2002年
12月のフィールドノートから
12月22日(日)〜23日(月)曇り 宇検村の林道
17日の夜から始まった
アマミヤマシギの捕獲の第六夜目。今回は捕虫網を改良した網を考案したお
かげで、随分と捕獲率がアップしている。今年1月の辛い思いに比べると雲泥の差である。
20時にスタート。21時頃まで湯湾岳周辺を探す。数羽のアマミヤマシギを見つけるが、なかなか捕ま
らない。アマミヤマシギがいくら鈍重といっても、相手は鳥なのである。見つけたらなるべく早く忍び寄
って、狙いを定めてためらわずに網をかぶせねばならない。ここでもたもたしていると鳥は飛んで逃げ
てしまうのだ。
午前2時過ぎ、一羽のアマミヤマシギを発見。網を掲げ、暗がりからするするっと鳥に近づく。ヤマシギ
は運転手が照らすライトで目くらましされており、捕獲者に気づいていない。 網を振り下ろす。鳥がネッ
トに入った。網の中のヤマシギを急いで両手で押さえ込む。かくして捕獲成功。
▲捕まえたアマミヤマシギに足環を装着し、放鳥する。
12月25日(水)名瀬市古見方
今年は冬鳥、特に小鳥類の数が多い。古見方の農耕地にもいろいろな鳥が群れている。数が多いの
はシロハラ、アカハラ、ツグミ。特にシロハラの数は多く、あちこちで仲間同志けんかをしている光景をよ
く見かける。ホオジロ類も多い。例年はアオジばかりしか目立たないのだが、この冬はカシラダカやホオ
アカの姿も多い。11月末にはコホオアカも確認した。そしてきょうもまた、奄美には珍しい鳥を観た。タヒ
バリを観察していると、空をビュンビュン鳴きながら飛び回る4羽の鳥がいたのだ。この声は、ヒバリに違
いない。ヒバリは本土では普通の留鳥であるが、奄美ではそう数が多くない冬鳥である。飛ぶ影を双眼
鏡で追うと、200メートルほど離れた畑に下りた模様。車で近寄ってみる。ヒバリは草むらに体を隠すよう
にして、さかんに餌を取っている。近づきすぎたのか、4羽が一斉に飛び立った。しばらく待っていると、1
羽が近くの盛り土の上に舞い降りた。あわててデジスコをセットする。先に上京した際にデジカメとアダプ
ターを購入したのだ。記念すべきデジスコの最初の一枚はヒバリであった。
▲従来のデジタルビデオの映像。近いといってもせいぜいこれくらい。
▲デジスコだとこうなる。羽毛の一枚一枚までわかって嬉しい。
12月28日(土)〜29日(日) 名瀬市古見方
小鳥類が多いのでバンディングには最適と考え、年の瀬の土日に古見方の大川河口でバンディングを
行った。案の定、28日には8種49羽、29日(日)は6種45羽、合計で9種94羽もの小鳥類に足環をつける
ことができた。
▲28日に捕まえたコホオアカの頭部。