分娩について

当院は自然で安全なお産,安産を心掛けています

 それぞれの施設により,分娩のスタイルや方法に若干の違いがあると思います.以下に,当院の分娩方針を紹介いたします.

 当然のことながら,自然分娩を基本としています.ただし,何もしない事が自然分娩ではありません. 分娩後の出血に備えて点滴をしたり,胎児の状態を把握するために胎児心拍モニターや陣痛計を母体のお腹に装着したりします.これらは母体や胎児の安全を考え,必要なものです.

胎児心拍モニター,陣痛計の目的

 胎児仮死のほとんどは分娩中に起こります.陣痛(子宮収縮)が胎児にとってストレスとなるからです.従って,胎児がこのストレスに耐えて元気でいるかどうかをリアルタイムでモニターするわけです.一方,分娩が順調に進行するためには適切な陣痛が必要ですので,これを陣痛計で同時にモニターします.これらのモニターは,理事長室,院長室,ナースステーション,診察室にも置いておりますので外来診療中をはじめ昼夜を問わず胎児の状態を常に監視し,胎児仮死が1分でも早期発見できるようシステムを組んでおります.理事長も院長も当院が居住地ですので,胎児仮死の際は緊急手術が出来る体制になっています.

LDRルームでの分娩

 Labor(陣痛) Delivery(分娩) Recovery(回復)の略で陣痛発来から分娩後まで一つの部屋で,家庭的雰囲気の中で過ごしていただくシステムでアメリカでは既に一般的なやり方です.従来のように陣痛室→分娩室→病室といった部屋移動がありませんので妊婦さんは楽ですし,医療機械や器材,機具なども見えませんので分娩に対する恐怖,不安を取り除き,少しでもリラックスした雰囲気の中でお産をしようというのが目的です.またLDRルームは,一見普通の個室ですのでプライバシーが完全に保て,妊婦さんが陣痛で苦しんでいるときにも家族がそばについて励ましたり腰をさすってあげたりするなどコミュニケーションをとりながらお産することを可能にしました.もちろん分娩中は,あちこちから必要な機械,器材,機具が出てくる仕組になっていますし緊急手術にも対処出来るように設計されています.

LDRルーム1

LDRルーム2

バースプラン

 バースプランとは妊婦さんがそれぞれ,どのような出産をしたいかを出産前に自分で計画することです.当院では,妊婦さんの希望に合わせた出産を行っております.

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ご家族の入室

 家庭的雰囲気というからには,ご家族の方々の分娩前後の入室は可能です.分娩に関しましては入室時間の制限はありません.

ご家族の分娩立ち合い

 ご主人の分娩の立ち合いも可能です.その際,父親学級への参加といったものは特にごさいません.立ち合い出産は,御主人だけでなく,親,兄弟,姉妹,お子さま,親友など,特に制限はありません.出産時の赤ちゃんのビデオ撮影,写真撮影も自由です.

無痛分娩

痛いお産,好きですか?
当院では,できるだけ苦痛を伴わないお産(安産)をめざしています.

当院の無痛分娩は和痛分娩(痛みを和らげる)ではありません.文字どおり無痛(痛みを無くすこと)を目標としております.もちろん個人差がありますので効きの悪い方も稀にはおられますが,目標はあくまでも痛みをゼロにすることです.痛みに対して弱い方,陣痛やお産に対する恐怖感をお持ちの方は,選択肢の一つとしてお考え下さい.無痛分娩の技術を提供いたします.

※ 当院では,麻酔科標榜医(小泉純一郎元厚生大臣認可)を取得している院長が担当いたします.院長が出張で不在でない限り,昼,夜,日曜,祝日,盆,正月,クリスマス,ゴールデンウィーク,シルバーウィークなど関係なくいつでも可能です.

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計画分娩

 ご希望がありましたら計画分娩も行っております.ただし計画分娩は,子宮の出口が出産に対して準備が出来ている(ある程度開いている,軟らかくなっている,赤ちゃんの頭が下がっている)ことが条件となります.子宮の出口が開いていない状態では無理しない方が良いです.

分娩誘発

 当院では医療事故防止のため,および自然分娩を基本としている関係上,医学的な理由が有る場合に限り陣痛促進剤を使った分娩誘発を行なっております.病院側の身勝手な都合による社会的理由(平日に産ませたいとか昼間に産ませたい.お盆やお正月,ゴールデンウィークやクリスマスを避けて生ませたい等)での分娩誘発は行なっておりません.

帝王切開手術

 しっかりとした強い陣痛があるにもかかわらず分娩が全く進行しない場合や,母児にとって経腟分娩が危険だと判断された場合(逆子や前回帝王切開)に行います.

 麻酔は基本的に全身麻酔で行いますので寝ている間に手術は終了します.手術中起きていて赤ちゃんのうぶ声を聞きたいという場合には,硬膜外麻酔による下半身麻酔で手術を行います.

病診連携・紹介・母体搬送

 当院では基本的に,リスクの無い妊婦さんを対象として診療しております.糖尿病などの合併症妊娠や重傷の妊娠性高血圧症,切迫早産などで未熟児が生まれると予測される場合や胎児に異常が認められた場合など,当院で管理出来ないと判断された場合には新生児センターのある鹿児島市立病院・鹿児島大学病院・今給黎病院と連携し,紹介いたしております.さらに緊急時の場合は救急車で母体搬送いたしております.

当院より鹿児島市立病院までの所要時間は救急車で約5分です.

赤ちゃんの聴力検査

 当院では希望者には,産まれてから退院までの間に赤ちゃんの聴力検査を行っております.生まれつきの難聴を早期発見するのが目的です.発見が遅れますと言葉を覚えることが出来ず,話すことが出来なくなります.

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