第15小ネタ 「小さな文具の大きな力」 
〜 シャーペンと替え芯のウンチク 〜


今回の話題は「シャーペンと替え芯」である。

シャーペンは中学生の筆記具の定番である。

まくべんは鉛筆が好きだが,膨大な「書く」という作業をこなすには
やはりシャーペンにはかなわないのである。



シャーペンは正しい名前を「シャープペンシル」という。

そんなことは誰でも知っているのだが,これが和製英語であることは
あまり知られていないのである。

シャーペンは,日本人の発明品だったのである。



シャーペンは1915年(大正4年)
金属細工職人の早川徳次さんによって発明されたのである。

当時は今のようにノック式ではなく
軸を回転させて芯を出す仕組みであった。

「早川式繰出(くりだし)鉛筆」の名前で販売され,
後に「シャープペンシル」に改名されることになる。



「シャープペンシル(sharp pencil)」は英語では通用しない。
英語での正式な名称は「mechanical pencil(メカニカルペンシル)」という。
「機械的な鉛筆」である。
(ちょっとゴッツい・・・戦闘ロボに変形しそうである)

おまけにもう一つトリビアがある。

発明者の早川さんは1923年に「早川金属工業研究所」を創設し,
後に同研究所は大手電気メーカーの「シャープ」となる。

世界初の電卓や日本初のラジオ,テレビ,電子レンジを開発した
あの「シャープ」さんなのである。

シャープペンシルの「シャープ」は
「シャープ」さんの「シャープ」だったのである。
正確に言うと,電機メーカーの「シャープ」は「シャープペンシル」の「シャープ」だったのである。

「そぉ〜とは知らず,ご無礼致しました。お許しくだされシャープ殿」である。



さて,そんなこんなで前置きが長くなったが,
本題は
「シャープペンシルの替芯にもこだわってみよう」である。

アナタは今,どのような替え芯を使っているだろうか。
100円ショップで売っている
30本入り2パック100円でも構わない。

文字が書ければOKである。

しかし

替え芯は毎日お世話になる道具である。

毎日使うのだったら,ちょっとはゴージャスにいきたいものである。

「まくべん」のオススメは1ケース200円以上の
「高級替え芯」である。

具体例を挙げるなら「三菱鉛筆ハイ・ユニ(40本入)300円」である。

「う〜ん・・・高い」と感じるなら

「ユニ(40本入)200円」という選択もある。

もちろん,他のメーカーの品物でもOKである。
「まくべん」は三菱鉛筆のまわし者ではない。
個人的に気に入っているだけのことである。


芯の固さは
「B」が最適である。

太さは,もちろん
0.5mm規格

一時期0.4mm規格が登場したが,
結局,帯に短し襷(たすき)に長し状態で
0.5の汎用(はんよう)性には遠く及ばないのである。

また,0.3mm規格は一部のこだわり派には人気があるが,
書く量と速さ重視する「中学生の勉強」には向かないのである。



「高級替え芯」は,先ず書き味がなめらかである。
スラスラ書ける。

実際に使ってみると,「目からウロコ」である。

そして,「強い」のである。
力を入れて書いても折れにくい。

芯の素材の密度が高いので,安い芯よりすり減りが少ない。
持ちがイイのである。

さらに「B」になると
黒さがクッキリする。

特に
「書く」という作業がイヤな人には絶対オススメである。

たった100円〜200円の増資で,
かなり「書く」作業が楽になり,不思議と幸せな気分になれる。



時々,シャーペンをノックする回数が減るからと,
「H」や「2H」の替え芯を使っている人を見かける。

精密さを求められる「図面」を書くときには適しているが
「H」や「2H」では黒さが足りないのである。

結果,答案用紙をちょっと遠目に見ると,答が書かれていないようにも見えてしまう。

これでは先生が採点するときのインパクトに欠けるのである。

「良い答案は,自信のある,黒々とした文字でと書かれているモノである」

実はそんな信念を持って採点している先生もいるのである。
「こんな堂々とした答案なら期待できるぞ」
そんな気持ちで採点に入るのである。

少なくとも
「良い答案は,自信のある,うすい文字で書かれているモノである」
という信念を持っている先生はいないのである。

「また,こんなウスい小さな文字で書きやがって・・・読みにくいだろ〜」
こんなマイナスな気分で採点されては,
中間点も期待できないのである。

気分によって点数が左右される場合もある。

しかたがないのである

先生だって人間だもの・・・



参考サイト
シャープ株式会社(http://www.sharp.co.jp/)
三菱鉛筆株式会社(http://www.mpuni.co.jp/)

  

直線上に配置