第58手 「劣悪な勉強環境を逆手に取る」
〜 悪い環境の中で勉強しなければならないアナタへ 〜



よく聞かれる。

「どういう環境が最も勉強にベストですか」
「音楽を聴きながらの勉強はダメですか」
等々である。


質問してくる諸氏は
「より良く集中できる環境」
を求めて質問してくるのである。

しかし
勉強環境について答えるとき
「これが正解」
というモノはない。


勉強環境が良い方が良いような感じもするが
「ただ良ければ,それで良い」というものでもないのだ。

100人の中学生がいたら100の勉強環境がある。

100人の中学生にオススメできる
最適な勉強環境というものは
まず・・・あり得ないのである。



音楽(BGM)ひとつ考えても大変難しい。

音楽を流すことで集中力が増す中学生もいるだろうし
音楽が集中を妨げる中学生もいるのである。

また

音楽が勉強に悪いと感じながらも
音楽無しではイライラしてしまう
音楽依存症の中学生もいるのである。

音楽の種類にしてもいろいろある。
クラッシック音楽からギンギンのロックまで
人の好みというモノは大変複雑なのだ。



一般的に
音楽を聴きながらの
「ながら勉強」は実力がつかない
と言われている。

しかし,100人が100人
そうだとは言い切れない。

中には音楽を流すことで
ものすごい集中力を発揮する人もいるのである。

だからと言って
「ながら勉強」をオススメしているわけではない。

音楽があれば,集中できる人の場合
授業中や試験中は集中できないコトになる。

授業中や試験中には音楽がないからである。
それはそれで不幸なことなのかもしれない。



大切なことは
その環境が自分の集中に「有益」か「無益」か
体験を通して探っていくことなのだ。


音楽をかけた方が集中できるのか
かけない方が集中できるのか

2・3日身をもって実験してみれば
すぐに分かることである。

なんなら,次回の定期テストは
音楽をかけながら・・
その次のテストは
音楽無しで・・・
と,大きな時間の流れの中で試してみるのもよいだろう。


注意しなければならないのは・・・
音楽が自分に合わない・・・とわかっていながら
それでも,ついつい音楽をかけてしまう場合である。


自分から意図的に勉強環境を破壊してしまうので
そのツケは,後々,
何十倍にもなって
返ってくることを覚悟してもらいたい。

実際に,この手の判断ミスで
成績を落としてしまう中学生は実に多いのである。

わかっていながら落としてしまうので
ホントに救いようがない。

こんな場合は,一念発起で
音楽を封印するしかないのである。



また,勉強環境には
「自分でなんとか改善できる環境」

「自分ではどうにもできない環境」
がある。

机の上や引き出しの中の整理整とんや
部屋の張り紙くらいなら自力でなんとかなる。

しかし

ご近所の騒音や
自分の部屋の有無
家族の生活パターン

などとなってくると
自分一人では
どうにもできないものである。

そんな,どうにもできない
勉強環境の下で頑張っているアナタは
次のように考えてもらいたい。


「より良い勉強環境」を追い求めるのも良いが・・・

どんな環境下でも集中できる
強靱(きょうじん)な精神力を養うことも重要である。


家の外で道路工事をしていようが
屋根をかすめて戦闘機が離発着しようが
隣の部屋で兄と姉がケンカしていようが
茶の間でお父上が酒を飲んで酔っぱらっていようが
それが原因でお母上と大喧嘩になろうが
同じ部屋で妹や弟がドラ○もんを見ていようが
ドラ○もんがポケットの中から,どんな道具を取り出そうが
その道具が原因で,銀河系が破滅の危機に瀕しようが
暑かろうが寒かろうが・・・(以下省略)

それらの劣悪な環境に打ち勝つだけの
強靱な精神力を身につけたいモノである。

考えてみるのだ・・・

これから先の人生で
ココ一番の集中力や判断力を求められる状況に陥ったとき

周囲が・・・周囲の人々が

アナタのために
最高の環境を用意してくれるとは限らないのである。

むしろ世の中は,その逆の場合が多い。

多くの人は,人生の困難に対して
劣悪な環境で立ち向かわなければならないのである。


さて,そこまで考えると・・・

自分の置かれた勉強環境を
そのまま受け入れる・・・というのもアリかもしれない。

つまり

劣悪な環境の中で勉強をしている人は
きっと
どんな環境にも適応して集中できる
強靱な精神力を鍛えている・・・

と考えてもよい。



大切なのは
「自分の集中力を環境のせいにしない」
ということである。

「私には自分だけの部屋がないし・・・」
「家族が遅くまでテレビを見るので気が散って・・・」
「部屋が寒くて・・・」
「隣のアパートがうるさくて・・・」
「机の上が汚くて・・・」(それは自分で片づけるのだ)


い〜じゃあ〜りませんかぁ〜!
劣悪勉強環境〜〜!

やってやろぉ〜じゃ
あ〜りませんかぁ〜!!

集中してみせよう〜じゃぁ〜
あ〜りませんかぁ〜!!


そんな苦難に対する開き直るの気持ちが
自分をド〜ンと強くするのである。


あ・・・
だからと言って
ワザと環境を悪くする必要はないからね。

それから
自分で,なんとかできるものは
なんとかして勉強した方がイイからね・・・。

・・・である。


  

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