第91手 「わかったツモリ」や「わかったハズ」からの脱出
〜「わかったフリ」より「わからないフリ」〜



授業中の先生の難し〜い解説…

友達から聞いた
難し〜い問題の解き方…

はたまた

友達の恋バナの
複雑な人間関係…

ほとんど誰も読まないであろう
分厚く
複雑奇怪な携帯電話の取扱説明書…

世の中には,理解するのに大変骨の折れる
「難しい」が存在する。

そんな「難しい」の中でも
授業中の先生の説明だけは
難し〜いコトを,簡単なカタチにして
諸君に伝えているハズなのだが…
それでもやはり…
「む,むずかしい・・・(汗)」
と感じることも少なくないのである。



そこで,当然アナタは
「質問」することになる。

その「質問」に対する先生の解説を
真剣に聞いていると…
例の
「わかったツモリ」
「わかったハズ」になってしまうことがある。

(「なんのこっちゃ?」と思う人は,第65〜67手を復習である。)

実は,ココが
デンジャーゾーンであり
勝負ドコロであり,天国と地獄の分かれ道でもある。

つまり…

本当にわかっていないのに
わかったような気分になってしまって…

先生から
「オイ,わかってるのか?」と聞かれると
ついつい
「は,はい,わかっています!」
「わかったフリ」をしてしまうのである。



ちなみに…
「本当にわかった状態」とは
その難し〜いコトを
アナタが誰かに
キチンと説明できる状態…

なのである。

しかし,中学生に限らず…
人間には
見栄(みえ)もあり…
プライドもあり…もあり…もある。

同時に
「面倒くささ」も働くのである。

「はい,先生! よく分かりましたぁ!」
などと…つい,うっかりと
気前のよい返事をしてしまうのである。
「わかったフリ」
である。



こうなったら
"defeat(負け)"である。

アナタにとっての「謎」は永遠に謎のままであり
「質問」という,せっかくの勇気ある行為は
ただの時間の無駄づかいとなる。
プライドの高さが仇(あだ)となるのだ。
嗚呼無情であり,諸行無常の響きがある鐘の音である。
(うっ……ちょっと違うか…?)



それは,さておき!!

なんとなく「わかったツモリ」や「わかったハズ」や
「わかったような気分」の
気配を感じたら…
瞬時に
「わからないフリ」モードに切り替えるとよい。

つまり
「わからない」演じるのである。

役者である。
男優であり,女優である。

お馬鹿戦隊「ワカランノジャー」
変身するのだ!

「え〜! まだわかんない!」
「ここまでは,ハッキリわかったのに…」
「ここから先が,チンプンカンプン!!」
「わかんない!」
「わかんない!!」
「ホントに,わかんない!!!」


そこで…
「オマエは本当にお馬鹿さんだなあ」とか
「こんなこともわからないのか…」とか
「脳ミソ入っているんか?」とか
罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせられても
そこは,平気の平左で知らん顔…
いや,「分からない顔」である。
なにしろ,「演技」だからね…である。

先生や友達は,
「やれやれ…」とあきれながらも
再び詳しくやさしく,そして丁寧に
説明を始めることになる。

それを,しっかり聞き取っていけばよいのだ。
わからない部分があったら
「なんで?」「どーして?」
その場その場で,ツッコミを入れていけばよい。



そして,
できれば…である。

本当にわかった状態になったなあ…と感じたら
「じゃ,今度はワタシが説明してみます」と言って
先生や友達に,自分の言葉で説明してみる。
「……ということです。こんなもんでイイですか?」
「いいんじゃない?」

これにて一件落着である。

(あ…,わかった後は,「お礼の言葉」をお忘れなく!)



中学生諸君! 心せよ!!

「わかったフリ」は
百害あって一利無し

である。

「シッタカブリ」も同様である。

アナタが変身すべきは
「わからないフリ」を見事に演じる
お馬鹿戦隊・ワカランノジャー
なのである。

(あ…,「大馬鹿戦隊ワカッテルンジャー」じゃないからね…。)
(そこまで,自分を貶めることはないからね…。)
(それから…ギャラは…1円も出ないからね。)
(ちなみにリーダーは,お約束どおり「ワカラン・レッド」…かな…?)



  

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