グロッソ栽培法

・グロッソを育てるコツを私の経験上からご紹介したいと思います。私の経験則ですので、間違っている箇所があるかもしれませんので、悪しからず・・・。

<条件>

グロッソを栽培する上で大切な要素は3つあり、すなわち「光量・CO2・栄養素」です。

(1) 光量
 グロッソを育成するだけなら、それほど光量を必要としませんが、絨毯のように「横に這わせる」為には、それなりの光量を必要とします。通常、60cm規格水槽(60×30×36)で20Wを4灯欲しいですね。その際、植物育成用と銘打ってある「PG-2」は赤系統の光を主成分とし、その赤系統の光はグロッソの生息域である底部まで到達するまでに、浅い水深で多くを水に吸収されてしまい十分な光量を稼げません。ゆえに、PG-3できればPG-5を選ぶと良いです。個人的にはADAのNAランプも好きですが・・・。<追記>グロッソが水底部に育つことを考慮すれば、主に青の光を利用している可能性が大きいです。
(2) CO2
 CO2は植物が生育する上で、必要不可欠なものです。当然、水草の育成にも必要なわけですが、品種によってその絶対必要量が異なります。グロッソは必要量としては、そんなにシビアではないのですが、無添加と言うわけにはいきません。やはり、何らかの方法で強制添加する必要があります。(CO2については、「器具」コーナーをご参照下さい。)添加量が不足すると、黄化・白化する事もあります。
(3) 栄養素
 肥料の添加も必要です。水草必要な肥料は@飼育水に溶かし込む「液肥」とA底床に植え込む「肥料」があります。これらをバランス良く与えてあげる必要があります。グロッソの場合、@の液肥はさほど気にしなくて良いでしょう。問題はAの底床に植え込む「肥料」です。いわゆる「ソイル系」を用いればさほど気にする必要はありませんが、セラミック系や大磯砂などを用いる場合は、施肥する必要があります。肥料の説明書に書かれている量の「半分」位が良いのではないでしょうか。もし不足していても、あとから追肥すれば良いですからね。逆に、多すぎた場合、取り除くのは困難です。肥料も不足すると、黄化・白化する事があります。<追記>液肥を足しすぎると、底を這わずに縦に伸びることが分かりました。これはFLOWさんと掲示板でやり取りさせて頂いたときに推察したものです。以下にその折りのレスをあげておきます。※一部抜粋しております。

FLOW > 未だグロッソが寝てくれません。(ガク。)充実やさいさんのHPを見て参考にしているのですが、縦に縦に伸びてしまいます。(ロタラグリーンはやたらと寝るのですが・・・。) (2001/05/09(Wed) 20:04:33)

充実やさい > FLOWさんこんばんは。グロッソが縦に伸びるということですが、ほぼ間違いなく光量不足だと考えられます。もし、葉の色が茶色や赤色になっていれば肥料不足も考えられるのですが、葉の色が健康な緑で、かつ縦伸びするのであれば光量が不足してます。

蛍光灯は時間が経つと、目で感じる以上に光量が落ちます。蛍光灯は古くないですか?? (2001/05/09(Wed) 23:36:02)

FLOW > 光量ですか・・・。一応ライトはADAの602を2つ乗せています。使い初めて2ヶ月ぐらいなのですが。点灯時間は6時間に抑えてあります。(延長かな?)(2001/05/10(Thu) 12:32:37)

充実やさい > 60cm規格水槽に(ですよね?)20W×4=80Wですね。光量的には十分ですね。そして使用後2ヶ月ですので光量が不足ということも考えられませんね。う〜ん・・・。あとはCO2の添加量でしょうか。CO2はそれほど大量に必要というわけではないのですが、どうなんでしょう?それではCO2の添加量と起床の状態を教えていただけますか?いずれにせよこうなってくると、CO2か起床のどちらかに問題があるとしか考えられません(2001/05/10(Thu) 13:36:59)

FLOW > 充実やさいさん、ありがとうございます!がんばってグロッソ寝かせたいです!CO2は、みどぼんにて1秒2滴程度、底砂は、パワーサンド&アマゾニアにテトラクリプトを入れています、。ちなみに液肥はフローラブライト少量とメネデール数滴です。「何故なんだろう、どうしてなんだろう?」状態です。 (2001/05/10(Thu) 19:43:12)

充実やさい > Dear FLOWさん

 アマゾニアに2滴/sですか。十分の設備ですね。ここで私の想像を1つ。先だってのレスで「使い初めて2ヶ月ぐらい〜」という件がありますが、ひょっとしたら水槽をセットして2ヶ月ぐらいなのでしょうか?

 だとしたら液肥をあたえたらそりゃあ、もうすごく富養化してると考えます。(アマゾニア&パワーサンドから、かなりの養分が流出しますからね。)もともと、グロッソは茎・葉からの養分吸収が少なく、大部分を根から吸収します。ゆえに飼育水が貧養化していると多くの養分を吸収しようと数多くの根を下ろす(=横に這う)事になります。これはあくまで私の愚考ですが、少し多めに換水して、液肥の添加を控えられてはいかがでしょうか?これでだめでしたら、もう私にはわかりませーん! (2001/05/10(Thu) 23:34:34)

充実やさい > あ、少し付け加えます。「水が富養化→グロッソは頑張って根を張らなくても良い。→植物だから、光に向かって伸びる性質があるのでより光の強い方に伸びる→よって縦に伸びる。」と、こう推察しました。 (2001/05/10(Thu) 23:40:23)

FLOW > 充実やさいさん、満江さん、大変参考になりました。やっぱり、「やりすぎ、厳禁!」ですね。早速、換水したいと思います。 (2001/05/10(Thu) 23:55:13)

 

<メンテナンス>

上記の条件が満たされると、グロッソはその旺盛な成長力を見せつけてくれます。こうなってくると「トリミング」が必要となってきます。グロッソのトリミングは3通りあります。

(1) とにかくたくさん増やしたい場合・初期
 植え込んでからしばらくすると、グロッソはランナーを伸ばし横に這うように殖えていきます。このとき、その伸びたランナーをハサミで切ってやると、その切り口が成長点となり、切れば切っただけ成長・繁殖力がUPします。
(2) 見栄え良くしたい場合・中期
 しばらくの間は、グロッソの成長力を喜ぶだけの期間があります。この間は特に何もしなくて良いのですが、見栄えを考えるなら枯れかかった葉をこまめに取り除きましょう。こまめにすることで、コケの発生を抑制することができます。
(3) 殖えすぎて困った場合・終期
 次第に時間がたつと、グロッソがお互いに重なり合い分厚い絨毯のようになってきますが、こうなると下の方にある葉が光量不足、場合によっては酸欠で枯れてしまいます。こうなると、ただでさえ水流の行き渡らないグロッソの下部の水が淀んでしまい、下手をすると底床の崩壊につながります。その際には、ハサミで葉の部分だけをバッサリとカットします。(ハサミを底床に平行になるようにして切ると良い。)ランナーは切らない方が無難です。(ランナーを切ってしまうとさらに殖えてしまいますからね。)ついでに、何本かのランナーを間引くと良いでしょう。その後は、小さな葉がゆっくりと生えてきて、また見栄えの良い絨毯ができあがります。
 

<テクニック>

その他に、以下のようなテクニックがあります。

(1) 水上葉で育てる。
 グロッソの繁殖力に閉口して、すべてのグロッソを引っこ抜いて「ポイ」したくなるものですが、その際に捨てずに植木鉢に植え込んでおきましょう。大部分はそのまま枯れていくのですが、ごく少量は根を下ろし水上葉に移行します。水上葉のグロッソは成長力も落ち、緩やかに成長していきます。低温にも耐え10℃を切っても大丈夫らしいです。(私は土地柄、試しようがないですが。)こうやってストックしておけば、またいずれ水槽に入れたくなったときにも安心です。ちなみに花も咲きますよ。これがまた可憐でいいんだなぁ。
(2) 赤いグロッソを育てる。
 ごくたまに見られる、「赤いグロッソ」。今までの経験の中で、一度しかお目にかかっていない。突然変異ではなく、その後緑の新葉を展開しました。おそらく、鉄分に起因すると思われますが、正確な所は不明。<追記>その後の経験から、底砂の鉄分不足から起こりうると推察します。
(3) 立ち上がらせてみる。
 底床に這わせるだけがグロッソではありません。思い切って立ち上がらせて見るのも一つの手です。有茎種の林の間から、立ち上がったグロッソが見え隠れするのも悪くはないですよ。
 

 以上が、私のグロッソ育成法です。その他、おもしろい情報がありましたら、ご一報下さい。よろしくお願いします。