重星の見え方の比較

 βOri  FS102とバイザックの比較

オリオン座の重星リゲルです。FS102では回折リングがきれいに取り巻いて伴星はすぐ
に確認できました。
バイザックではスケッチのとおり主星は毬栗状で光の十字線が出ます。伴星は確認でき
ますが、もう少し近くにあると確認できないでしょう。
10cmの分解能以上の近接不等光重星はFS102のほうが確認しやすいです。


 145Cma  FS102とバイザックの比較

おおいぬ座の有名な重星145番星です。FS102は黄色に水色で透明感のあるすがすが
しい感じで、バイザックはオレンジにブルーでこってりと色がのっている感じです。
前者が水彩画、後者が油絵でしょうか。いずれも素晴らしい見え方です。

 αGem FS102によるシーイングの影響


ふたご座の有名な重星カストルです。シーイングの良いときと悪いときの比較をFS102
のスケッチで示しました。
良いときは回折リングが綺麗に取り巻いて見えますが、悪いときは右のスケッチのように
10cmの屈折でもリングは全く分からず、いがぐり状に見えます。
αGemに限らず冬場は右のように見えることが多いです。重星も惑星と同じようにシーイン
グのいい日に見るともっと感動するはずです。

 αSco  FS102によるアポダイジングスクリーンの効果



アンタレスによるアポダイジングスクリーンの効果を示しました。
右側のアポダイジングスクリーンなしでは回折リングがギラギラして、アンタレス本体の
輝きによる光芒も広がって、伴星をやっと確認できる状態です。
左側のアポダイジングスクリーンを使用すると光芒が消えコントラストが上がり、回折
リングは逆にうすくなって伴星が浮き上がってきます。
当地はアンタレスの南中高度が高いので、伴星はほんんど確認できます。アポダイジン
グスクリーンを使用すると一層確認しやすくなります。
アポダイジングスクリーンを眉唾ものと思っているかたも多いようですが、鏡筒と網の種
類、組合せを選べば効果が現れると思います。