第2GO! 「人を見たらセンセイと思え」


遠足の最後に先生が必ず言うのである。
「家に帰り着くまでが遠足です。」
「皆さん,気をつけて帰ってください。」


このネタで笑いを取るコントもあるくらいに
有名なセリフである。



それは,さておき
受験会場の行き帰りにまつわる様々な
伝説がある。



【伝説1】

受験当日,受験生を高等学校のスクールバスで
送り迎えしてくれる学校がある。

目的地の受験会場まで迷わずに行けるし
無料で移動できるので大変便利である。

万が一,交通渋滞や交通事故にあって
受験会場への到着が遅れたとしても
高校側が責任を持ってなんとかしてくれるので
大助かりである。

しかし,美味しい話には十分気をつけたい。

ほとんどのスクールバスの運転手さんは
その高等学校の先生であることが多い。


試験会場ではネコをかぶり
「とってもよい子」を演じきっていたのに
バスの中で,ハメを外し「不合格」になった・・・。
という伝説である。

多分,運転手さんが,細かくチェックしていたのだろう。



【伝説2】

これは,試験会場のトイレでの伝説である。

ある受験生がトイレに駆け込もうとして
中から出てきた作業着のオジサンとぶつかったのである。
オジサンは右手にモップを,左手にはバケツを持っていたらしい。

よせばイイノに,その受験生
普段の生活のパターンにしたがって
「な〜んだよ,このやろう・・・(以下略)」
と,なんともまあ,御丁寧なあいさつをしたらしい。

後で分かったことだが・・・
そのオジサンこそ,その高等学校の校長先生だったとのこと。

ウソかホントかわかならいが・・・
「全くあり得ない」とは誰も言えないのである。

試験当日,それも試験中に「モップがけ」とは・・・
どう考えても不自然である。

面接会場の外の廊下で,モップがけをしている
オジサンやオバサンを見たら
要注意である。

「モップおじさん」「モップおばさん」の伝説である。



【伝説3】

試験が終わった高校の正門での風景である。
2〜3人の高校の先生方が正門に立って
中学校の引率の先生や,保護者にあいさつをしている。

なんともお客様への応対が丁寧な学校である。

と・・・ある受験生が前を通る

先生方の存在に気づかず
試験終了の気のゆるみから
大声ではしゃいでいる。

そこまでは,ヨカッタのだが
ついつい気分が乗って余計なことまでしゃべり始める。

「おまえ,ココの高校来る気あんのかよ」
「ば〜か! ただのスベり止めだよ〜」
「こんなバカ高校,来る奴,いね〜よ」


そんな会話のスグ横で
高校の先生が,素早く手帳に何かメモするである。
何をメモしているのか・・・
だいたい想像できるのである。



遠足は家に帰り着くまでが遠足であるが
受験も家に帰り着くまでが受験である。

そして
受験の日には
「人を見たらセンセイと思え」
である。

バスの運転手さんも
駅員さんも
掃除のおじさんも
食堂のおばさんも
購買部のおじさんも
犬も猫も猿も・・・
電柱や郵便ポストだって怪しい・・・

みんな,みんな,センセイなんだ,監督なんだ〜

そんな慎重さを持って行動した方がよいかもしれない。

この日ばかりは・・・である。



  

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