frower2009年  10月のフィールドノートから

*10月18日-19日 徳之島
 一昨年から10月には月例探鳥会を徳之島で実施している。今年も参加者を募ったところ、奄美大島から約20名が参加希望とのこと。こうした行事でも
ないと、なかなか徳之島まで足を伸ばす機会がないのだ。奄美大島の名瀬港から徳之島の亀徳港まではフェリーで約3時間半の行程。予定では9時過
ぎには徳之島に到着し、10時からの浅間海岸での探鳥会にはちょうど間に合う予定だったが、予定通りには進まないのが世の常。この日は名瀬での
荷積み作業が長引いたのか、出港が1時間以上も遅れてしまった。徳之島のメンバーには先に始めてもらい、途中で合流する旨携帯で伝えて、船窓を
のぞくと大きな鳥がフェリーと並行するように飛翔している。甲板に出て双眼鏡で確認すると、カツオドリである。しかも3羽。ときとしてフェリーに随分近づ
いて並んで飛んでくれるので、格好の撮影対象になる。おかげで長い船中の時間も退屈せずにすごすことができた。
 浅間海岸の探鳥会ではシギチやサギ類のほかにクロハラアジサシやカワセミをじっくり観察。その後に訪れた諸田池ではカモ類やシギ類が我々を迎え
てくれた。


▲往路のフェリーに随行してくれたカツオドリ

 奄美大島から来たほとんどの人は18日の上りのフェリーで名瀬に帰っていったが、私は一泊してもう一日徳之島に滞在。19日にはまず天城町の運動
公園周辺で探鳥した。電線に止まったシマアカモズのギチギチギチという声に秋を感じ、野球場のグラウンドにムネアカタヒバリの小群が降りているのに
のどかさを覚える。午後は三京岳の国有林へ。その路上、上空をチゴハヤブサが飛び去っていく。三京岳の国有林には立派なオキナワウラジロガシの群
落があり、林材遺伝資源保存林に指定されている。感じのよい明るい林を歩いていると、水溜りにオキナワウラジロガシの大きな堅果が落ちている。その
上を、大型のミズスマシがぐるぐる回っている。徳之島以南の山間の渓流に生息するオキナワオオミズスマシではないか。ラッキー!


▲板根の張り出したオキナワウラジロガシ


▲水底のオキナワウラジロガシのどんぐりと水面のオキナワオオミズスマシ


フィールドノート トップへ