施術技術を伝授した者からの質問から 『頑固な肩こりと首の痛み』 1,体型、がっちりした骨太、やや肥満。丸顔、頭はやや大きい、猫背ではなく、背  筋はまっすぐ、首もまっすぐで、前傾が少ない感じ。胸囲は大きい、乳房は中等度  乳房を揉んでも痛みはない、心臓は悪くはないが、坂道を登ると息切れがす  る、肺活量は体型からすれば少ない。 2,首筋の筋肉のこり、肩の僧帽筋のこり、背中のケンビキのこり、朝起きたときの  首の痛み、背中や首筋を強く揉むと気持ちがよい。  左目の視力が落ちたので(網膜の黄斑部の変性)、そのために眼精疲労となり、目  が痛いと言っています。  このような状態ですが、どの部分を矯正施術したら良いでしょうか?』  お尋ね下さいました事を整理しますと、原因が大きく2つに分かれています。 [1] に相当する部分はさらに2つの原因に分けられますが、一連のものとして括    れるものです。  体型にあるガッチリして胸囲が大きい事は、まず非常に危険なもの(突然死の典型 的な体型)という事を頭に置いて頂きたいです。御自身、心臓の異常を訴えて、検査 結果は異常なしでありながら、診断の結果に反して短い期間内に亡くなった患者さん の体型を思い起こして頂けば上記の体型である事に思い当たられると思います。極端 な例では、昨年2月に亡くなられた歌手の藤島恒夫さんの体型について一昨年の11 月の中旬にテレビに出ていた姿から、患者さんにもうすぐ亡くなる体型と説明してい たのです。  原因は、脛腓関節のズレによるものです。脛腓関節のズレは、第2児以降の出生で あれば2〜3歳までの間に第1児がする跳躍や飛び降り行為を真似た時に起こってい ます。脛腓関節がズレた瞬間、尻餅を初めて衝くので大抵記憶しています。それ以後 は跳んだ時に尻餅を衝く事を防げなくなります。第1児の場合は、スポーツ活動によ ってズレているようです。最も最近は縄跳びによってズレが起きている事が多いと思 います。寂動正体療法の施術の際に鎖骨の矯正が完全に出来ているにも関わらず、第 1児の胸郭が第2児以下と比べて貧弱になる事と、第2児以下の肋軟骨が硬くて弾力 がない事に疑問を感じていたのでした。  脛腓関節のズレが完全に矯正出来ると、矯正した側の厚い胸が薄くなり、肋軟骨の 硬さが消え、柔軟な反応が矯正が終った瞬間に復活しているのです。また、右の脛腓 関節のズレが矯正されるとその瞬間に胃に滞留していた消化済みの食物が幽門部から 十二指腸に移動するのが観察され、胃のもたれが解消するのが分かります。  厚い胸は弾力のない突っ張った肺腔と身動き出来ない心臓の存在を示しています。 たくましい胸のスポーツマンが短命である意味が分かった時、慄然としました。  脛腓関節のズレは、自動反射で股関節の可動性を止めてしまいます。固定状態にな った股関節は歩行時の大腿骨の前上方への引き上げ動作を不可能にし、更に足首の煽 り動作も腓骨周囲の筋群の拘縮と弛緩のため不可能になります。この現象を保障する ため歩行時にはズレがある側の足を上げる時、下肢の寸法分の空間を確保するために 上体を反対側に傾ける動きをします。両足の脛腓関節ともにズレがある時は、上体を 左右に振ります。柔道選手の歩き方を見れば理解出来ると思います。  この状態になっている時、歩行の全ての段階で恥骨には繰返しねじれの力が掛かっ ています。その結果、恥骨結合部にズレが広がっていきます。恥骨結合部のズレによ って、下腹部に滞液が起きています。(滞液の成分が何であるかは不明です。)  この滞液によって腹部が膨隆していわゆる肥満の体型が起きています。滞液は内臓 全体に広がっています。さらに滞液によって内臓は膨張してその圧力は横隔膜を胸腔 に向かって押し上げる力となって肺と心臓を圧迫しています。肺活量が少ない事と動 作によって息が上がるのはこのためです。なお、恥骨にズレが起きると、その反対側 の仙腸関節にも程度の差はあれ必ずズレが起こっています。  また、恥骨のズレは子宮の腫れ(筋腫まで)や性器の腫れなどの性に関わる深刻な 問題を含んでいますが、誤解が怖いですので、慎重な対応が必要です。  最近問題になっている恥骨炎も仕組は全く同じものです。恥骨だけを触っていては 治せないのです。  信じられない事でしょうが、目が痛い原因は脛腓関節のズレによるものである可能 性が高いと思います。実は私自身、このご返事を書きはじめましたのは元日の夜から でしたが、眼球の激痛で殆ど目を開けられない状態で、目を押えながらキーを操って いました。前頭骨と頬骨の縫合のズレがありますのでその性と思って色々やりました が効果がなくて、脛腓関節の矯正をしましたら、嘘の様に痛みが消えて行きました。 前日からぽんかん園の坂を上ったり下ったりしていたのが脛腓関節の負荷になっての 痛みだった様です。 [2] の部分は、鎖骨の関節のズレが原因で起こっています。   僧帽筋の拘縮による症状でありますので、下肢部にも症状があります。大腿部の 筋群は起始部から中央部までの筋膜直下の滞液のため異常に太い事と、膝関節周囲の 筋群の終止部の近傍に痛みがある事です。各筋は滞液の量に比例して拘縮または萎縮 して中央部から終止部には強い圧迫痛があります。また、経年や重症度に比例して終 止部に偏ってカルシウムの粒子の集積を触れる事が出来ます。  この現象がある場合は、ズレのある鎖骨の側半身の血管は拘縮しています。下肢の 血行不良による疾患が典型的なものですが、実は、鎖骨のズレが矯正出来た瞬間に、 患者が視力が上がった事と視界が広がった事をすぐに気付きます。その時、小脳部に 血液が流れ始めた感覚があり、暫くすると、反対側の半身が痺れが取れていく感じが あり、手足の実在感が明瞭になる事を感激の思いを込めて表現します。本人は痺れて いる感じを、半身が自分のものでない様な、不如意感として意識しているそうです。  こうした状態が起きている時は、鎖骨の肩鎖関節が肩峰に食い込み、円錐靱帯結節 部の靱帯が拘縮しています。矯正には激痛があります。  このズレの原因は、転倒の時に手を衝いて支えた経験があるか、肩を打った経験が あり、その際に肩峰が鎖骨に強く押し付けられて鎖骨が肩峰の後方にズレてしまって いる事が推定出来ます。  矯正の間隔は、1回の矯正によって身体の変化は1週間以上経過するまで進行しま すので、少なくとも5日は空けるべきです。  矯正の回数は、症状が無くなればおしまいです。ただ、本人は完全な身体になる迄 の矯正を要求する様になります。5回を目安として下さい。 著作権者 上村 巌 1997年1月1日 許可なく複製を禁じます。