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平成13年9月


9月1日 過去4年間の8月期奄美海洋展示館取水温データ公開!

 

 海洋展示館では、飼育水用に大浜のリーフの外側(水深5m)から新鮮海水を取水しています。この取水海水温データは、1時間ごとに記録されています。

 展示館開館の98年からの1日の平均海水温の推移を比較すると、興味深いことが分かります。大規模な白化がおきた98年は、30℃前後を推移していますが、白化が確認されていない、99年、2000年は、24〜29℃で推移しています。

 今年は、8月中旬までは、98年同様、高水温で推移してきましたが、8/16からの台風11号の接近により、海水温が、30℃から28℃台へと低下していきました。

 海水温低下により、新たな白化は、回避できる見込みですが、白化してしまったサンゴ(ミドリイシ類)に褐虫藻が戻るサンゴの回復は、98年同様、あまり望めません。

 データからも分かるように、水温上昇が続く真夏のサンゴ礁にとって、波浪により深い海の冷たい海水がかき混ぜられ、表面海水温が低下する台風の接近は必要ですが、強い台風が直撃してしまうと、猛烈なうねりで、サンゴ自体が壊されてしまうこともあります。

 台風に救われたとはいえ、異常だと思われた98年のような高水温が、3年後にまた記録され、サンゴ礁の浅瀬では、98年以降に定着し、せっかく成長を始めた小さなサンゴも白化してしまいました。展示館前の大浜のサンゴ礁の内側にもかつて存在した、極彩色の繊細なサンゴ群落は、当分見ることはできないようです。



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