オキナグサの紹介 |
“オキナグサ”名前の由来|
メシベの毛が、綿帽子のようになったとき、お年寄りの頭髪に似ているところから、「翁草」
の名前が付いたといわれている。全国の方言にも、オジノヒゲ、オバシラガ、オバカシラ、シラガグサ、
ジジババ、シラガババなどいわゆる「翁」を表現したのがよくみられる。 3月中旬に開花するので、 春を迎える花「迎春花」とも呼ばれ、 また、開花初期に下向きうつむき加減に咲いていたオキナグサが、盛りを過ぎて花茎が伸び、 上向きになる様子から「オバタリアン」と名付けた口の悪い人もいるそうです。
因みに、【『語源辞典ー植物編』吉田金彦編著,東京堂出版,2001】には次のような興味ある記述があります。 |
![]() |
幻の野草・オキナグサ| ★横浜市の田端光男様提供の資料・白籏史朗著【高山植物】 (東京新聞出版局出版)には、次のような記述がある。 |
|
オキナグサ属は北半球の温帯から亜寒帯にかけて、約30種が分布するだけで、日本では一属二種とさらに小さくなる。
属名プルサティラは、打つ、鳴る、に由来するpulsoからで、この属の花の形が鐘形であることに由来する。
種小名は前かがみの、という意味で、オキナグサにぴったりの学名である。日本名オキナグサは翁草で、
この種が幼生時から花期まで白い長絹毛を深く被っているうえ、花後に花柱が伸長して羽状になるので、
それを老翁の白髪白髭に見立てたものである。同様に果穂が伸長するものには、同じキンポウゲ科では
センニンソウ属のハンショウヅル類やバラ科のチングルマやチョウノスケソウがある。日本産オキナグサの仲間は一種、
ツクモグサだけだが、これはニッポニカ(P.nipponica)と日本の特産種であることを
しめしている。花色は淡黄色で白絹毛を被って。花後は花糸か伸長する点は同じだが、はるかに高山性の稀種でもある。
これとそっくりな種でプルサティラ・アルピナ・アピィフォリァは、ヨーロッパ・ピレネー山脈に生育する。
そのほかヨーロッパ・アルプスにはパテンス(P.patense)、
ハレリ(P.halleri)、モンタナ(P.montana)、
アルピナ(P.alpina)、
ヴェルナリス(P.vernalis)などがあるが、
もっともオキナグサに似た種はヴェルナリスで、他のモンタナとハレリは、パテンスと同様に紫の花色であり、
アルピナは白色である。 特徴:丈10〜30センチになる多年草で、幼生時から花期まで白色の長絹毛が全草に密生する。根葉は有柄、 広卵形五小葉、小葉は卵形〜菱状円形で2〜5深裂、鋭頭の欠刻がある。茎上の総包は無柄で掌状に深裂する。 花は筒状鐘形、長さ25〜30ミリ、萼片は5個で暗赤紫色である。花期は5〜6月。 分布:本州、四国、九州。 生育環境:低山帯から中山帯の草原や裸地。 |
なぜ幻の野草か
![]() 鹿児島県伊佐市 に咲くオキナグサ |
昭和30年頃までは、川の堤防や山野でよく見かけたが、農薬、排気
ガス、土地開発などによる地球環境の変化や乱掘などで、最近は自
然界で自生する姿を見ることができなくなった。平成9年8月に発表
された環境庁の『植物版レッドリスト』
では【絶滅危惧U類】にランク
されている。 更に、平成12年7月発行・環境庁編『植物レッドデータブック』 (449ペ ージ)では、生育地の現状と判定理由〔判定基準:E〕に、次のように 記述されている。「221メッシュのうち35メッシュで絶滅し、58メッシュで 現状不明である。現存するのは59メッシュで数個体、47メッシュで数 十個体、18メッシュで数百個体、4メッシュで数千個体であり、総計約 2万個体と推定される。平均減少率は約70%、 100年後の絶滅確率 はほぼ100%である。園芸用の採集、植生の遷移、草地の開発が減 少の主要因である。」 |
作者紹介
全国オキナグサ便り |
オキナグサを写真で楽しむ |
【植物版レッドリスト】のオキナグサ |
迎春花(インチュンホア) |
オキナグサの呼び名方言集 |
オキナグサと文芸・芸術・学術 |
m3naka@po.synapse.ne.jp