第25小ネタ 「偏差値の正体」
〜 ワケがわからなくても なぜか敏感になってしまう値 〜


「偏差値」と聞くと,アレルギーが出る人がいるかもしれない。

「勉強」イコール「偏差値」イコール「人生」と考える人がいるかもしれない。

なぜが「数学は苦手で大嫌い!」という人でも
妙に「偏差値!偏差値!」と敏感になってしまう
不思議な人もいるかもしれない。

「偏差値,偏差値」と普段,何気なく使っている割りには・・・
全く,意味がわかっていない中学生がいる。
それはそれで仕方ない。


「偏差値」の考え方は,十分に難しいのである。
しかし,学校の先生や塾の先生が
その意味をわかっていなかったら・・・
これは大問題である。

せっかく付き合う「偏差値」である。
受験生なら,せめて,その意味を分かった上で
喜んだり悲しんだりしたいものである。



偏差値の出し方



(得点−平均点)÷標準偏差×10+50=偏差値

@ まず,アナタの得点から平均点を引きます。
   アナタの点数が平均点より下なら「マイナス」がつきます。
A その数を
「標準偏差」という数字で割ります。
   
標準偏差というのは,そのテストを受験した全員の点数をもとに
   計算した数です。詳しくは,後で説明しましょう。
B Aで出てきた値に10をかけます。
C Bで出てきた値に50をたします。


これが,アナタの偏差値です。



よく「標準偏差」と「偏差値」が,ゴチャ混ぜになって使われることがあります。

「偏差値」は,アナタ自身の数値です。

「標準偏差」は,テストを受けた人の全体的な様子を表した数値です。


また,「標準偏差値」という言葉もタマに聞かれますが
「標準偏差値」という数値や言葉はありません。

あるテストで平均点を取ると,偏差値は「50」になります。



「標準偏差」について



あるテストで,受験者全員が50点代を取ったとしましょう。
そんな場合,
「標準偏差」は小さくなります。
受験者集団の点差が小さいわけです。

「標準偏差」小さくなると,どうなるでしょう・・・。

仮に,アナタの得点が60点,平均点が50点,
標準偏差が5で計算してみます。

(60−50)÷×10+50=70

アナタの偏差値は70となります。


もしも,ウッカリミスで40点しか取れなかったら

(40−50)÷×10+50=30

あなたの偏差値は30となります

みんなの点数が近ければ近いほど
得点が動けば,それ以上に偏差値が変化します。

つまり
同じレベルの生徒が受験したテストほど
「1点の重み」が大きいのです。



逆に,統計的に理想的な集団が受験した場合
勉強した人は高得点
勉強しなかった人は,ほとんど点が取れない・・・
という結果になります。
この場合は
「標準偏差」は大きくなります。

今度は,アナタの得点を60点,平均点が50点,
標準偏差が20で計算してみます。

(60−50)÷20×10+50=55

偏差値は55となります。

40点の得点の場合は
(40−50)÷20×10+50=45

偏差値は45ですね。

同じ得点,同じ平均点でも,全員の得点の様子で「標準偏差」は大きく変化します。
そして,「標準偏差」が変化すると,
アナタの「偏差値」も変化するのです。



ではでは,その「標準偏差」はどのように算出するのでしょうか。

知っていてもあまり意味はないかもしれません。

なぜなら
あなた自身の手で「標準偏差」を計算することができないからです。

「標準偏差」の計算には
「受験者全員の得点」が必要だからです。

では,ご参考程度に
「標準偏差」の算出法を紹介しましょう。


@ 受験者全員の「平均点」を出します。
A 受験者A君の「得点と平均点の差」を出し,2乗します。
  例えばA君の得点50点,全体平均55点だったら,
  (50−55)の2乗=25
B A君だけでなくB君,C君・・・と全員分を計算します。
C Bで出てきた全員の数値を合計し,人数で割ります。
D Cで出てききた数値の平方根(ルート)を出します。


  これが,「標準偏差」です。

最後に・・・
偏差値は,一度に受験した人数が多ければ多いほど
「信憑性(しんぴょうせい)」が高くなります。

逆に受験者数が少ない場合には
あまりアテにはできない値になります。

また,あまり良い例えではありませんが
「超優秀私立中学生100人が受験した定期テストで取った偏差値50のA君」と
「極普通公立中学生100人が受験した定期テストで取った偏差値50のB君」は
偏差値が同じだから全く同じ実力だ・・・とは言えないのです。


ジッと自分の偏差値と向き合う場合には,
「どんな条件のテストで獲得した偏差値か・・・」を
十分にわかった上で,考えを進めていくことが大切です。




  

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