と後悔している。


それは,さておき

「レム睡眠」とは,そんな眠りの状態である。



そして
もう1つの眠りの状態を
「ノンレム睡眠」という。

こちらは
とても深い眠りで,眼球も動かない。


「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の特徴を
下の表にまとめてみたのでご覧頂きたい。

「レム睡眠」 ・「やや深い眠り」の状態
・大脳は活動している。
・大脳が記憶の整理・整とん作業をしている。
・夢を見ている
「ノンレム睡眠」 ・眠りが,とても深い状態
・大脳は活動を休んでいる。
・体温が平熱より1℃程度下がっている。
・夢は見ない。


「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」を
先ほどのグラフに当てはめてみると
こんな具合になる。




アナタが眠りにつくと
一気に「ノンレム睡眠」に突入する。

まさに
「心(脳)」も「体」のジックリとお休みする「眠り」である。

そして
睡眠開始から1時間弱の時間で
眠りの「最深部」に到達し

その後は徐々に眠りが浅くなる。
「レム睡眠」状態である。

ここでは大脳が目覚めて活動を始める。
目玉がキョロキョロと動き出す。
記憶を整理したり,夢を見たりする。
まさに
「睡眠学習」のエリアである。

そして,時が過ぎると
再び,深い深い眠りに落ちていくのである。

普通の人で,
一晩に4〜5回くらいの周期で
「ノンレム」と「レム」が入れ替わる。


1回の周期が60分から120分
平均で90分くらいのサイクルである。



さて,そろそろ今回のお話しをまとめよう。

睡眠中の
「レム睡眠」では「記憶の整理」が行われる。
勉強で覚えた事柄が,キチンと脳に刻み込まれるのである。



上の図で言えば
黄緑の部分「睡眠学習中」の部分である。

「レム睡眠」は勉強内容の定着に大きく役立っているのだ。


では
「ノンレム睡眠」は,何の役に立っているのか・・・

それは
「心(脳)」と「体」を十分に休ませ
明日へのエネルギーを充電する「眠り」
なのである。

恐るべし最強コンビ!!
「レム睡眠」&「ノンレム睡眠」
なのである。




これで,アナタには十分にわかったハズである。

「無謀に睡眠時間を削る」ことは
「百害あって一利なし」なのである。

あ・・・
深夜まで勉強せずに
テレビやゲームを頑張っている中学生には
今回のお話しこそ
「百害あって一利なし」だったかもしれない。

お粗末様でした・・・


まだ,つづく・・・


  

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