frower2023年  3月のフィールドノートから

*3月7日 龍郷町自然観察の森
 啓蟄も過ぎて季節はすっかり春となり、奄美の固有種の鳥たちも繁殖の真っ最中。固有種がひと通り観察できる自然観察の森に足を運ぶと、さっそくアカヒゲが美声で出迎えてくれた。姿がなかなか
見づらい鳥だが、縄張りを把握しておけば、その周縁部をパトロールするかのように巡回するので、見つけやすくなる。狙いを定めて待つこと数分、ほら現れた! 水場の近くでは複数のルリカケスが賑
やかに鳴き交わし、オーストンオオアカゲラがコツコツと枯れ木を叩いている。新緑も進み、気持ちよい森林浴を楽しんだ。自然観察の森から帰る途中、暗色型のサシバを発見。この冬はいろんな場所で
確認されており、従来言われているより多くいる気がする。


▲縄張りの周縁部に姿を表したアカヒゲ。


▲水場近くに出てきたルリカケス。


▲暗色型のサシバ


*3月24日 奄美中央林道
 オオトラツグミのモニタリングのために一週間前に中央林道にしかけたICレコーダーを回収する。中央林道沿いは春の花でいっぱいだった。アマミセイシカは見頃をやや過ぎた感じだったが、薄ピンク色
の花をつけた株は、まさに聖紫花の名にふさわしいもの。一週間前にはなかったオオシマガマズミがいつの間にか満開となり、沢沿いではアマシバのほわほわした花が目立つ。林床にはアマミエビネも。
奄美はまさに春真っ盛り。


▲幻の花とも言われるアマミセイシカ。


▲オオシマガマズミは奄美群島の固有種。


▲アマシバは奄美群島と沖縄諸島の固有種。


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