第6手 3分間勉強法
究極の復習タイムは「休み時間」



改めて思い起こして欲しい。

「海馬君は忘れる」こと,
「学習した記憶は四時間で半分になり,24時間で30%になる」こと,
そして,「学習直後が最も忘れやすい」こと。
これらのことが本当ならば・・・
(本当である。今さら,何を書いているのだ。)
ある予想が立てられる。

 「最適な第一回目の復習は授業終了直後ではないだろうか。」
である。


 さすがの「まくべん」も,今回はちと確信がない。

 そこで,いろいろと調べることになった。
何かそれを裏付ける実験結果や報告,体験談はないのだろうかと。

 そして,あったのだ。
やはり大学の先生「石井郁男」先生の著作にあった。
この先生も勉強方法についての本をたくさん書いている。


 さて,話をもとに戻そう。
 「最適な第一回目の復習は授業終了直後ではないだろうか。」という
「まくべん」予想に石井先生の著書にはこう記されていた。



 ・・・この生徒は,授業が終わって3分間,じっと机から動きません。
教科書とノートで,ばっちり復習をしているのです。

(中略)

授業直後の3分間は,
家に帰っての復習の30分間と同じ効果があります。




 なるほどなるほど,「まくべん」も思わず身を乗り出してしまった。
 そういえば・・・と「まくべん」のコンニャクのような脳裏に浮かぶ記憶があった。

 「まくべん」が中学生の頃,
「中一時代」(旺文社刊)とか「中二コース」(学習研究社刊)といった中学生向けの雑誌があった。
昔は今のように雑誌の種類が少なく,
中学生が読む雑誌が限られていた。
だから,ほとんどの中学生がこれらの雑誌を読んでいた。

雑誌なので内容はバラエティーに富んでいて,
芸能スポーツ,芸術文化,遊びに勉強,
まさに超豪華版幕の内弁当のごとく多種多様なものだった。

その中の記事や特別付録として,必ず「学習情報」が載っていた。
中間テスト対策の方法とか,よくでる英単語300とか,
効果的な勉強方法とかである。その中のどこかで・・・
思い出した!
これは,伝説の秘技,
「3分間学習法」である。
過去の雑誌でも紹介されていたのだ。
(だったら,伝説でも秘技でもない。ただの
「3分間学習方法」である)


では,その方法を紹介しよう。



@

授業終了すぐに頭をリセットし,ある光景を想像する。
50分前に教室に先生が入ってきたときの様子である。

A

先生のイメージが浮かんできたら,初めに先生が言った言葉からスタートし,
まるでビデオの早送りのように授業をふり返るのである。
そのとき,教科書やノート,そして今にも消されようとしている黒板を見ながら,
授業の流れを思い出すのだ。

B

思い出しながら,
「これは大事だ」
「ここが分からない」
と感じるところは教科書やノートにチェックを入れるのである。
これを3分間で終える。

これが,3分間で30分間の勉強ができる究極の
能率勉強法である。




しかし,この方法には大きな弱点もある。
大変な「根性」が必要で,「誘惑」も多いのだ。

普通なら三日坊主ならぬ3時間坊主で終わってしまうだろう。

緊張した授業の後は心が開放的になっている。
早く休みたい。
周囲もガヤガヤとおしゃべりしている。

こんな中で3分間集中するというのは強じんな精神力が必要なのだ。

だから,一人では無理だ。
こんなときは友達(ライバル)を活用しよう。

2〜3人で教室の一角に異様な空間を作りだそう。
(多目的室を使うなどの方法も考えられる。)
そう「3分間復習ゾーン」である。
そして一人,また一人とその未体験ゾーンに引きずり込んでいくのだ。
「なに〜あれ〜キモ〜イ」と他人から指をさされても平気である。
そう,あなた達は3分間だけ10倍充実した時間を過ごしているのだから。

(ただし,次の授業には遅れないでもらいたい。教科担任の先生から怒られてしまうからだ。)



参考文献
石井郁男 著
新版 実力を10倍アップのひけつを公開! 中学生の勉強法
子どもの未来社
ISBN4-901330-03-9 C0037
2001/2/19発行 1200円
  

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