インフルエンザ治療薬タミフル,投与児の2割に耐性

 インフルエンザ治療薬として広く使われているリン酸オセルタミビル(商品名タミフル)の投与を受けた子供の約2割で,ウイルスが耐性を示すようになり,同薬が効きにくくなることを東大医科学研究所の河岡義裕教授らが突き止め,28日付の英医学誌ランセットに発表した.従来のデータに比べ,耐性が高い割合でできることを示す結果という.

 河岡教授らは2002年と2003年に同薬で治療を受けた生後2ヶ月から14歳までの50人を調査した.18%に当たる9人から,同薬が作用する部位の遺伝子に変異が起きたインフルエンザウイルスを分離.これらのウイルスは,同薬に対する耐性を獲得していることがわかった.

 今年4月の日本感染症学会で同教授らは,薬30%の子供から耐性ウイルスを検出したと報告した.今回,調査対象を増やした結果,割合が下がった.しかし,同薬に対する耐性ウイルスができる割合は従来,子供(1〜12歳)で薬4%とされていたのに比べ,依然高い数字という.

 調査対象はインフルエンザに初めて感染した子供が多く,治るまでの期間が長かったため,耐性が出やすくなったと考えられるとしている.

(平成16年8月28日,南日本新聞より抜粋)

※タミフルと言えども,子供のインフルエンザに対しては万能ではなさそうです.やはり予防に努めることが大切のようです.

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