[写真・詩集]
残照の文化
越間 誠・藤井 令一 共著

残照の文化・表紙

藤井令一・あとがきより
この写真・詩集「残照の文化」は、名瀬市在住の民俗写真家の越間誠さんが、1965年(昭和四十年代)
から1985年(昭和五十年代)にかけて、いずれはなくなり見られなくなると思える日本の南島である奄
美諸島の、古くからの習俗文化を真摯に写し撮った膨大なモノクロ写真の中から、越間さんの承諾を
得て私が選びだし、その四十点に詩(ソネット=十四行詩)をそえたものです。越間さんの写真のすばら
しさに、詩が邪魔ではないかと気掛かりでもあります。(中略)
越間さんの写真と組み合わせた詩は、平成四年南日本文学賞を受けた詩集「巫島狂奏曲」にも、十篇
ほど使わせてもらっていますが、今回は余り冗舌にならない様にと、四十篇全部をソネットで統一しまし
た。そこが、この詩集の特異性ですし、四年かけて書き抜くことが出来たことに、そして、出版できた事に
安堵しています。(後略)
 
解説 奄美の風物、薄れゆく情景。
越間誠のモノクローム写真に、藤井令一がソネットを添えて叙情する40編
失われた奄美固有の民俗文化が再現されて、はてしなく、限りなく、声無き声で語りか
けてくる・・・。
発行 南海日日新聞社(1998年8月刊)
頁数 89P
価格 1.575円(税込)