|
発行日 2003年6月30日
《首都圏に住む20〜50代の男性の毛髪意識調査》
|
「髪の毛が薄くなることが心配ですか?」 年代問わず、6割の男性が「薄くなること」を心配している 心配する理由も、しない理由もキーワードは「遺伝」
|
遺伝子レベルで発毛のメカニズムを解明、 新世代育毛剤に向け一歩前進
《PART1》調査結果の紹介………1ページ
ライオン(株)では、2003年4月に、首都圏に住む20代から50代の男性203名を対象に、「毛髪の悩み」について意識調査を行いました。その結果、男性は年代に関係なく6割が、自分の毛髪が「将来薄くなるのではないか」と心配していることがわかりました。
![]() |
男性は各年代共通して6割が「頭髪が薄くなること」を心配している。 |
![]() |
「親を見て」心配する20代、「鏡を見て」心配する40〜50代 |
![]() |
毛髪が薄くなる原因、トップ3は「家系や遺伝」、「ストレス」、「不規則な生活」 |
![]() |
薄毛予防は「洗髪で清潔に」、年代が進むと増加する「育毛剤の使用」 《育毛剤に期待すること》 |
![]() |
「心配ない」その理由、ここでもトップは「家系や遺伝」 |
調査対象のプロフィール : 首都圏に住む男性サラリーマン203名(20代54名、30代60名、40代56名、50代33名)
|
《PART2》遺伝子解析技術を取り入れた世界初の発見………5ページ
最近の生命科学の進歩で、遺伝子レベルの解析が進むなか、ライオンでは徳島大学医学部皮膚科と共同研究で、発毛関連の遺伝子解析に取り組み、世界で初めて遺伝子レベルでの発毛メカニズムを解明しました。研究に携わったライオン(株)生物科学センターの吉野輝彦・主任研究員が研究の成果を解説します。
![]() |
世界初!! 発毛に関係深い遺伝子発現を発見 |
![]() |
遺伝子の働きを活性化する(発毛促進シグナルを増幅する)発毛促進成分:6−ベンジルアミノプリン |
![]() |
脱毛を防ぐ(脱毛シグナルを遮断する)効果もあった発毛促進成分:6−ベンジルアミノプリン |
![]() |
遺伝だからと発毛をあきらめない時代に | |
 |
|
《首都圏に住む20〜50代の男性の毛髪意識調査》
髪の毛が薄くなることが心配ですか |
男性は各年代共通して6割が「頭髪が薄くなること」を心配している。
20代、30代、40代、50代と各年代の男性に「自分の髪の毛が薄くなることを心配しているか」を聞いてみました。結果は、下のグラフのように、「心配している」と回答した人の合計は20代でも59%で、その他の年代では60%を超えていました。全年代の平均で63%の人が「薄毛になること」を心配していることがわかりました。

| 髪の毛が薄くなることを心配している人に聞いた「理由」と「原因」 |
「親を見て」心配する20代、「鏡を見て」心配する40〜50代
20代の63%の人が心配する原因のトップに「父・祖父が薄いので心配」をあげており、自分の将来像を父親や祖父に重ね合わせていることがわかりました。
一方、40〜50代になると「髪の毛が薄くなったのが自分でわかる」がトップで40代41%、50代48%でした。50代が2番目にあげたのは「髪が薄くなったと他人に指摘される」で29%。いよいよ髪の毛が薄くなったのを実感しているようです。 |
 |
 |
|
毛髪が薄くなる原因、トップ3は「家系や遺伝」、「ストレス」、「不規則な生活」
| 「髪の毛が薄くなる」原因について聞いてみたところ、20代、40代、50代で「家系または遺伝」をトップに上げていました。30代の場合は「ストレスが多い」がトップで、働き盛りにかかる仕事の重圧が感じられます。この2つに「不規則な生活」を加えた3つが、髪の毛が薄くなる3大理由としてあげられていることは各年代で共通でした。 |
 |
| 髪の毛が薄くなることを心配している人に聞いた「薄毛予防のためにしていること」 |
薄毛予防は「洗髪で清潔に」、年代が進むと増加する「育毛剤の使用」
薄毛予防には清潔が第一。「まめに洗髪して清潔に保つ」が20代を除く各年代でトップでした。20代のトップは「特に何もしていない」(45%)で、薄毛になることは気になるのに、実際にはまだ具体的な予防対策をとっていないようです。 「育毛剤などを使う」割合は、年代が進むにつれて増加し、50代では薄毛が気になる人の38%が「使用している」、または「使用した経験がある」と答えています。 |
 |
 |
|
「心配ない」その理由、ここでもトップは「家系や遺伝」
「髪の毛が薄くなるか心配ですか」の問いに、「心配ない」と回答した人は各年代で30%前後でした。 では、「心配ない」将来も薄毛にならないと思っている人は、何を根拠にそう考えているのでしょうか。各年代をまとめた結果では、ここでも、髪の毛が薄くなることを気にしている人と同じ「家系または遺伝だから」が44%と、トップでした。 次いで「常に清潔を心がける」(15%)、「ストレスを早めに解消」(8%)、「まめに洗髪」(8%)が続いています。
育毛剤を使っている人が期待している効果は、「抜け毛を減らすこと」と、「細毛でもいいから毛が増えること」の2つがトップで、それぞれ27%でした。 3位には「髪が薄くなることを止めること」の20%、4番目には「髪が薄くなることを遅らせる」の17%が続いています。
|
| 育毛剤に期待すること |
育毛剤を使っている人が期待している効果は、「抜け毛を減らすこと」と、「細毛でもいいから毛が増えること」の2つがトップで、それぞれ27%でした。 3位には「髪が薄くなることを止めること」の20%、4番目には「髪が薄くなることを遅らせる」の17%が続いています。
|
 |
|
遺伝子解析技術を取り入れた世界初の発見
遺伝子レベルで発毛のメカニズムを解明 新世代育毛剤に向け一歩前進
ライオン株式会社 生物科学センター 主任研究員 吉野輝彦 |
 |
ライオン株式会社では、徳島大学医学部皮膚科と共同研究で、発毛メカニズムの解明に遺伝子解析技術を導入して、発毛に深く関係している遺伝子を世界で初めて突き止め、去る6月18日〜20日に名古屋で開催された「第26回日本基礎老化学会」で発表しました。ヒトゲノムの解読が終わり新たな遺伝子科学が注目される中で、新世代の育毛という視点から、遺伝子の働きに着目したものです。研究成果について、ライオン株式会社・生物科学センターの吉野輝彦主任研究員に話を聞きました。
世界初!! 発毛に関係深い遺伝子の発現を発見
|
今回、遺伝子解析の手法を使って、世界で初めて発毛・脱毛の原因を解明されたわけですが、そのきっかけは何だったのでしょうか。 |
| 吉野 |
髪の毛がある人と男性型脱毛が進んだ人の違いについて、いままでは毛乳頭細胞の働きが活発か、毛周期(ヘアサイクル)が円滑か、などで説明されてきています。しかし、それだけでは十分に発毛を促すための解決策が見つかっていません。一方では脱毛を促す遺伝子というのは既に知られていました。そこで、私たちは徳島大学と共同研究で、毛乳頭細胞から出る指令を活発にしたり、毛周期(ヘアサイクル)を正常な状態にコントロールする遺伝子の発見に挑戦したのです。 |
|
 |
| |
|
発毛に関係ある遺伝子を突き止めた方法は? |
| 吉野 |
先ほどご説明したように、髪の毛は毛乳頭細胞の指令ですべてが始まります。そこでまず、髪の毛がある人と男性型脱毛が進んだ人の毛乳頭細胞を培養して、その中の遺伝子がどう違っているのかをチェックすることにしました。培養した細胞から遺伝子を抽出し、これを「DNAアレイ解析装置」(写真前ページ)で解析します。 結果はコンピュータのディスプレー上に点の濃淡で表されます。 濃いスポットは遺伝子の働きが強いことを、薄いスポットは遺伝子の働きが弱いことを示しています(写真下)。その結果、世界で初めて、髪の毛がある人と、男性型脱毛が進んだ人の遺伝子には、大きな違いがあることが発見されました。 | |
 |
|
|
|
|
世界で初めて発見した、発毛に関係の深い遺伝子とはどんなものですか。 |
| 吉野 |
私たちがチェックした遺伝子は、髪の毛のある人と男性型脱毛が進んだ人の毛乳頭細胞から取り出したサンプルで、細胞分裂や増殖因子など様々な1,185種類の遺伝子を対象にしています。
| 毛乳頭細胞の遺伝子活性の違い |
|
|
正常部 |
脱毛部 |
|
bcl |
+
|
+
|
|
BMP
|
++
|
+
|
|
NT-4
|
+
|
++
|
|
エフリン
|
++
|
+
| 結果は、そのうちの約10%にあたる106種類の遺伝子の働きに違いがあることを突き止めました。その中でも髪の毛のある人に比べて、男性型脱毛が進んだ人の場合、「BMP」と「エフリン」というたんぱく質をつくる遺伝子の働きが特に弱く、「BMP」は通常の100分の4、「エフリン」は100分の1に低下していることを突き止めたのです。 ちなみに「BMP」は骨形成を促すたんぱく質、「エフリン」は血管を作ることを促すたんぱく質として知られていますが、これらを毛母細胞のモデル培養系に添加すると、細胞の増殖が促進されたことから、両方のたんぱく質がともに毛母細胞の増殖を促進すると考えました。このように、発毛に深くかかわっている遺伝子の発見は世界で初めての知見です。 | |
遺伝子の働きを活性化(発毛促進シグナルを増幅)する発毛促進成分:6-ベンジルアミノプリン
|
すると、発毛を促すたんぱく質である「BMP」をつくる遺伝子と、「エフリン」をつくる遺伝子が元気になれば髪の毛が生えるということでしょうか。 |
| 吉野 |
発毛の新しいアプローチの1つのとして、当然考えられることです。
| 毛乳頭細胞への6-ベンジルアミノプリンの作用 |
|
|
6−ベンジルアミノプリン あり |
6−ベンジルアミノプリン なし |
|
BMP |
++ |
+ |
|
エフリン |
++ |
+ | ライオンではこの遺伝子解析の結果を踏まえて、複数の物質について、「BMP」と「エフリン」をつくる遺伝子の活性化を調べてみました。 その結果、植物成長促進物質で発毛促進成分でもある「6-ベンジルアミノプリン」を加えると、脱毛部で低下していた「BMP」、「エフリン」をつくる遺伝子の働きが活発になり、毛髪の成分であるケラチンの合成が促進され、細胞が盛んに増殖されることを確認しました。
|
脱毛を防ぐ(脱毛シグナルを遮断する) 発毛促進成分:6-ベンジルアミノプリン
|
発毛も大事なのですが、薄毛に悩んでいる人にとって、脱毛を予防することも大きな問題だと思うのですが。 |
| 吉野 |
そうですね。せっかく髪の毛が生えてきても、一方で抜け毛がなくならないと、全体的には髪の毛は増えません。育毛剤をお使いいただいている方が初期に期待する効果として「抜け毛を減らしたい」は、上位を占めています。
| 毛母細胞への6-ベンジルアミノプリンの作用 |
|
|
6−ベンジルアミノプリン なし |
6−ベンジルアミノプリン あり |
|
bcl |
+ |
++ | 脱毛は男性ホルモンの中の「TGF-β」や「NT−4」などの遺伝子の脱毛シグナルで起こるといわれています。一方では、毛母細胞の中には、この脱毛シグナルが働かないように抑制する「bcl」というたんぱく質をつくる遺伝子があることは前から知られていました。 発毛促進成分として「BMP」や「エフリン」をつくる遺伝子を活性化する「6-ベンジルアミノプリン」は、この「bcl」をつくる遺伝子にも働きかけて活性化し、「TGF-β」や「NT−4」が出す脱毛シグナルをシャットアウトするのに効果的であることもわかりました。 発毛と同時に、抜け毛を減らすことで、よりいっそうの発毛促進効果が期待できるわけです。 |
遺伝だからと発毛をあきらめない時代に
|
調査結果によれば、男性の6割が「自分の髪の毛が薄くなるのでは」と心配しています。その原因として遺伝をトップに上げていますが、本当に薄毛は遺伝するのでしょうか。 |
| 吉野 |
大変難しい質問ですが、一般的には「脱毛は遺伝する」と考えている方が多いようです。実際に今回の調査結果でも、髪の毛が薄い人も「脱毛の原因は遺伝」と答え、髪の毛が薄くない人もその理由に「遺伝だから」と回答しています。 |
|
遺伝だからと薄毛を心配している人にとって、発毛促進、脱毛予防の両方に効果的な「6-ベンジルアミノプリン」は力強い味方ということですね。 |
| 吉野 |
その通りです。発毛促進成分「6-ベンジルアミノプリン」は、一方で発毛促進シグナルを高めて発毛を促し、もう一方では脱毛シグナルをシャットアウトして脱毛を減らす働きをしています。遺伝と脱毛を関連付けて心配されている方も多いようですが、発毛・脱毛は、遺伝子の働きの強弱で起こることは今までご説明してきたとおりです。 発毛促進成分「6-ベンジルアミノプリン」は、遺伝子レベルまで遡って見つけた発毛促進成分ですから、いままで遺伝だからとあきらめていた人にとっても、大いに発毛促進効果を期待できるものと考えています |
|
ライオンでは、今まで発毛促進成分として「ペンタデカン酸グリセリド」を使ってきました。 発毛促進成分「6-ベンジルアミノプリン」との関係はどうなるのでしょうか。 |
| 吉野 |
「6-ベンジルアミノプリン」は、発毛を促進する遺伝子の働きを高める、すなわち「発毛促進シグナルを増幅する」という、遺伝子レベルでの発毛環境を整える物質です。一方、「ペンタデカン酸グリセリド」は、毛根のエネルギー代謝を高める、すなわち「発毛エネルギーを供給する」ことで発毛を促進します。この両者は、同じ発毛促進成分でもメカニズムが異なっていて、互いに補完し合って効果を高めあうと考えています。これらの知見を応用することで、今後は今までにない高い発毛促進効果を持つ育毛剤の開発に取り組んでいこうと思います |
とても希望が湧いてきました。ありがとうございました。

|