第61手 「ノートの心得」
〜 先生の板書写しだけでは不十分? 〜



授業の後で見直して
テストの前に見直して

わかりやすいノート」
思い出しやすいノート」

を作りたい。



まずはアナタの
今までの「ノート取り」を振り返ってもらいたい。

「アナタは,どうやってノートを取ってきたか?」
である。

多くの中学生は,授業中に先生が黒板に書く
「板書(ばんしょ)」を写していると思う。

とりえず,

先生の「板書」を写していれば,なんとなく安心

である。

授業中,ついうっかりしていても
「板書ノート」を見直せば
後でナントカなりそうな気分になる。


だが,それが落とし穴なのである。

実は「ナンともならない」場合が多い。

なぜか?




多くの先生方は,授業前に
「板書計画」
というものを考える。

黒板のドコにナニを書いて
その後,ナニを書き加えて
ここの部分は赤チョークで
ここは黄色チョークで・・・
最終的にコンナになって
ココで授業のまとめをする。


な〜んて作戦を立てるのである。

中には,毎時間の板書計画を
ビッシリとノートにまとめ
何年分もの授業の記録を取っている
スゴイ先生もいらっしゃるのである。

まあ,この辺は,アナタの想像も及ばない
「プロフェッショナル」な世界のお話である。



さて,そこまで考えて組み立てる
先生方の緻密(ちみつ)な「板書」であるが
諸君にとって不幸なコトには

多くの場合
授業中の「板書」は
「先生の説明」とワンセットで,役に立つ。

というコトである。



先生が黒板に
「文字」を書く。
その後,書いたことを
「説明」する。
そして,また
「文字」を書く・・・

このような授業の進め方をした場合
板書には「文字」と「文字」しか残らない。

つまり
「説明」の部分は板書に残らないのである。



また
機関銃のように板書する先生がいる。
(なぜか社会科の先生に多いが)

そんな機関銃先生は数分間,黙々と板書を続ける。

当然,アナタも必死になってノートに写す。

そして,先生は,突然ピタリと板書をやめ
アナタ達の方を向いて「説明」を始める。

カツカツカツ!っと
チョークで黒板をたたきながら
「コレがこ〜なって,アレはコレが原因で・・・」

名調子が始まるのである。

その時,アナタは何をしているか?

多くの場合,
鉛筆の動きは止まっている。
先生の熱い「説明」に聞き入っているからだ。
(「寝ている」と答えた人は,永久に寝ていなさい。)


話の上手(うま)いステキな先生なら
余計に注意が必要である。

結果として・・・
先生の「板書」はノートに残るが
「説明」は残らない。

のである。



さらに,困ったことに
先生が板書した,ほとんどの「事柄」は
教科書に書いてある「事柄」が多いのだが

先生が身振り手振りまで交えて
必死で
「説明」した「事柄」
教科書に書いてない「事柄」が多いのである。



授業を受けた直後なら
先生の「説明」の中にあった
原因」や「具体例」や「たとえ話
の記憶が鮮やかで
ノートを見て授業内容が思い出せるかもしれないが

しばらく時間が経つと
先生の「説明」の記憶が薄れて
最終的に
「ナニがナンだかワカラナイ」状態になってしまうのである。

テスト直前にノートをめっくても
「重要語句」くらいしか
目にとまらないコトになる。



「だったら,そこまで板書してくださいよ。先生!」
そう言いたくなる気持ちもわからないコトはないが

先生の板書は
「今日の授業内容を生徒にわからせる」ことが目的なのだ。

口での「説明」と
手での「板書」の
合わせ技で
アナタに「わからせる」ことが目的なのである。

だから
「授業の復習をする」ことや
「重要なことを覚える」ことや
「忘れた内容を思い出す」ことを前提に
板書しているわけではない

のである。



中には,そこまで深く考えて
とても「わかりやすく」「思い出しやすい」板書をする
スーパーティーチャーも存在するが
「まくべん」の経験上
せいぜい10%程度だろう思う。


今までのアナタのノートを
ジックリと見直してもらいたい。

授業の内容が
フツフツと思い出せるようなノートであれば
その先生は,多分
スーパーティーチャーである。



さあ,ココまで考えてくると
「わかりやすいノート」
「思い出しやすいノート」

「取り方」のポイントが見えてきたのではないだろうか。

そうなのである。

まずは
先生の板書をキチンと写す。

その上で
先生の
説明を聞きながら

ポイントとなる部分や内容は
ノートに自分の言葉でメモしておく。


特に
「原因」「具体例」「たとえ話」などは
最重要ポイントとして
書き込んでおきたい。



自宅での復習で,ノートを見直してみる。

サラリと見て
授業の内容やポイントが
思い出せるようなら合格である。

なんとなく,わかりにくかったり
思い出しにくく感じるときは
色ペンを使ってマークを入れたり
要点をさらに書き加え,補強しておくことをオススメする。



そんな,コツコツとした積み重ねは
テスト直前のアナタの勉強を
ガッチリとサポートしてくれる。


時給数千円の家庭教師をたのむより
ずっとずっと効果的に
アナタの勉強を
支えてくれるノートとなる
のだ。



と,ここまで来て

な〜んとなく
「良いノート」が取れそうにな気がしてきたアナタ!

そんなアナタのために
「ノートの心得」は
まだまだ続くのである。

「オイラには無理だな・・・」
そう感じたアナタは
ここでサヨナラである。



  

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