SIDS(乳幼児突然死症候群)から赤ちゃんを守るために

 SIDS(Sudden Infant Death Syndrome):乳幼児突然死症候群とは,それまで元気だった赤ちゃんが事故や窒息ではなく,眠っている間に突然死亡してしまう病気です.日本では,年間500〜600人の赤ちゃんがこの病気で亡くなっています.これは生まれてきた赤ちゃんの約2000人に1人の割合です.生後1〜4か月が最も多く,そのほとんどが1歳未満の乳児期の赤ちゃんに起きています.原因はまだよくわかっていませんが,育児環境のなかにSIDSの発生率を高める因子のあることが明らかになってきました.それらについてキャンペーンを行った欧米諸国ではSIDSの発生が減っています.

タバコをやめよう

 タバコはSIDS発生の大きな危険因子です.妊娠中の喫煙はお腹の赤ちゃんの体重が増えにくくなりますし,呼吸中枢にも明らかによくない影響を及ぼします.妊婦自身の喫煙はもちろんのこと,妊婦や赤ちゃんのそばでの喫煙はやめましょう.これは,身近な人の理解も大切ですので,日頃から喫煙者に協力を求めましょう.
※父母ともに喫煙している場合は,していない場合に比べて4.7倍ほど発生の危険性が高いです.

できるだけ母乳で育てよう

 母乳育児が赤ちゃんにとって最適であることは良く知られています.人工乳がSIDSを起こすものではありませんが,できるだけ母乳育児にトライしましょう.
※人工乳哺育の場合は母乳哺育の場合に比べて4.8倍ほど発生の危険性が高いです.

あおむけ寝で育てよう

うつぶせに寝かせたときの方がSIDSの発生率が高いということが研究者の調査からわかっています.うつぶせ寝がSIDSを起こすものではありませんが,医学上の理由でうつぶせ寝を勧められている場合以外は,赤ちゃんの顔が見えるあおむけに寝かせましょう.
※うつぶせに寝かせることは,あおむけに寝かせることに比べて3倍ほど発生の危険性が高いです.

なるべく赤ちゃんを一人にしないで

◎よく眠っているからといって長時間赤ちゃんを一人にしないようにしましょう.
◎赤ちゃんを一人にして外出しないようにしましょう.
◎なるべく赤ちゃんと同じ部屋で寝るようにしましょう.

寝かせ方に関しては次のようなことも注意しましょう.

◎寝具は固いマットを使用し,枕は使わないようにしましょう.
◎かけ布団やタオル,ひもなどが顔にかからないようにしましょう.
◎ベッドの回りにはガーゼやビニールなどを置かないようにしましょう.
◎赤ちゃんを寝かす時はいつも場所や寝具への配慮をしてください.
◎たとえば,日中の短い眠りでもソファーなどに寝かせるのはやめましょう.

なるべく赤ちゃんを一人にしないことや,寝かせ方に体する配慮は,窒息や誤飲,けが,やけど,浴槽に落ちて溺れるなどの事故を未然に防ぐことにもなります.

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