コンピューターの妊娠への影響について

 近年のオフィスオートメーションの普及に伴って,オフィスで働く女性が,VDT(visual display terminal)と呼ばれる,コンピューターやワープロの端末の前で仕事をする機会が非常に多くなっています.また,仕事のみならず,インターネットの普及によって家庭でパソコンに向かう人も増えており,場合によっては職場で使う人より問題になる場合も考えられます.

 VDTの医学的問題については,主に2ついわれています.

1. 一つめは,労働衛生に関係することで,妊婦さんに限らず長時間のVDT作業によって,肩凝り,筋肉痛,頭痛,不眠などの訴えが起こり,VDT症候群などと呼ばれます.画面を集中的に見続けることにより瞬きが減り,眼にも負担がかかります.1時間以上VDT作業を続けていると,そのための症状が出てきやすくなるので,間に休憩を入れたり,軽い体操をするとよいでしょう.また,1日のVDT作業量があまり長くならないように,仕事の配分を考えることも大事だと思います.

2. 二つめは,VDTと異常妊娠に関する問題です.コンピューターの本体やディスプレイが妊娠に悪影響があって,流産したり,奇形児が生まれるという話しを聞いたことがあるかもしれませんが,その後の研究により,大部分はVDT作業と妊娠の異常に関連はないだろうという結果になりました.電磁波の影響などもいわれていますが,日常生活の中で一番電磁波が強い場所は電子レンジの前らしいです.ですから気にせず寝不足にならない程度にインターネットを楽しみましょう.

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