日本の名木(2) 奥十曽の江戸彼岸桜
 大口市の北東・奥十曽渓谷の山奥に自生している江戸彼岸桜は、推定樹齢約600年の、日本一の桜の巨木です。江戸彼岸桜の南限地帯に立つこの大木は、樹木学的には屋久島の縄文杉に匹敵する希少性を有するとされています。
 三月下旬から四月上旬にかけては、右写真のように、遠くの山肌の一角が薄紅色の綿毛の付いたようになるのが、渓谷の先へと延びる林道からも見ることができます。
写真:江戸彼岸桜の全景
写真:奥十曽渓谷の山道から眺める江戸彼岸桜
 原生樹に覆われた深閑の山中にあって、森の主のようにどっしりと静かに時を重ねる江戸彼岸桜は、1977年に当時の営林署職員で植物研究家の杉本正流氏によって発見されました。
 林道脇から設けられた登山道を15分ほど登った先に、桜の力強く突き出ているのが現れます。樹高28m、胸高の周囲は10.99m。左写真の下部中央に写っている人の背丈と比べると、その巨大さが良く分かります。
 ゆるやかに傾斜した地面から躯体を支えるその足元は、隆々と根上がりして、とても神秘的な様相を呈しています。根は大きく二股に分かれており、東西25m、南北23mに亘って張り巡らされています。 写真:江戸彼岸桜の根周り
写真:真下近くから見上げる江戸彼岸桜の主幹  天に向かって飛翔する竜のような幹は、表面に苔が生し蔦が這い、老木の静かな威厳をその姿に漂わせています。

 桜の季節には江戸彼岸桜の薄桃色の花が、遥か高い空の上で六百有余年目の見頃を迎えます。

 この時期には日本一の桜を一目見ようと多くの人々が訪れるため、十曽池公園から先の山道は、大口市による無料送迎バス以外は通行できないようになります。バス時刻等のお問い合わせは、大口市商工観光課(tel:0995-22-1111)まで。

(撮影:2004年3月27日)

写真:華曇りの空に咲き誇る江戸彼岸桜
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