簡易VUメーターの製作 (byこけぶー)

ラックスマンやマッキントッシュのアンプのメーターは見ていて所有する喜びを増してくれますよね。 LEDのピークメーターだけの自分のオーディオセットにVUメーターが欲しくなりました。 でも業務用の本格的な物は値段も張るし、安価な物もあるにはあるのですが・・「何とか作れないか?」と思いました。 実際、オープンリールデッキやマルチトラックレコーダーでVUメーターを使ってましたし、 PAやレコーディング技術についても少し勉強しているのでピークメーターにはない、VUメーターの良さも再認識していたのもあります。 自分で設計する知識はないので回路図探しからスタート。ネットでも探した結果、町田秀和氏著「いまからはじめる電子工作」(オーム社)を購入。 町田氏は御自分のサイトでも詳しい説明やサポートをして下さっているので素人でも安心して助けを求められます。(笑) この説明によると本来のVUメーターは入力した信号を対数圧縮しているのだが、 正確に作動する回路を作るのはオペアンプの温度補償の関係で難しいとか。 疑似対数圧縮回路を使った製作例も載っていますが、今回は圧縮なしのリニア?VUメーターにしました。 録音に使わない限り、レッドゾーンにビュンビュン飛び込む針の様子を豪快に楽しめます。 (慣れるまでは振れ過ぎる針に何かマズい気がして落ち着きませんが) 早速若松通商でメーターユニットを購入しましたが、そのままではつまらないので照明用フィラメントを青色LEDに交換。 右のメーターは試行錯誤にいじくり回して針を曲げてしまいました。これも勉強のうち ! 配線のシンプル化をねらって2つを直列に接続。8400ミリカンデラ・定格電流100mA(普通は20mAから30mA)のLEDの明るさに期待。 この装着する向きや角度もいろいろ試行錯誤しましたがポイントは「如何に光を拡げるか」。 その結果、広角60°タイプに拡散用キャップを被せることにし、明るさに余裕の有る物にした訳です。 本を参考にその他の部品を集め、自分でユニバーサル基板に部品の配置を考えながら仮に並べてみます。 今までキットはいろいろ作りましたが自分で配置するのは初めてで、結構じっくり時間を掛けて決定しました。 感度調整用VRは一軸二連にして操作のシンプル化を図り、照明用LEDは左右合計4個を直列つなぎに。 合計の順電圧が14.6Vなので15Vの電源に「調整用VR250kΩ+上限設定用半固定R100Ω」でOK。 一応組み上がった回路をテストしてみます。 8400mcdの超高輝度LEDということで発熱が心配でしたが、一晩中全開で点灯しっ放しでも殆ど熱くならず。 今回初めて実験用の電圧可変安定化電源装置を買いましたが便利ですねー。電源基板もきちんと作ろうか迷いましたが、 結局手っ取り早くて安上がりなACアダプターを利用することに。(スイッチング電源でなくともいいそうです。by 町田氏) タカチのケースに電動ドリルで穴開け加工をし、パーツを取り付け、仮接続してみます。 写真、ブレてます、済みません。 空間が無駄だなぁ〜と思った方、へそくりの隠し場所に如何ですか?(笑) RCAピンプラグはLINE INとスルー。どこへでもインサートできるようになっています。 町田氏の設計図ではパワーメーターとしてパワーアンプとスピーカーの間にも入れられる用になってますが、その回路は省略。 基板で光っているLEDは電源ON時のパイロットランプにもなるのですが、メーターを光らせるので今回は内蔵。 ここで一つ問題が露呈。 ケースを加工する前にテスト用CDでチェックした時は左右のメーターの感度はドンピシャ一致してたのに、いざ組み込むとなぜか一目盛分の誤差が。 止むを得ず針が振れ過ぎる方に抵抗と微調整用VRを挿入。真ん中にでん!と座っているのがそのVR(笑)。 いつものキット組み立てと違い、音質を考えなくて良いのでケーブルの長さや取り回しもアバウトです。 すべての点検が済んで正面から見た様子が下の写真です。 改めてこの写真を見ているとネットで検索できる某メーカーのVUメーターキットとソックリ^^; 。 今回のケースの大きさは愛用のJB300B、または欲しいと思っているSV-3の大きさに合わせて決めたものですが、 大きさや形の選択は自由が利くので自分の機器に合わせればいいかもしれませんね。 また如何にも測定機器っぽくて色気がないのでフロントパネルに木目シールかクルマ用のスモークフィルムでも貼ろうかと思いましたが、 完成したばかりなので取りあえずこのまま行くことにしました。 音楽を聴きながら魂を抜かれたかの様にボーッと針の振れを眺めています。(笑) 費用面では単価が一番高かったのはケース、その次は都合四つも買ったVUメーターですが、多分合計でも一万円以内に収まりました。 今回はパーツ配置の試行錯誤、定数変更やケース加工など初めて尽くしだったのですが、その分とても勉強になりました。 設計&サポートの町田さん、この場でもお礼を申し上げます。有り難うございます。(2006.7.28) オーディオファンの皆様、もし何か問い合わせがありましたら oy-fm@po.synapse.ne.jp (oyの前にjを付けてください)までどうぞ。 キット屋倶楽部の入り口に戻る