土壌と連作障害についての私見

茨城県つくば市 大槻義昭様  (メール交換より 編集)

 連作障害のこと、興味深く読ませてもらいました。
「同じ場所では発芽もしない、発育もしない」ような障害が起きるとは驚きです。 農作物で見られる連作障害の場合は、「同じ場所では思うように育たない」程度であり、 発芽も発育もしないほどの強烈な連作障害は聞いたことがありません。 私はもともとは植物病理が専門ですが、作物の連作障害はほとんどの場合、 その作物に特異的な病害虫が関与しています。 土壌伝染性の病害の場合は、ウイルス、細菌、糸状菌などがあり、 害虫の場合は、土壌線虫や、ある種の昆虫の幼虫などがあります。

 オキナグサを植えている間に土壌の酸度が極端に酸性側に傾くような ことがあるなら、石灰をまく方法も有るでしょうが、一つの植物を植えて いるだけで、土壌の性質が大きく変わることは考えにくいです。 畑地の土作りで石灰をまいている例は多いですが、あれは、化学肥料の多用に より、土壌が酸性に傾いたのを矯正するためであり、植えられた植物が原因して いるものではありません。

「オキナグサは何年かで枯れる」という話は聞いたことがありますが、 何が原因で枯れるのかは知りません。 自分の花壇が3年目に入るので、このあと、どのような経過をたどるのか、 じっくりと観察したいと思います。

 オキナグサが3年ほどで枯れるというのは、株の寿命というようなことは 考えられないでしょうか。 草花には1年生、2年生、多年生、等の分類もあり、寿命もあります。 多年生植物の多くは、新たな芽を伸ばし、根も増えていきますが、 同じ場所では、だんだんと勢いが衰えてくる場合も多いです。 オキナグサの場合は、ゴボウ根が1本という特異な形態ですので、 増えていく多年生植物とはちょっと違うようにも思われます。
中園様の対処法(30cm位の深さに育苗用下敷きシートを敷いて即席花壇を作り、スギナに繁茂を防ぐ)で 「取り敢えず成功?」するのでしたら、 私が印象づけられたような”強烈な連作障害”はなさそうです。 病害虫とは別の視点で見ると、土壌の富栄養化が影響している 可能性もあります。種からの幼い苗は痩せ地の方が好きなようです。

 最後に本メールタイトルの「スギナ」ですが、 除草に苦労しておられるとか? スギナは土壌酸性化の指標植物です。これが繁茂してくるときは 「土壌の酸性化が進んだ。」と判断します。 その矯正措置として、消石灰や苦土石灰などのアルカリ成分をかなりの量を 施します。土壌酸度が矯正されると、それに伴い、スギナも弱ってきます。 農家の人が言う「石灰を撒いてみたら・・・」は当たっているようですね。 植物が植わっている状態では石灰を鋤き込むことが困難なため、 地面に撒いて、降雨に溶かしてもらって、土壌酸度を矯正する方法もあります。 鹿児島は強烈な雨が多い土地柄、そのような豪雨は土の表面を流れるので シトシト雨の方が好都合です。 中園様のお住まいのあたりは、火山性の土壌(シラスなど)なのでしょうか? それとも粘土質の土壌なのでしょうか?

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