つわりについて

つわりの症状

 生理が遅れていることに気づいて,私は妊娠したかな?…と思った頃になると,妊娠した初期の症状である「つわり」が出てくる人がいます.これは妊娠した方すべてにみられる症状ではなく,約半数ぐらいの方に認められます.その症状は,食欲不振(食欲がなくなること),悪心(気持ちが悪く,ムカムカと吐き気がすること),嘔吐(食べたものやつば,胃液などを吐いてしまうこと)が主なものですが,人によっては頭が重たく感じる頭重感,何となく1日中眠くて仕方がない眠気がありボーッとしたような感じになる,生つばがとてもよく出る,よだれが止まらなく気持ちが悪くなりつばをいつも出しているようになる…などという症状もみられます.これらのつわりの症状は妊娠5週ぐらいから始まり,妊娠6週という時期が一番強く,だんだんと良くなって,妊娠12〜14週になるとほとんどの方が治ってしまいます.

 しかし,なかにはこのつわりの症状がひどく,一日中吐き気があり,実際に嘔吐を繰り返し,何も食べられない,あるいは水の臭いがダメで水すら飲めなくなってしまうと身体中の水分がなくなり,血液中の電解質がバランスを失ってくるので脱水状態となってしまいます.こうなると単に「つわり」などと言っておられず「重症妊娠悪阻」という立派な病気ですので,病院へ入院して治療を受けて下さい.おもな治療は点滴です.口から入らない分を点滴で水分,糖分,電解質を補います.

つわりを軽くする方法

 昔から「つわりがひどくなったら実家に帰れ」という言葉があり,実家に帰って何もせず,ゆっくり,のんびりするのが一つの方法です.精神的なことや環境の違いによるものと思われますがとてもよく効く方法で,第一にやってみて下さい.

 次に,昔から「つわりがひどくなったら冷や飯を食え」という言葉があり(本当かな?),何でも冷たくして食べるという事です.気持ちが悪い時に味噌汁の湯気をかいだり,炊き立てのご飯の湯気をかいだりした時,一層気持ちが悪くなります.ですから,つわりの症状が出てきたら,湯気をかがないことが第二のつわり対策なのです.そのために自分で料理を作らないことです.実家に帰って料理は作ってもらい,ご飯も,おかずもすべて一度は冷蔵庫へ入れて冷たくして食べましょう.冷たいとにおいはなくなるので食べやすくなります.

 もう一つ,お腹が空くと気持ちが悪くなると言われる方がいらっしゃいます.特に朝,目が覚めた時が一番気持ちが悪く,吐き気がしたり,吐いてしまうことが多いものです.胃の中が空っぽになると気持ちが悪くなるのです.対策は,少しずつ短い間隔で何か食べていて,いつも胃の中に何か少し食物が入っている状態にしておけばよいのです.夜中も枕元にお菓子やビスケットを置いたり冷蔵庫におにぎりを用意して,ちょこちょこ食べることにより朝の吐き気はなくなり,気分はずっとよくなることでしょう.

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