ウイルスを出さないエビの養殖

Germ-and-Viral-Infection-free Shrimp Culture

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(有)笠利殖産     
 代表取締役 又野 芳樹

 幣社はミネラルや微生物、酵素を用いて土壌改良や湖沼の水質改善に実績のある()エスエヌイー総合研究所(以下SNE)と共に、魚介類の養殖につきものの病気やウイルスの感染や発症を防いで、健全な魚介類を養殖する方法を開発したので簡単に紹介します。
 この方法は総ての魚介類の養殖に適用できますが、特に囲った池の中で飼育する鯉、鰻、鮎、ヒラメ、エビの養殖に適しています。
 ハマチやタイ等の開放された場所での養殖方法でもS-M(商品名、後述)を飼料に添加して給餌すると栄養素の吸収が良くなる為に、より病気の予防に相当な効果を挙げることが出来る上、成長促進や肉質の向上に効果があり、特に肉の臭みが抜けます。
 クルマエビは勿論、 東南アジアや中南米で養殖されるブラックタイガー(BT)やバナメイを始めとするすべてのエビ養殖につきものの病気やウィルス対策に有効です。
また、ウナギ養殖においてもこの方法を用いると、清浄な環境下での養殖ができるため、”サシミ”で食べられるウナギができます。
当社は、2005年7月〜12月にかけてインドネシア国営の水産試験場では最上位に位置するCenter for Brackish water Aquaculture Development(CBAD)においてBTの養殖テストを行い、悪条件下でウイルスを制御できることを証明し、同試験場から推薦状を頂く事が出来ました。
それにより、今後インドネシアのバナメイやBTの養殖にこの方式が普及する事になると思います。
 尚、当社は使用方法を担当しましたが、ミネラルの原理や有機化合物等の名称の用法については正確を欠きますので、御質問等がありましたら、開発者であるSNEの理学博士岩附直よりご説明申しあげます。


今、人間界を含めて世界中の生物界で異変が報じられ、その陰で化学物質の影響が言われています。
 私共は未だ科学的には証明されていないが、クルマエビやブラックタイガー等のエビ類についても、何らかの化学物質が直接、間接的にエビそのものに、或いはエビを取りまく生態系や環境(エビにとっては海水)に影響を与え、体質の弱いエビになったり、ウイルスや病気が発生しやすい環境になっているのではないかと推測し、環境を改善すればウイルスや病気の問題も解決すると想定しました。
 環境(海水)を改善する方法として、水にミネラル(100種類以上あるといわれる微量元素を総称する。ここではイオン化されたミネラルをいう)を入れると、水の分子集団が小さくなり、水中に溶け込んでいる物質が放出される性質を利用し、養殖水中のミネラルの濃度を高めて化学物質や過剰な有機物を放出・分離させる事により、水を浄化して、ウイルスの宿主とする病原性微生物の繁殖を防ぎ、その水を長期間換えないでエビを飼育する方法を開発しました。

更にインドネシアの経験として直接ビブリヲ菌を、或いはビブリヲ菌を発生させる栄養物を分解する微生物を集めたバイオRを付け加えました。
 ウイルスに直接対処(殺す)する方法だと、ウイルスは変異し、従来より更に強いウィルスが出来る事態を招くのに比べ、この方法はウイルスの宿主を無くす結果としてウィルスもいなくなると云う間接的な方法なのでウィルスを刺激せず、変異等を招かないので優れた方法と云えます。
 使用するミネラルは()SNE総合研究所の開発した手法(PP)による植物酵素を媒体として鉱石よりイオン状態で抽出したミネラルイオン類(以下単にミネラル)を使用します。
 通常、鉱石よりミネラを抽出するときは媒体に硫酸や塩酸、硝酸といった化学物質を使用する為、抽出されたミネラルにはそれらの成分が残り、それらが生物の生体に悪影響を与える為実用的ではありませんでした。
 (有)SNEの方法により抽出されたミネラルがこの問題を解決したのです。

原理
 ミネラルを水に入れると水の分子集団は小さくなり、水に溶け込んでいる化学物質(農薬も含む)、汚染物質(有機物、有機化合物も含む)は水より分離、放出されるので水は純化される。
 放出された化学物質、汚染物質は更にミネラルにより分子分解されて無害な物になる。
 水中に汚染物質が無くなるとそれを基(餌として)に繁殖する病原性の微生物は短時間で死滅する。
 病原性の微生物が死滅すると、病原性の微生物に寄生してしか生きられないウイルスも死滅する(表1参照)
 化学物質も分子分解され無害な物になるのでこれらの影響も無くなる。
 更にミネラルを飼料に添加して給餌する事により体質の強いエビに育つ。更には直接ビブリオ菌をえさとする微生物も加えてこの方式を強力な物としました
 この様にして抗生物質や薬品も使用せずに、病気やウイルスに左右されること無く健全な養殖が行えます。

表 1(S−P実施後のウイルス検査(海水中の微生物に寄生する)−検査方法PCR法                               飼料メーカーによる(著作権ありで会社名は非表示)

経過時間     第一ステップ    第ニステップ                                               
  24時間     陽 性
()      陽 性()                                              
  72時間     陰 性
()      陰 性()                                              
 128時間     陰 性
()      陰 性()                                              
 168時間     陰 性
()      陰 性()

ミネラルの種類、効能

この方式に使用するミネラル、微生物の形状や種類は次の5種類です。

スーパーP(以下S-P)

(液体) 酵素を媒体として抽出したもの 注水前の池に散布して消毒、殺菌 注水後は水中の不純物を放出させ水を浄化する 有効期間は約50日。

メルシー2(以下ペレット)

(径2〜5mmの粒状) 
水より放出された汚染物質を分子分解して無害な物にし、更に再結合しないように吸着する 池底の浄化 有効期間は約50日。

 

スーパーM(以下S-M)

液体) 飼料に添加して直接エビに与える。栄養素をイオン化して吸収されやすくする。エビの健康維持。 糞がヘドロ化し難い

 

バイオ-

(液体)

ビブリオ菌を始めとする悪性の菌を食す。 
半永久的

ロスピー

(個体)

底泥中の有機物を分解し藻類の発生を防ぎ硫化水素の発生を押さえる。
有効期間2年間

 

スーパーシリーズの使用方法

予防的に使用することを第一とします。
 使用手順は、池掃除後にS-Pを散布して消毒、殺菌を行う、 ペレットを散布する ロスピーを置く  注水する 稚エビ池入れ バイオ-R散布 P35位よりS-Mを餌に添加、後は従来どおりの作業です。
 種々の使い方が出来ますので現場の状況に合わせて使いこなしコストを下げる様にして下さい。


微生物(バイオR)の利用
工場からの排水、いわゆる化合物も(有)SNEのミネラルによって分子分解され有機化合物による弊害は軽減されます。
しかし、分子分解しても元素としての硫酸や硫黄は残留し、これから環境を汚し、養殖を困難にしている例も見られます。
我々はこの問題を微生物を用いて解決し、同時に直接ビブリオ菌等を分解するようにしています。


以上、ざっと記しましたが、この養殖方式は、今世界中で環境破壊の元凶のように言われている東南アジア、中南米のブラックタイガー、ホワイトシュリンプ等の養殖に使用すると、環境問題は一挙に解決します。
 この養殖方式では病気やウイルスが発症し難いため、池を永久に使うことが出来るので、新たにマングローブ林を破壊して新しい池を作る必要がなく、又,排水で周辺を汚染する危険もありません。

 更に付け加えると、冷凍食材として流通保存されるブラックタイガー等は、出荷の際に、見栄えを良くしたり品質保持のため、次亜塩素酸ソーダを始め、黒変防止材、酸化防止剤、保水剤、更には食感を出すための重合リン酸塩とかの化学薬品が一般的に使用されています。
 この事は消費者に良くないことは当然ですが、エビの処理工場で働く人たちにも悪影響を与える恐れがあります。
 この問題もSNEの開発した一連のミネラル商品の1つであるS-Tを使用する事により、これらの薬品類を全く使用せずに処理できるのですべて解決します。この様に天然ミネラルを使用すると、艀化から育成、収穫、梱包して商品になるまでの一連の作業工程の中で、一度も抗生物質や化学薬品を使用せずに済みます。

 日本はアメリカと並ぶエビの大輸入消費国であるので、消費者の立場として、食材としての安全性の次は、環境にも配慮のある商品を追求すべきであると考えます。
 特に、より安全な食材を求め、ブランドの確立を望む大手スーパー、コープ及び輸入販売会社には最適の養殖方法による商品になり、当社としてもこの方式で育てられたエビの銘柄を確立し差別化を図りたいと計画しています。

 このミネラルを使った水の浄化方法は、魚介類の流通過程における蓄養にも使えます。
エビ、カニ、魚類を活きで出荷する際に一時畜養する水槽は、濾過設備を備えてはいても、水の汚れは激しく頻繁に水を取り替える必要があります。
これにもS-Pとペレットを入れて置くと水の使用期間は5〜6倍に伸びるので水の交換の手間の手間と経費の大幅な節減になります。
更に効果を上げるためには、出荷元(輸出元)の水槽にS-Pとペレットを使用すると効果は更に高まります。
活魚介類の畜養、輸送、及び歩留まりや濾過槽に悩む人は是非お試し下さい。

 又、ここ数年は生態系の変化でしようかウィルス同様にビブリオ菌の発生が著しい。
SNEはこれに対しても飼育水中に添加してビブリオ菌を制御する「BIO-V」を開発し、さらに効果を確実にする為に飼料に添加して直接エビに投与し約10日間で完治する方法も開発済みです。
何れもミネラルや微生物を利用したもので、抗生物質や薬品でない事は言うまでもありません。

  また海ブドウ養殖にミネラルを使うと良い結果が出ています。現在は未だ確定した用方は模索中ですが、判明している事は養殖水中の 「よこえび」の発生が極めて少ないので出荷作業が楽になること、海ブドウの味が『まろやか』に成り美味しくなることは確実です。

海 外 で の 経 験                                                    インドネシア

PPU(地方の小さな水産試験場)

面積1000㎡ 水深1m ㎡当たり100尾池入れ

池入れ後42日目に5g、49日に6,1g56日目に7g、77日13cmまで順調に育ったがこの日朝起きてみたら全滅。

試験場の見解はウイルスによるとのこと

当方の見解は酸欠、 歩留まりが80%以上で順調に餌を伸ばして来て㎡当たり1㎏を超えたようでもあり成長も鈍化気味だったので水車1(HP不明)酸欠と判断した。斃死後5日目に冷凍保存されていたエビ2kgを見たが、ウイルス特有の白点は皆無で、加熱後10尾に1尾の割合で尾部付近にわずかに白点が確認された程度で味も悪くなかった。

この後、ここの場長の推薦でCBAD(インドネシア最大の試験場)3ヶ月間に渡り実施。

この時はウイルス反応のあった稚エビP25を使用したが、これでも98日間はウイルは発症しなかった。問題は試験場の担当者が、それまで稚エビを池入れしても、直ちに半分は斃死するので、最初から餌の量を半減していた事。

この為、通常与える餌の31%の量しか与えておらず、あまりにも成長が遅いので確認して解ったが、後の祭りで餌を増やしたが戻らなかった。成長のバラツキが酷く97日目の重量は平均8gであった。

それでも再度の養殖の要請があったが諸々の事由により断ったが、推薦状は戴いた。

この後インドネシアの商社の手配で4か所でテストを行い、結果は以下の通り。

場 所     面積    尾数/㎡   養殖日数  重量・尾   歩留   ㎡/重量

Bengkulu    3000㎡   140尾    126日   17,9g   62,5%   1,6㎏

Situbondo  70日前後にBiblio()に感染して中止

Blitar      6,000㎡ 100尾    156日     23g   75%    1,7kg

Banyuwangi 1000㎡  200尾    154日     23g   85%    4,0㎏ 

ベトナムでの例

メコン川下流域のMo−O地区 22ha、44池で実施。

60日目で各池歩留まり平均70%、体重13gとなったので取り上げに掛かったが、現地人の担当者が収穫設備が壊れてるとか、人員が揃わないとかで、結局20日遅れで収穫した時は、歩留まりは3%から15%、体重は15gで、池は死骸一つ見当たらず、池底も大変きれいでした。

歩止まり減少の原因は盗難。ベトナムに進出している商社などに後から聞いた所、此方の警備員も置かずに仕事したら盗難は当たり前で、特に我々の様に管理を向こうに任せたのは、盗って下さいも同然との事と教えられ、これも海外でのノウハウの一つと学びました。

以上、どの池でも100日近くはウイルスが発症させずに済みました。

東南アジアでエビ養殖されている方、また計画されている方、当社のミネラルを使っての養殖法を御検討下さい。   現地へ出向き直接指導致します

エビ養殖はミリオンビジネスと言われており、病気の為エビ生産量が半減し、価格が2倍近くに高騰している今、エビ養殖への参入は大きなビジネスチャンスです。

但し、病気やウイルスの対策無しに参入するのは無謀です。

又ミネラルの販売代理店も募集しています。

お問い合わせ 

開発 製造元
(有)SNE総合研究所
代表取締役 岩附 礼人
431-3102
静岡県浜松市東区豊西町883
   TEL 053-431-5915
   FAX 053-435-6588
  

販売代理店
(有)笠利殖産
代表取締役 又野 芳樹 k-san@po.synapse.ne.jp
894-0405
鹿児島県奄美市笠利町手花部353-1
 (連絡先)  TEL 0977-756001
       FAX 0977-75-6001