第82手 「新聞を読もう U」
〜 1面コラムの読み方 〜



前話でも紹介したが…
1面コラムの文章量についてである。

1行あたり10文字から12文字
行数にして50行から60行程度


文字数に直すと
約600文字弱というところだ。



【レベル1:「読み」の習慣つくり】

まずは「ザッと」読もう。

大まかに
「どんな内容なのか」をつかみ取る。
もちろん
「声に出して」である。

一回声に出して読むことで
目で3回以上読むことになる。

「時間がない」「めんどくさい」と感じる中学生ほど
声に出して読むのである。



一度読んだら
ちょっと本文の内容から離れて
文章全体の「作り」を見てみる。

「段落がいくつあるのか」
とか
「ひとつの段落には,いくつの文があるのか」

である。


一面コラムの場合は
段落は多くて6から8程度である。

段落の区切りに「三角マーク」などが入っているので
それを数えることでスグにわかるのである。

また1段落中の「文」は
2文から4文で構成されるハズだ。

こちらは句読点の「。」の数を数えればよい。

小学生でも知っている
「読解力」の基本である。

慣れてくると
「ほ〜今日のコラムは6段落構成だね」と
一目でわかるようになる。


文章の構造(「作り」がわかったら
もう一度「どんな内容が書かれているか」を
注意深く観察しながら読んでみるとよい。

くどいようだが
「声に出して」
である。



「一面コラム読み」に初めてチャレンジする諸君は
最初のうちはこれくらいで十分だろう。

まずは「一面コラム読み」の習慣を身につけることが重要である。
短い人で1週間,長い人は1ヶ月くらい
続けてもらいたい。
それも,毎日決まった時間にである。

朝起きて,朝食をとる前に・・・
学校に出発する直前に・・・
朝が忙しい人や,朝刊の配達が遅い人は
学校から帰って・・・という具合に
時間を決めて習慣化してもらいたい。



【レベル2:「読み」の思い出し】

さて,毎日「一面コラムを読む習慣」がついてきたら
もう少しレベルを上げてみよう。

ちょっとの「すきま時間」で
文章の内容を思い出してみるのである。

全文を正確に思い出す必要はない。

「今朝のコラムは,どんな内容だったっけか?」

全体的なことが思い出されればよいのである。

風呂やトイレに入っているときでもよい。
通学のバスや電車の中ででもよい。

なんとなく思い出せれば
「よし」としよう。

すっかり忘れているようなら
家に帰って,もう一度読み直してみるとよい。
最初の2〜3行を読んだだけで
「あ〜そうだったね」と
コラムの内容が
簡単に復活するのである。

1週間でも2週間でも継続することで
確実にアナタの読解力はアップしていくのである。

同時に「世の中」のことが
ちょっと見えるような気分になってくる。

さらに
それらのことに
「興味」「関心」
持てるようになっているはずだ。

試しにテレビのニュースを見てみるとよい。
以前に比べニュースの内容が
「わかる」ようになっている。

数週間で,これだけの成果が出てくるのである。

さらに継続すれば
確実に成績アップにつながるのである。



【レベル3:「読み」を深める】

さて
だいぶ習慣化ができたところで
ここからが
修行の道である。

本各的な読解力を手にしたい諸君は
ぜひともチャレンジしていただきたい。

一面コラムをざっと読み
文章の「作り」をつかんだら

各段落ごとに,その内容を「要約」していくのだ。

つまり
ひとつの段落にある2〜3文の内容を
重要な部分に注目しながら
20〜30文字程度にまとめてみるとよい。

各段落の「要約」ができたら
その「要約文」を読み返し
さらに「要約文」全体を20〜30文字にまとめてみる。

すると最終的に
「(コラムの)作者は○○について○○○と考えている」
という
「論旨」が抜き出せるようになるのだ。

これが読解力養成に大いに役立つのである。



この勉強法で身に着けた読解力は
高校入試だけでなく
大学入試や
大学での授業
そして
社会に出てからも大いに役立つのである。


さあ,朝起きたら一面コラムを
ハサミで切り抜き
ノートに貼って
要約」をしていこう。

1ヶ月も続けてごらんなさい。

アナタの読解力は
何倍にもアップしてくるのである。

あ・・・家族の人に
ちゃんと許可をもらって切り抜くのだよ。


「ダメダメダメ」
と言われたら…
昨日の新聞でもいいし…

おとといの新聞でもイイからね。



  

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