チャイルドシート着用の義務づけ


<はじめに>

 先進国と呼ばれる諸外国では既に当然の事となっていますが,我が国でもようやく平成12年4月より6歳未満の子供に対し,チャイルドシートの着用が義務づけられることになりました.従って,自家用車で子供さんを連れてのドライブや通院,お産後病院を退院する時など,赤ちゃんをチャイルドシートに乗せていない場合は道路交通法違反となります.タクシー,バス,電車といった交通機関を利用される場合の義務づけはありません.自動車社会のアメリカのカリフォルニア州では,退院前の母親学級では夫婦を交え,チャイルドシート装着についての講義に時間をかけ,チャイルドシート無しでは赤ちゃんを退院させないほど徹底しています.その点,日本はまだまだ甘いと言えます.
 子供達の身を守るためには,法制化されていなくてもチャイルドシートは必要と考えます.これは我々の運転が下手という意味ではなく,安全運転をしていても酔っ払いやスピード違反,信号無視,居眠り運転,無免許運転といった車から追突される可能性があります.その時自分の身や子供達の身をいかに守るかということです.
 お子様がいらっしゃる方は,シャイルドシートに慣れさせる必要がありますし,これから出産予定の方はチャイルドシートを自動車へ装着する練習をしておく必要があります.

<チャイルドシートの種類>

 子どもの成長に応じ,基本的に3つのタイプに分けられます.

ベビーシート:新生児〜9ヶ月位まで.乳幼児期は首がすわっていないので,寝かせるタイプとなっています.後ろ向きに使用します.エアバックが助手席にも付いている車は,エアバックが赤ちゃんを潰してしまいますので助手席への取り付けは絶対におやめください.このタイプは使用期間が短いので,レンタルがおすすめです.
さくらベビー(鹿児島市新照院町27-24 TEL099-224-5530(代)
            七五三へイコー
フリーダイヤル0120ー753ー150
お電話承り時間/午前9:00〜午後7:00(日,祝休業)

幼児用チャイルドシート:4ヶ月位〜4才位まで.首がすわったら,腰掛ける形のチャイルドシートに移行します.前向きに座らせるタイプと,新生児でも対応できるように,後ろ向きの使用が可能なタイプもあります.

ジュニアシート:4才〜10才頃まで.座高を上げ,背の高さを補い,大人用の3点式シートベルトを使用します.お尻に敷くだけのタイプと背もたれ付きのタイプなどがあります.座布団やクッションの代用は,滑りやすくベルトの位置も不安定なのでやめましょう.

パワーベスト:これはチャイルドシートと言うよりも文字通りベストです.このベストを着せて背中のポケットに座席シートベルトを通して固定するもので,運輸大臣型式指定品です.体重9〜18kgのお子様用と15〜25kgのお子様用の2種類があります.どうしてもチャイルドシートを嫌がるお子様や他人の車(おじいちゃんの車や友人の車)に乗せる場合に便利です.
●以下の条件をすべて満たす座席にのみ使用可能です.
 ○後部座席
 ○車の進行方向に対して前向きの座席
 ○3点式シートベルトの座席
 ○エアバッグが装備されていない座席
 ○シートベルトのベルトが固くなく,バックル位置が高くない座席

パワーベストの特徴
●軽量で,小さく折りたたんで収納できます.
●他人の車やタクシー等に乗ったときもすばやく装着できます.
●車外に出るときに,着用したままでいられます.
●服という「面」で体を包むことにより,ベルトにからまる事故を防ぎます.
●生地にはコーネックスという世界最高水準の耐熱性・防炎性を持つ,丈夫な素材を使用しています.

着用例

<チャイルドシートの選び方>

 チャイルドシートは,車のシートベルトで固定するのが基本です.従って,購入前にお子様の体格に合うこと,座り心地や扱いやすさ,自分の車にしっかりと取り付けられることを確認しましょう.シートによっては車にうまく装着できない場合もあるので,自分の車に装着させてもらえるお店で購入したほうが安心です.チャイルドシートの安全基準は各国で異なりますが運輸大臣認定とJIS日本工業規格がありこれらのマークが付いていれば,一定の安全基準を満たしていることになります.値段が高いからといって安全性も高いとは限りません.

<チャイルドシートの装着場所と装着の仕方>

 助手席は事故の際に被害が大きくなる可能性が高いので,シートはできるだけ後部座席に装着します.とくに助手席エアバッグが付いている車は,開いたエアバッグで子供が死亡した例もあり注意が必要です.
 装着方法は各取り扱い説明書に従いますが,基本的には車のシートベルトでシャイルドシートをガッチリ固定します.手で動かしてみて前後左右上下にグラグラ動くようでは,ほとんど意味を成さないと思ったほうがよいです.アメリカの調査ではチャイルドシートをしていたにもかかわらず子供が死亡したケースのほとんどは,装着の仕方に誤りがあったという結果がでています.

以下にチャイルドシートの基本的な取付け方を説明いたします.
(3点固定式シートベルトの場合.)

 チャイルドシートを座席に置き,シートベルトを通してバックルで留めます.

 反対側の根本をクリップ等で仮留めします.

 シートベルトをいったんバックルから外し,ロッキングクリップで肩ベルトと腰ベルトを重ねて固定します.このとき,肩ベルトを目印のクリップより5cm程度短めにします.
(ロッキンググリップは,チャイルドシートによってはバックル側に留めた方が良いので取り扱い説明書に従ってください.)

 もう一度チャイルドシートの背の中にシートベルトを通しますが,5cm 短くしたため当然,留め金がバックルに届きません.

 あなたの全体重をかけてチャイルドシートを座席に押し込みながら留め金をバックルに留めます.

 チャイルドシートをゆすってみて,ビクともしなければ”ヨシヨシ”.
 上下,前後,左右にグラグラ動くようでは”ダメダメ””意味ナーイジャン”です.

<おわりに>

 チャイルドシートは着用すれば良いというものではなく,誤って装着したり着用すると重大な事故を引き起こす危険性があります.チャイルドシートを完璧に装着するのは,かなり難しいという認識が必要です.従って,チャイルドシートは付けたり外したりするものではなく,一度装着したら滅多なことでは取り外さないぐらいの気持ちが必要です.
 交通事故は一瞬で起きます.子供たちの身を守るのは親の義務です.”事故は瞬間,ベルトは習慣””備えあらば憂い無し”で車に乗りましょう.

もどる