第28手 勉強の「攻め」と「守り」
〜 自分の努力をドブに捨てていませんか 〜


勉強指南,受験指南のプロの和田秀樹氏の著書に
「攻めの暗記」と「守りの暗記」
という言葉が出てくる。

なんだか
野球の守備と攻撃
サッカーのオフェンスとディフェンス
漫才のボケとツッコミ
(なんだか,違う・・・)
いろいろ想像してしまうのである。


今回は,この勉強の「攻め」と「守り」を考える。



その前に「まくべん:勉強法いろいろ:第3手」の
「海馬君」の話を思い出してもらいたい。

「アナタが記憶したコトは海馬君が一時預かる」

「海馬君は記憶した直後からドンドン忘れる作業を開始する」

「記憶から30日で海馬君は大脳皮質に頑強な記憶を送り込む」

「だからアナタは30日間,繰り返し繰り返し,海馬君に記憶情報を送り込まなければナラナイ」


だいたいこんなところであった。
(意味不明な人はココから「復習してくるのだ))



「攻めの暗記」とは
アナタが授業で学習した「覚えなければならないコト」を記憶する作業
である。
まだ,覚えていないコトを海馬君にたたき込む作業だ。
声に出し,耳で聞き,手で書いて,目で見て覚える暗記法を紹介した。
ちゃんと覚えているか,自分でチェックしながら覚え込むのである。


「守りの暗記」とは
「攻めの暗記」から数日後に「まだ覚えているかな」と,記憶を引っ張り出し
忘れた部分を再度,覚え直す作業
である。。
海馬君が記憶を「捨て去っていないか」点検するのである。
例えば,カードを使ったり,マスク法で確かめたり,ノートを見なおしたりする作業である。

言い換えれば「復習」である。
授業の「復習」ではない。
アナタの記憶の「復習」である。



最初の「攻め」から,最後の「守り」まで
つまり,海馬君が大脳皮質君へ記憶を転送するまで
30日位の時間がかかるのである。


「どうも,自分は記憶力が弱くて・・・」
「暗記したことをスグに忘れる」


そんな人は,「守り」が弱かったのである。
よく考えれば,
「暗記して,それっきり・・・」になってはいないだろうか。
それでは,海馬君の「思うツボ」である。



また
何かカン違いして,
テスト直前に「攻めの暗記」をする人がいる。

実によくいる。
ホントにたくさんいる。
も の す ご く い る。

そんな人が,
テスト終了後に「守り」をガンバルとは思えない。

海馬君の性格からして,
テスト終了30日後には,
さっぱりと記憶がなくなってしまう
のである。

テスト直前の「攻めの暗記」は,点数こそゲットできるが
後には何も残らないのである。

「それでもイイ!」と言う人は,ソレでイイのであるが,
そんな勉強は「攻め」の自分の努力を,ドブに捨てる行為に等しい。
ホントに時間のムダヅカイなのである。



そこで,「まくべん」として次のような提案をしたい。

テスト開始の30日前に「攻め」を開始する。
その後,「守り」を繰り返し,テストを迎える・・・


無理である・・


定期テスト30日前からテスト勉強する人は
「まくべん」など読まずに勉強しているハズである。

そこで,第2の提案である。

テスト15日前から「攻め」を開始する。
「守り」を繰り返しながら,テストに臨む。
テスト終了後,15日間は「守り」を続ける。

テストの復習がこれにあたる
これならできそうである。

えっ? まだ無理がある?

では
10日間前に「攻め」を,テスト終了後10日間まで「守り」を。

それも無理・・・

では
3日前から3日後では・・・

いいかげんにしたい・・・



結論

「攻めの暗記」と「守りの暗記」を自分の勉強計画に取り入れれば,
全く考えないでやるより,はるかに記憶が脳ミソに残るのである。

そして
そのパワーは実力テストや模擬テスト,入学試験で発揮されるのである。

「定期テストはボチボチだけど,実力や模試が・・・」

そんな人にオススメである。

今回はそんなところだろうか。


参考文献:「受験は要領(テクニック編)」 
和田秀樹 著 2002年9月
PHP文庫尾 ISBN 569-57810-1 571円
※初刊は1988年刊
※大学受験生向けの本である。

  

直線上に配置