第11手 「わからない」の原因はココにある
〜故障か所がわからなければ修理のしようがない〜


先日,数年間連れ添ったパソコンが壊れてしまった。
初めはインターネットにつながらなくなり
何回か再起動をくり返すうちに電源も入らなくなり,
完全に壊れてしまった。

部品を集めて自分で作ったパソコンなので,
電気店に修理に出すわけにもいかない。

バラバラにして,部品を一つ一つ調べて,
故障の原因を探らなければならなくなったのである。
結局,1000円程度の部品が一つ壊れていたので,
交換することで無事に復活させることができたのである。


こんなに書くと,とても簡単に感じるが,
故障か所を見つけるまでに大変な時間がかかったのである。

故障か所がわからなければ,永遠に修理のしようがないのである。



機械の「故障」は,勉強に例えるなら「わからない」になるだろう。

今までわかっていた勉強が,
ある日ある時ある瞬間にわからなくなることがある。

そんな「わからない」は,特に英語,数学,理科等の教科で起こりやすい。

「わからない」を修理せずにそのまま突っ走ると,
ますますわからなくなり,混乱して,最後には

「方程式なんて生活の中では必要ないよ」

と開き直ってしまう。

かといって
「わからない」を必死に考えても,なかなか「わかる」ようにはならない。

困ったものである。



まずは「わからない」の原因を見つけ出すのだ。

故障か所を見つけないと修理のしようがないのだ。



【故障か所の見つけ方】
その@
わからないコトを確認する。

 勉強中,突然わからなくなったら,
わからなくなった瞬間が大切である。
教科書やノートにすぐに印をつけよう。

 わからないのは何か。
問題なのか,
公式なのか。
用語なのか,
文章なのか。
考え方なのか,
意味なのか。
図なのか,
表なのか。



何がわからないのか,ハッキリさせるのだ。
わからなくなった瞬間に行動しないと,
わからないコトを忘れてしまって,
わからないことがわからなくなってしまう。


 そして,勉強が終わる頃には
「なんとなくわかったような気分」になってしまうのだ。

 勉強が苦手な人の大部分が,
この
「なんとなくわかったような気分」にやられている。



そのA
わからない部分とわかっている部分の
境界線を見つける。

「ここまでは,ちゃんとわかっていたけど,ここから先がわからなくなった」という
境界線が必ずある。

同じ種類の勉強内容を,1本の線にたとえて考えるとよい。
境界線は「わからない」のすぐ近くにあるとは限らない。
前の単元かもしれないし,前の学年の教科書や小学校の教科書にあるかもしれない。


中1の数学で文字式の計算でわからなくなり,
境界線を探したら,
小2の算数のかけ算九九のところに境界線があるということもある。

しかしこれは,なかなか難しい作業なので,
先生に手助けを求める方法もある。



そのB
故障か所は「わかっている」部分の一番最後にある。

故障の原因は,「わからない部分」にあるのではない。
境界線のひとつ手前
つまり,
「わかっている部分」の一番最後の部分が故障していることが多い。



「わかっている部分」の一番最後の部分が「わかっている」ではなく,
「なんとなくわかったような気分」で終わっているのだ。

それをアナタが「わかった」と思い込んでいただけなのである。

以上が故障か所の見つけ方である。

あとはていねいに修理すれば,
「わからない」部分が「わかった」に切り替わるのである。

では,実際にどうやって修理するのか?
それは,次の一手で・・・


参考文献(順不同)
西村克彦
「わかる」のしくみ 「わかったつもり」からの脱出
新曜社 1800円 1997/7/15
ISBN4-7885-0607-6

L.ロン.ハバード原作 日本使える学習法の会編集
学び方がわかる本
ニュー・エラ・パブリケーションズ・ジャパン株式会社
ISBN4-931223-22-2 950円

  

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